音盤比較 モーツァルト《魔笛》

 モーツァルトの《魔笛》は表に現れる顔の表情の多彩さと、内を貫く背骨の堅牢さとをあわせ持つオペラだ。その両方を捉えることで、この作品の深奥に少し、近づくことができるだろう。ここではルネ・ヤコプス指揮、RIAS室内合唱団、ベルリン古楽アカデミーオトマール・スイトナー指揮、ライプツィヒ放送合唱団、シュターツカペレ・ドレスデンウィリアム・クリスティ指揮、レザール・フロリサンの3者の演奏のうちに、そんな「表情の多彩」さ「背骨の堅牢さ」を探りたい。

ここから先は

1,202字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?