17・18世紀のドイツ語圏音楽史
【序】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)の「本棚」を探る研究がある。キルステン・バイスヴェンガー博士の『J・S・バッハの所蔵楽譜文庫』(1992年)だ。論文には「バッハが所有していた他者の作品の目録」が収められている。それを眺めてみると、当時のドイツの音楽家がどの程度、時間や空間の広がりを意識していたかがよく分かる。そして、その広がりからは、ドイツ・バロック音楽史を特徴付けるさまざまな要素が浮かび上がってくる。
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