見出し画像

【授業料免除?】東大ニュース1月号【林修】

共通テストも終わり、一年生が入試の下見に来る季節になりました。彼らも来年の今頃には、立派な東大生へと変貌を遂げているのでしょう。皆さん、あけましておめでとうございます。東京大学にまつわる情報をお届けする赤ノ門ニュースです。東京大学で2025年1月に起きたニュースを、ランキング形式でご紹介します。執筆陣は東大生。腰の引けた大手メディアとは違う、一学生から見た視点をお届け!


5位 茂木健一郎、中居正広に苦言

 冴えた頭脳から放たれる、キレのあるコメントに定評のある東京大学客員教授・茂木健一郎氏が先日1月13日、舌鋒鋭く元SMAP・中井正広に苦言を呈した。中井氏のセクハラ問題に対する釈明が「スターじゃない」と感じたらしく、彼のコメントからは「肉声が伝わってこない」と述べる。長年の茂木ウォッチャーの私からすると、自分をテレビから追放した松本人志ファミリーの中井の足を引っ張りたいのだろうとつい思ってしまう。
 数年前に「お笑いのセンスない」と松本人志に噛みついて以来、茂木氏のテレビ出演は大幅に減少してしまった。その後はABEMATVやTwitterに場所を移して活動している。セルフカット(本人談)で整えられた天然アフロを振り回しながら、物申し系のタレントとして、脳科学者に次ぐ第二のキャリアを歩んでいる。テレビに未練もなければしがらみもないらしく、ここ数年はインターネットを中心に過激な言動が目立っており、茂木ウォッチャーの私としては胸が詰まる思いである。悲しくも最初に干された茂木に次いで、松本・中井も追放される形となった。数年来に渡って松本の陰口を叩いていた茂木からしてみれば、お得意のIQだけではなく鼻も高いだろう。しかし、数年前にはいがみ合っていた松本も茂木も、揃いも揃って地上波から消え去ってしまった。隔世の感がある。

▲毎日投稿される茂木氏のYouTube。深夜に見ていると、たまに涙が流れてくる。

4位 林修、東大卒なのを忘れられる

  お馴染みのフレーズ「今でしょ」が既にナウくないことで知られるタレント・林修氏が、『週刊女性』で行われた「東大出身だと聞いて驚く有名人」アンケートで第一位を獲得した。筆者からしてみると「そもそも予備校講師だろ」という突っ込みたくなる所だが、既にその認識は世間からかけ離れているらしい。きらびやかな『週刊女性』の読者層と東進ハイスクールの受講者が重なっていることは考え難いことを踏まえると、当雑誌の読者層にとって予備校講師という印象は薄いのだろう。
 当該記事には「頭がいいのに人柄がいい」などの読者コメントが寄せられていたが、「東大法学部以外をバカにするつむじ曲がりな先生」との受講者の意見も。確かに口角も右上に釣り曲がっている。そんな諸説ある林氏の情報を集めるべく、氏のオフィシャルブログ「いつやるか?今でしょ日記」の最新記事を拝見した所、「私は数ある誹謗中傷の中でも特に悪質な投稿について、裁判所に対して発信者情報開示命令の申立てを行いました。」と記載されていたため、余計なことは書かないことにする。批判? 無理でしょ。

▲9位には何故か大島てるがランクイン。謎の多いアンケートである。

3位 共通テスト、AIが91%得点

 株式会社LifePromptのAIに共通テストを解かせてみる恒例企画において、ついにAIの得点率が東大文Ⅰのボーダーを易々と越えてしまった。機械では測れない創造性を売りにしていた共通テストだったが、AIに容易に代替されることが明らかになってしまったらしい。一般的に機械に抱く計算能力の高さだけではなく、「読解力」が必要に見える国語や英語の得点率が高くなっており、文系理系問わず淘汰されるディストピアの到来は近い。
 とは言え、図形やイラストの読み取りの制度が低いことに加え、日本語文献しか存在しない日本史の成績があまり高くない。

▲該当記事。

2位 名物教員、次々に退職

 1月は学生にとっては進学・卒業を控えた季節である。他方、教員にとっては旅立ちの時でもある。この時期の東京大学の教養学部報を見ると、退職する駒場の教員たちが「<駒場をあとに>」と称して思う所を、そして彼らを見送る教員たちが「<送る言葉>」を綴っている。
 今年度を最後として退職する教員の中には、余りに早い引退なのではないか、と思わせるような俊英たちが揃い立っている。「乳酸おじさん」こと八田英雄先生、キャンパスの猫への給餌でお馴染みの森政稔先生、ドイツ語部会随一のカリスマ性を誇った森芳樹先生など、個人的にもお世話になった教員が数多く退職なさるのを実感し、どこか物寂しい思いがする。
 オープンキャンパスで八田先生の授業を受けた記憶がある、。「乳酸は疲労物質ではない」という自説を滔々と述べてらっしゃったが、今思うと大学教育での講義は人生において先生の授業が初めての体験だった。隣の席の参加者がフランス語で『星の王子さま』を読んでいて、身の回りに誰一人としていなかった「東大受験生」の息吹を感じたのは記憶に新しい。森政稔先生の講義は前期・後期共に内容の密度が高く、講義を自宅でZoom配信なさる時、背景に大量の本が積み重なって、清潔感の無い田原総一朗の家のような異様な雰囲気を漂わせていた。膨大な知識量に裏付けられた社会思想史は、大学教育薫陶を受ける最初の経験だったと言って良い程の衝撃だった。森芳樹先生は語学の授業でお世話になった。言語学者でありながら、領域内に留まらない学識を見せて下さった。授業内で募集していた研究プロジェクトに誘って頂くなど、学部生の身でありながらアカデミアに進んだ先を垣間見させてくれた。
 いざ自分が先生方と同じ年齢に達した時に、同じ学識を以て後進の育成に当たることができるかと問われると、つい答えに窮してしまう。古き良きアカデミアで育った最後の世代だったのかもしれない。

▲森政稔先生の著書。複数の単著及び寄稿を予定している他、「最終講義」と称して3月中に講演を行うらしい。

1位 2025年度からの学費免除、微妙

25年度から学部生の授業料を年53万5800円から64万2960円へと引き上げると昨年公表した東京大学(総長藤井輝夫)。学生たちによる決死の反対運動の甲斐もあってか、「合理的配慮」の措置が先日公表された。その内容は、「世帯年収900万円以下の地方出身者は授業料を25%免除」「全額免除の対象を世帯年収400万円以下から600万円以下に拡大」

なんとも中途半端な措置だが、まあないよりはマシということか。これらの学費免除にはいくつか条件があり、例えば25%免除の場合は、高校卒業から2年以内に学部に入学していることなどがある。つまり、二浪まではギリセーフだが三浪以降は排除するということである。これは果たしてダイバーシティ・インクルージョン的にはどうなのだろうか。これにより、ピュアな現役生がスレた多浪生と触れ合う貴重な機会が失われていく。相互不理解、格差拡大、国家崩壊はここから始まるのだ。


いかがだったでしょうか。二次試験は今も着々と近づいていますが、受験生の皆さまは何してるんですか? 勉強してください。それでは、またお会いしましょう。赤ノ門ニュースでした。

いいね・フォローしていただけると非常に励みになります。

いいなと思ったら応援しよう!