1/43レジンキットの製作マニュアル-3
第3章
【サーフェイサーを研ぐ】
サーフェイサーと溶きパテを塗ってから2-3日ほど間をおき、耐水サンドペーパーでボディの表面を研ぎ出します。サンドペーパーの番手は#400か#600が適当です。このサーフェイサーをきちんと研ぐことができれば、上に重ねる塗料が少しくらい厚ぼったくて、仕上がりがシャープに見えるものです。
※ サンドペーパーの使い方の具体例は教室のほうで説明するとして、大切なのはボディの起伏の状態をペーパー越しに指先で感じ取れるかどうかです。ルーフなどの平面はあくまでも平らに、フェンダーの曲面は丸くなるように、エッジは意識的に尖らせるくらいでちょうどいいかもしれません。
狭くて指が届かないダクトの奥などは、プラ板を短冊状に切り、そこに耐水ペーパーを貼り付けたもので対処しましょう。
【エッチングパーツの取り扱い】
1/43スケールのキットに付き物の精密なエッチングパーツですが、真鍮や洋白、ステンレスなど素材によって特性が違うため、切ったり曲げたりの加工にはある程度のノウハウが必要です。そしてこのエッチングパーツの接合に便利なのが半田付けで、この半田のテクニックをマスターしておけば、工作の幅が広がるのは確実といっていいでしょう。
※ テクニックといってもそれほど大袈裟なものではなく、フラックスを使う際の注意点や、材料を仮止めするときの工夫といったものですが、こちらも教室のほうで実際に作業しながら解説させていただきます。
【透明パーツのフィッティング】
1/43のレジンキットの仕上がりを左右する要素のひとつが、この透明パーツのフィッティングです。いくらボディが美しく塗れていても、窓やライトカバーの接着が荒れていると、その魅力は半減してしまいます。きれいに接着するためには、ボディと透明パーツの隙間をできるだけ少なくして、接着剤の量を最小限に抑えることがポイントです。
キットに使われる透明パーツは、あらかじめ窓のかたちにバキュームフォームで成形されているものと、透明のフィルムシートを窓枠にそって切り抜いて貼るものの2種類に大別されます。バキューム成形の場合、最初にはさみでパーツの輪郭を切り抜いた後、ボディ側の開口部に当てながら、干渉する部分をサンドペーパーで少しずつ削りながら調節していきます。
※ BBRのキットに代表される透明フィルム式では、まず窓枠のエッチングを型紙にして透明シートを窓の形に切り抜き、ボディの開口部に収まるように調節します。続いて窓枠のエッチングをボディに合わせて、必要なら緩くカーブするようにクセ付けします。この窓と窓枠の固定はボディを塗装した後、無白濁タイプの瞬間接着剤もしくはエポキシ接着剤を使って行いますが、現時点ではボディとエッチングの隙間をできるだけ少なくフィット察せることに専念してください。
【白く塗る】
これから塗装するボディカラーが赤や黄色といった隠蔽力の弱い色の場合、下地に白を吹いて発色をよくする必要があります。もしブラックやシルバーなど隠蔽力に長けた色なら、このホワイトの工程を省略してもかまいません。が、もしサーフェイサーを研いだ仕上げに自信が持てない場合、確認の意味で薄めに白を吹き、チェックしてみることをお勧めします。
【ボディカラーを塗る】
下塗りの白の乾燥を見計らってから、#800か#1000の耐水サンドペーパーで表面の荒れを整えます。きれいに塗れているところはいじらず、ゆず肌になってしまった部分や溶きパテを使った箇所を注意して研ぐ感じでOKです。やり過ぎて下地のグレーサフが顔を出さないように注意してください。
※ サイドミラーやリアウイングなど、ボディと同じ色で塗る必要のあるパーツは、サフから下塗りの白まで、ボディと同時進行で作業すると効率的です。
また、「大判のデカールを貼れ!」と指示がある場合でも、マスキングして塗り分けたほうが早くきれいに仕上がることもあるので、判断が難しいときは遠慮なく相談してください。