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エアブラシのメンテで大事なこと(動画あり)

いつもお世話になってるエアブラシ。慣れたらもうこれ無しでは模型を作れないほど便利な道具ですが、使った後のメンテナンスは正直めんどい。シンナー臭いし、洗うのを忘れて放置すると調子悪くなるし...。

べつに過保護になる必要はないけれど、うまく使っていくにはそれなりの気遣いも必要ってことで、今回は僕自身が日頃からやっているメンテナンスの方法を紹介します。文末にはよくあるトラブルの解決方法も書いたので、何かの参考になれば幸いです。

レベル1:普段づかい

クレオスやガイア、フィニッシャーズなど、いわゆる模型用のラッカー塗料を使っているなら、使用後にシンナーで洗う環境さえ整えておけばさほど面倒じゃありません。僕はブリキの丸い缶に安いラッカーシンナー(プラスチックが溶けるやつ)を満たしておき、ジャンクな筆でカップ内を1回洗ってからブクブクとうがいさせています。

※ うがいの時に指で塞ぐのでなく、先端のノズルを1回転ほど緩めても同じようにうがいできます。四隅に切り込みが入ったクラウン型ノズルの場合、そうしたほうが便利です。

ブリキ缶でうがいをした後は、別の瓶に入れてあるシンナーを注いで1-2回うがいと空吹きをすればOK。ニードルを差しっぱなしだとエアブラシの内部に残った塗料が固着して、次に使うときに「アレ?動かん?」ということになるので、できれば引き抜いて別に保管しておくほうがいいです。

※ まぁ仮に固まったとしても、ニードルの尻をペンチで掴んで少し力を加えて捻れば抜けるので心配はいりません。

レベル2:ウレタン塗料を吹いたあと

カーモデラーがたまに使うウレタンサフやクリアーの場合、多少はめんどくさいので覚悟してください。レベル1で紹介したシンナー洗いで落としきれなかった塗料がニードルパッキンの後方にまで伝わり、各部が固まって動かなくなるケースが多発するからです。僕はウレタン塗料を吹いた後はエアブラシを分解し、パーツをシンナーで綺麗に拭き取ってから元に戻すようにしています。

分解は慣れれば2分でできる作業ですが、最初のうちはパーツの紛失に気をつけて...。主に掃除するのは太い筒状のスライドカムで、ここで紹介しているトリガー式の場合、シリアル番号下の小さなネジを外さないとバラせないものが殆どです。これを知らないで力まかせに分解すると、エアブラシが確実に壊れるので注意してください。

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取り外したスライドはシンナーかアセトンにしばらく浸し、周囲にこびりついた汚れを取り除きます。ノズルカバーのねじ山にも塗料が染み込んで固まりやすいので、同時にクリーニングすることをおすすめします。

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スライドカムさえ綺麗にすれば、エアブラシ本体はそれ以上分解する必要はなく、せいぜいシンナーを含ませた綿棒で胴体の内側を掃除するくらい。表面のベタつきが気になる方はキムワイプなどで拭き取るだけにして、シンナーどぶ漬けとかは止めましょう。

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エアブラシ先端のノズルも、特別な理由がない限り外す必要はないです。とても繊細なパーツゆえに、脱着を頻繁に繰り返すとエアブラシの調子が狂うことがあります。外してクリーニングするとしても年に1回ぐらいですね。

トラブルその1:エアーが出っぱなし

ここから先は、よくあるエアブラシのトラブルについて...。まずは ボタンやトリガーを戻しても空気が出っぱなしで止まらない、しばらく経つと戻る といった場合の対処方法です。

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この空気の通りみちを制御するピストンとOリングの動作が渋くなるのが原因なので、ピンセットでピストンをつまんで引き抜き、Oリングの内側に粘度の高いグリスを少量塗って組み直せば解決すると思います。グリスがなければワセリンでも大丈夫ですが、サラサラしたオイルは危険! 空気に入り混じってノズルから吹き出し、塗膜が荒れる原因になります。

トラブルその2:エアーが逆流

続いて カップ内に空気が逆流する、常にうがいした状態になってしまい、塗料がスムースに吹けない 時の対処方法です。

これはノズルを取り外した後の組み立てが不十分で起こることが多いです。特に安価で大量生産されたエアブラシの場合、ノズルのネジまわりの精度が甘く、シール剤を塗ること前提で空気漏れを防ぐようになっています。「ノズルが詰まった!」といったトラブルで、分解・清掃した後にシール剤を塗らずに組み立てると、たいてい調子が悪くなってしまいます。

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シール剤以外の原因として考えられるのは『いじり壊し』。これは僕自身も経験したトラブルで、「エアブラシのチューニング♪」と称してノズルの口径を広げたり、別の機種のノズルに付け替えるといった魔改造が原因です。改造によってノズルの先端が摩耗し、ドーム状のカバーの先端からの飛び出し量が不足すると、エアーの逆流症状が出てしまいます。

なんだかんだ言っても純正パーツが一番の性能を発揮できるように設計されているので、改造はあくまでも自己責任で楽しみましょう。

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