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資産運用コラムマガジン

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資産運用に関するコラムをまとめています。
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#資産運用

エンダウメントの資産運用を日本の個人投資家が再現するための手法(1/2)

エンダウメント(米国の大学基金)は、その独自の資産運用戦略と長期的な投資視点で知られています。彼らは単に米国の株式や債券に投資するだけでなく、「オルタナティブ」と呼ばれる資産クラスにも積極的に投資を行い、多様なポートフォリオを構築しています。日本の個人投資家においても、国内で未上場株等を組み込んだ公募投資信託が設定可能になり、エンダウメントの成功を参考にしながら、その資産運用手法を再現することは、もはや不可能ではなくなってきています。本コラムでは、まず、エンダウメントの資産運

【連載】ヘッジファンド解剖学:その起源から未来まで(3/10)

ヘッジファンドの復活とジュリアン・ロバートソン1980年代のヘッジファンド復活の始まり 1980年代には、金融自由化とグローバリゼーションが進展し、ヘッジファンド業界もその波に乗って大きな成長を遂げました。1980年代の初めには、ヘッジファンドの数は100以上にまで増加しました。 金融自由化の波は、ヘッジファンドにとって重大な転換点であり、好機をもたらしました。金融規制の緩和により、これまで行うことが難しかったレバレッジやショートセリングといった取引が可能になりました。こ

【連載】ヘッジファンド解剖学:その起源から未来まで(2/10)

ヘッジファンドの拡大と低迷1960-70年代のヘッジファンド 1960年代に入ると、ヘッジファンド業界はその認知度と規模が急速に拡大していきました。この期間は、特にソロモン・ブラザーズのようなウォールストリートの巨頭が新たにヘッジファンド部門を設立し、既存の投資銀行業務と組み合わせることで、金融業界全体に大きな影響を与えた時期です。また、多様な投資戦略の出現により、ヘッジファンドは新たな資産クラスへと拡大し、市場のリスクに対する保護(ヘッジ)と収益性の向上の両方を追求してい

【連載】ヘッジファンド解剖学:その起源から未来まで(1/10)

メディア等を通じて、ヘッジファンドという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、ヘッジファンドとはどのようなものか、いつ頃から登場した存在なのか、どのような歴史を経て現在の形になったのか、そうした背景をご存知の方は少ないのではないでしょうか。また、AI等の進歩に伴い、これからどのように変化し進化していくのか。今回、皆さまを連載形式でヘッジファンドの起源から未来までを解剖し、その深層をお伝えする旅にお連れしたいと思います。私たちの旅は、ヘッジファンドの創設者