マガジンのカバー画像

資産運用コラムマガジン

9
資産運用に関するコラムをまとめています。
運営しているクリエイター

#投資

資産形成の目的と目標設定: 理想の未来をつかむためのステップ

人生100年時代と呼ばれる中、皆さまは老後や将来のビジョンに不安を感じられたことはないでしょうか?老後の資金が不足してしまうのではないか、という切り口から、テレビやネット記事で資産形成の重要性が謳われることは当たり前となったように思われます。私どもとしても、資産形成は私たちの人生をより豊かで充実したものにするための重要なステップであると考えています。思い描く理想の未来をつかむためには、しっかりと目的と目標を明確に設定し、効果的な資産形成の戦略を立てることが不可欠です。本記事で

米国の大学エンダウメントの歴史的発展

近年、日本においては「大学ファンド」が注目を集めています。この「大学ファンド」は政府や研究大学が拠出した資金を運用する仕組みであり、ファンドの運用益をもとに「国際卓越研究大学」として認定された対象大学に対して資金配分を行うというものです。この資金は研究施設の整備や研究者の育成に活用され、大学の国際競争力の強化を目的としています。将来的には、各大学が自らの資金で基金を保有し、その資金を運用・活用していくことが目指されています。ただ、このような大学基金の活用は日本発祥のものでは

【連載】ヘッジファンド解剖学:その起源から未来まで(3/10)

ヘッジファンドの復活とジュリアン・ロバートソン1980年代のヘッジファンド復活の始まり 1980年代には、金融自由化とグローバリゼーションが進展し、ヘッジファンド業界もその波に乗って大きな成長を遂げました。1980年代の初めには、ヘッジファンドの数は100以上にまで増加しました。 金融自由化の波は、ヘッジファンドにとって重大な転換点であり、好機をもたらしました。金融規制の緩和により、これまで行うことが難しかったレバレッジやショートセリングといった取引が可能になりました。こ

【連載】ヘッジファンド解剖学:その起源から未来まで(2/10)

ヘッジファンドの拡大と低迷1960-70年代のヘッジファンド 1960年代に入ると、ヘッジファンド業界はその認知度と規模が急速に拡大していきました。この期間は、特にソロモン・ブラザーズのようなウォールストリートの巨頭が新たにヘッジファンド部門を設立し、既存の投資銀行業務と組み合わせることで、金融業界全体に大きな影響を与えた時期です。また、多様な投資戦略の出現により、ヘッジファンドは新たな資産クラスへと拡大し、市場のリスクに対する保護(ヘッジ)と収益性の向上の両方を追求してい

【連載】ヘッジファンド解剖学:その起源から未来まで(1/10)

メディア等を通じて、ヘッジファンドという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、ヘッジファンドとはどのようなものか、いつ頃から登場した存在なのか、どのような歴史を経て現在の形になったのか、そうした背景をご存知の方は少ないのではないでしょうか。また、AI等の進歩に伴い、これからどのように変化し進化していくのか。今回、皆さまを連載形式でヘッジファンドの起源から未来までを解剖し、その深層をお伝えする旅にお連れしたいと思います。私たちの旅は、ヘッジファンドの創設者