ゲーム制作に関わること全てを勉強したい! プランナー志望 沈 知燮氏にインタビュー!
学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―
今回は日本電子専門学校の沈 知燮(シム ジソプ)さんにインタビューを行いました。
韓国から日本へ留学中の沈さんはどんな思いでゲーム業界を目指すのでしょうか。
ゲーム制作に関わること全てを勉強したい
― 自己紹介をお願いします。
沈:名前は沈 知燮(シム ジソプ)です。日本電子専門学校 ゲーム企画科に通っています。
― 日本に来る前はどんなことをしていましたか。
沈:ちょうど兵役が終わってから来ました。高校を卒業して軍に入って、それが終わってからすぐにです。
― なるほど。高校を卒業してから軍に行く人は多いのですか。
沈:普通は大学に行きますね。僕は高校を卒業してから留学したかったですが、やっぱりお金の問題と、軍の問題がありました。
― どうして日本に留学されたのですか。
沈:アニメやゲーム、漫画を勉強する高校に通っていて、大学への進学も悩んでいた頃でした。そのときに日本電子専門学校の留学説明会を聞いてから、日本への留学を決めました。
― ゲームを作りたかったのですか。
沈:高校生の頃に3Dモデリングに興味を持っていて、将来的にはゲームのモデリングをしたいなと思っていました。留学説明会でゲーム企画科の、ゲーム制作に関わることすべてを勉強できるカリキュラムを見て決めました。
― 日本電子の説明会は韓国で開催されたんですか。
沈:韓国です。ちょうど高校に来ていた方や、ソウルでの説明会も聞きました。
― 説明会がきっかけなのですね。日本語はいつ勉強したのですか。
沈:小学生の頃から好きで日本語を勉強していましたが、そんなにしっかりやっていなくて。ちゃんと始めたのは、兵役が終わってから留学するためにです。
― バイトはどんなことを経験しましたか。
沈:歌舞伎町のドラッグストアでアルバイトをしました。
― 歌舞伎町で! 良い経験などありましたか。
沈:そんなにお客さんと接しないのですが、お客さんとお話することがありました。
―コミュニケーションが取れる場だったのですね。
沈:そうですね。
― 自分の中で自慢できる部分というは何でしょう?
沈:いろんなものに興味を持っていて、やりたいなと思って実際やってみるところです。
― 具体的に何をやってみましたか。
沈:ゲーム制作では3Dモデリングやプログラミングも興味を持って取り組んだことです。プランナーを目指しながら、技術にも興味があります。
― ゲーム制作以外にもエピソードはありますか。
沈:楽器も好きで、高校を卒業して1ヶ月ぐらいバイトをして、最初に買ったのがピアノでした。
― いいですね、それぞれの楽器はどの程度いけるのですか?
沈:ピアノは楽譜を見ながらでしたらちょっとくらい。バイオリンは始めたところで軍に行ってしまったので、今はちょっと忘れています。フルートはそんなに難しくなければまだ演奏できるくらいです。
― 今もまだ練習したりしますか。
沈:フルートはこっちにも持ってきてたまに吹きます。
― どこで吹くのですか。
沈:家の中です。
― 家の中で(笑)。大きい音出るのではないですか?
沈:そんな長くはできません(笑)。
司令部で経験した書類作成が活きる
― これまでに辛かったことを教えてください。
沈:軍人だったことですね。
― 他の人にないですね。何が辛かったですか。
沈:小さい軍隊ではなく司令部で働いていたので結構大変でした。
― 仕事が大変でしたか。
沈:給料もないのに、同じ仕事や残業をやっていました。その時の給料は1ヶ月に2万円ぐらいでした。訓練もありました。部に所属しながらなので、意見が違うと「ここはダメ、ここはやって」と言われて大変でした。
― そういう社会の理不尽をもう経験しているのですね。
沈:その当時、司令部は補給を担当する部隊で、兵士が下の部隊を含めて5,000人ぐらい。その中で、司令部で働いていた兵士が確か20人ぐらい。
― どうして選ばれたのですか。
沈:何で選ばれたのかは分からないです。
― 特に理由はなくパソコン使えそうだから、とかではないのですね。
沈:人事部だったのでどうやって人を選ぶのかを近くで見ていましたが、確かに運が良かったという感じですね。
― 大変なことがあったと思いますが、どうやって乗り越えましたか。
沈:よく使ったツールがExcel、Wordでしたので、効率的に使えるようにExcelの関数を勉強して工夫しました。それから自分が必要なものを整理するなど仕事が少し早くなりました。
― 授業や学校で楽しいときは、どんなときですか。
沈:ゲームを制作するためのすべてを学べるというのが1番楽しいです。
― 全体的なものが分かるから、という感じですか。
沈:高校生のときは、何とかしてゲーム作ろうと考えて、RPGメーカーというツールから作ってみました。失敗しましたがこのときはプログラミングという考えはありませんでした。専門学校ではプログラミングやデザインのイメージなどが必要だなと、勉強できて良かったと思っています。
― 進級制作発表会ではどんな作品を発表されましたか。
日本電子専門学校 ゲーム企画科の進級制作発表会。 「ワールドワイドに通用する」をテーマに各チームが企画・制作した作品をプレゼン発表した。
沈:『GEARS CONNECT(ギアーズコネクト)』です。
『GEARS CONNECT(ギアーズコネクト)』
画面に表示される数字を足して消すパズルゲーム。
ただし、手数が限られており、数字の合計値にも制限があるところが奥深い。
― どんなところを担当しましたか。
沈:ほとんどの書類作成です。それから、チームメンバーからの書類の修正と最終確認を担当しました。
― 自分から率先して担当したのですか。
沈:はい。韓国の兵役で司令部に所属して書類を書く仕事をやっていましたので。『ギアコネ』は自分の意見は少なかった方ですが、『ハニーズコネクト』という別のゲームがあって、そちらには自分の意見を入れて制作しました。
― メインは『ハニコネ』だったんですね。
沈:はい。その後からデザインが少し変わった『ギアコネ』が出ました。
― 『ハニコネ』では自分の意見が反映されたところはどこですか。
沈:数字を用意したパズルはチームメンバーが考えていました。そこから『ハニコネ』や『ギアコネ』の形はこちらで考えました。ハチの巣をモチーフにしようと相談して今の形になりました。
― 趣味でありえないくらい突き詰めているものは何ですか。
沈:今興味を持っているのが、3Dやプログラミングです。3Dだと特に背景が好きで、背景のモデリングをしますが、まだまだ難しいなと感じています。プログラミングももう少し上手くなりたいと思いながら、ネットで勉強しながらやったりしています。
― 少し前まではできなかったけど、できるようになったところはありますか。
沈:学科でやっているプログラミングと実際のプログラミングはちょっと違う感じがありましたが、基本的なプログラミングをやってみたら、やっぱり同じで「こういう書き方をすればこれとこれは同じにできるのだな」というが分かるようになりました。
― 授業と調べたのが違ったというのは、どういう違いですか。
沈:授業と違うというよりは、普通にプログラミングを勉強するとパーツ1個で書くのですが、学校ではそれぞれが分けられていて、ここは何、ここは何と。普通のプログラミングと書き方が違うなと思っていたのですが、実際にやってみると、ちょっと分けて使っていて見え方は違うけど、結局同じようにできました。
オンラインゲームに馴染みがある
― 1番好きなゲームは何ですか。
沈:最近だと『オーバーウォッチ』か『デッド バイ デイライト』というゲームです。スマホでしたら、今、韓国でやっている『ブラウンダスト』です。
― オンラインゲームの魅力は、どんなことだと思いますか?
沈:みんなと遊べるのが1番好きです。韓国でも今まで遊んでいたのはオンラインゲームで、1人よりチームプレーが多かったです。
― ゲーム以外で1番好きなコンテンツは何ですか。
沈:アニメだと銀魂が好きです。
― 高校生の頃から銀魂が好きだったのですか。
沈:そうですね。長く続いている漫画でしたし、まじめなところやギャグ的なところもあって。1番好きなアニメでした。
― アニメ以外で趣味はありますか。
沈:風景を見るのが好きなので、最近は友だちに誘われて千葉に行ったり、その1ヶ月前は静岡へ富士山を見に行ったりしました。
― それは、背景とかの参考にとかではなくてですか。
沈:それはちょっと別で、そういうのを見るのは好きです。
― いろいろなところへ出かけるのですね。
沈:やっぱりきっかけがあれば行きたいですね。
楽しんでもらえるゲームを作りたい
― 将来はどうなりたいですか。
沈:近い将来は友達とゲームを作って配信など誰かに楽しんでもらいたいなと思っています。遠くの将来だったら、ゲームの会社に入社して、いろんな人に楽しんでもらうゲームを作りたいなと考えています。
― どんなゲームを作りたいですか。
沈:作るならスマホとかオンラインのほうをやりたいなと思っています。
― どうしてですか。
沈:韓国にいてゲームといったらオンラインしかなかったので、そちらを目指すのかなと思います。
― 韓国にいたときも、ゲームは結構遊んでいましたか。
沈:いろいろ好きでした。LoLなどのエスケープのジャンルやRPG、他にも結構遊んでいました。
― 自己PRをお願いします。
沈:自分が興味を持ったものに関してはすごく取り組むというところが1番の強みです。今は、ゲーム制作での3Dやプログラミングが好きで、ネットで勉強して、実際に個人でゲームを作っています。
― 面白そうですね! 自分で作ったゲームはありますか。
沈:学校で東京ゲームショウに向けてチームを組んで出しました。
― そのゲームではどこを担当しましたか。
沈:プログラミングと、一応ある程度のデザインを担当しました。どんなゲームかというと、ブラック企業に所属してパンを作りながら、企業を爆発するゲームでした(笑)。
― どういうきっかけで、そのゲームを考えたのですか。
沈:制限が横スクロールの画面やシューティング画面でした。いろいろとブラックなところが目について、ブラック企業を爆発させようと考えて作りました。
― ブラック企業を爆発させるゲームは、何がゴールですか。
沈:監視があって例えばパンを作る機械を叩けば壊せます。エンドレスに続くゲームです。
― 面白そうですね!
沈:ありがとうございます!
++――――――――――――――――――――――――――――――
学生クリエイターの方、現役クリエイターの方問わず、自身のクリエイターとしての価値を高めたい! とお考えの方は気軽に下記よりご連絡ください!
ゲームクリエイターが生涯現役でいられる世界を目指して、
ノウハウ還流の場やクリエイター同士のコミュニケーション機会など、
クリエイターの生涯活躍を支援する活動をしています。
会社の垣根を越えて、業界全体が協力してクリエイター育成が出来る
仕組みづくりを日々模索しています。
公式HP: https://game.creators-guild.com/