大学から専門への転向はメンタルを強くした! プランナー志望 山本 凱吾氏にインタビュー!
学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―
今回は日本電子専門学校 ゲーム企画科 の山本凱吾さんにインタビューを行いました。
大学を中退して専門学校へ進んだプランナー志望の山本さんはどんな思いでゲーム業界を目指すのでしょうか。
大学から専門への転向
― 自己紹介をお願いします。
山本:日本電子専門学校 ゲーム企画科 山本凱吾です。プランナーを目指しています。
― ご出身は。
山本:関西です。今は1人暮らしです。
― なるほどね。大変ですね。
山本:料理を作るまでは仕方ないと思うんですが、食器を洗うのが嫌です(笑)「なんで食器洗わなあかんのかな」と思っちゃいます。
― 洗うの嫌だから紙コップとか使うんですよね(笑) わかります。
山本:「コンビニ弁当、めっちゃいいじゃん」と思います。
― 食べないよりは絶対いいね。
山本:しかも以外と美味しいんですよね。
― アルバイトは何をしていましたか。
山本:スーパーとバーです。
― え? 未成年?
山本:いや、もう超えています。
― そうなんですね。
山本:大学中退で専門学校に入ったのでもう20歳は超えています。
― バイトや大学に行っていた経験で役に立ったことはありますか。
山本:大学は情報科学科でプログラムを学んだりしました。専門学校に入って、ゲームのプログラムを学ぶときに「ああこれ、大学でちょっとやったことあるな」ということがあって、助かりました。
バイトだと、バーの店員の時に初対面の人と話すときには「こういう話題はどう?」とお店の人に聞きました。それはこれからもっと活かせたらいいかなって思います。
― なんで大学に行って途中で専門に行こうと思いましたか。
山本:2歳離れた妹がいて、どうしてもお互いの大学の期間が重なりました。お金の問題がある中、僕に留年の可能性があって、2年生で専門学校に行ったら卒業と変わらないだろうから親に「ゲームの専門学校に行かせてください」とお願いして、行かせてもらいました。
― そうなんですね。
山本:ゲーム以外にもう1個選択肢がありました。母が看護士として勤めていて「看護士かゲームの専門学校のどちらに行くか」と聞かれて「ゲームに行かせてください」とお願いしたんです。
― 大学でも専門でもやりたいことはできているんですね。
山本:ありがとうございます。
自分に足りないところは努力で補う
― 自分の1番の強みを教えてください。
山本:強み……。正直、自分だとよく分からないですが、周りの人からは「優しいとか人当たりがいい」と言われるので「ああ、そうなのかな」と思ったりはしますが……。
― 自覚はないですか。
山本:自分だと普通にやってることなので。
― どんな人とでも分け隔てなくみたいな感じですか。
山本:そうですね。どんな人でも、この人はこういう人なんだっていうので割り切って接します。
― いいですね。でも、優しいと人当たりがいいは別ですよね。
山本:ですね。
― でも一緒なのか。みんなが優しいと言うからそうなんだね、きっと。
山本:おそらく。
― もう1つの強みは努力ですか。
山本:専門学校に入ったときに、プログラムは勉強してきたけど、絵を描いたことはありませんでした。キャラクターとか描けなくて、そこをクラスで絵が描ける人に教えてもらって、自分に足りないところを人に聞いたりしてできるようにしようとする姿勢がいいところかなと思います。ちゃんとやらないとできないタイプなんで、そこはもう努力で補うしかないなっていう感じです。
― 今までで辛かったことはなんですか。
山本:やっぱり大学の中退が1番辛かったです。
― そのときは辛かったけど、今考えるとどうですか。
山本:「良かったのかな」と思います。今まで、受験をしたことがなくて、高校や大学も指定校推薦で入学して挫折の経験がありませんでした。そんな状態で大学に行ったので、ちょっとダメになって「親にお金出してもらったのに申し訳ないな」と思っていました。今年のお正月に実家へ帰って「ごめんね」と言ったら「まあ1回挫折を経験できたし、いいんじゃない」と言われました。
「専門学校じゃあ挫折できないから頑張らなきゃ!」とプラスの考え方になれたので良かったらと思っています。
― ここで頑張ろうと、さらに頑張ろうと思えたわけですね。
山本:毎朝起きるときに「学校に行きたくないな」と思っても「ダメだ」と。「ここで行かなかったらまた戻る」と思って、頑張って行くようにしています。
― 大学に行っていたら学校にすら行かなくなったかもしれないですもんね。
山本:ダメだったかもしれない。
映画からハマった恐竜の世界
― 趣味でありえないくらい突き詰めているものやハマったものなんですか?
山本:小学生の頃にやっていた剣道です。家族でもやっていました。あとは、大学のときにサバゲサークルに入っていました。「この銃なんて言うんだろう、なんでこんなに高いのか」というのを友達に聞いて、知識を増やしたりしました。
― 今はやっていないんですか。
山本:剣道は場所がなくてできていません。サバゲはお金がかかる趣味なので、気軽にできないので、今はちょっと休憩時期ですね。剣道だったら時々やりたいなあ思うんですけど、でも場所ないし、よしペットボトルでも振っておこうって(笑)
― ここで発散しているのかな。
山本:そうかもしれないです。
― 1番好きなゲームの魅力を語ってください。
山本:子どもの頃に『ジュラシックパーク』を見て恐竜が好きでした。『アーク』は恐竜を仲間にできて育てられるなんて最高じゃないかと思いました。
― 『アーク』はどんなゲームですか。
山本:簡単に言えばサバイバルゲームで、恐竜がいっぱいいる島の中で、人間の自分が生き残っていくというものです。その過程で恐竜を仲間にして、強いボスを倒して、強いアイテムをもらうのを大人数で協力したり、戦争したり、色々できる面白いゲームだと思います。
― おすすめしたことはありますか。
山本:友達に「このゲームめっちゃ面白そうじゃない?」と言って一緒に買って遊びました。
― 映画もお好きなんですね。
山本:パッと思いついて、これ面白かったなって思ったのが『マスク』です。
― どんなところが面白いですか。
山本:主人公の顔芸も面白いですし、海外のアニメ・映画の小ネタを交えて「この映画のやつだ! おもしろ!」となったり、あとは時々歌って踊るのが面白いと思います。CGが古いけど自然と見れるのが、すごいなって思います。
― どうして見ようと思いましたか。
山本:DVDが家にあって「これってなんだろう」と思って見てみたらハマった感じですね。
― 映画は好きなんですか。
山本:映画好きです。
― いいですね。映画館は行きますか。
山本:映画館はあんまりですね、何だろう、映画1回見るなら、DVDを買ったほうが何回でも見れるぞと思います。
― 映画館好きを敵に回す発言ですね(笑)どういう基準で見るものを選びますか。
山本:映画にも好き嫌いがなくて、恋愛映画・ドキュメンタリー・アクション・コメディなどいろんなジャンルの予告を見て面白そうと思ったら見ます。
チームメンバーに迷惑をかけられないという思いで制作
― 授業や学校で楽しい時はいつですか。
山本:「これ意味わからんな」と思いながら覚えたことが「あ、ここで役立つんだ」というのが分かったときや、いろんな人が「これめっちゃ楽しい」と作ったゲームをプレイしてくれたときは「頑張って作って良かったな」と思います。そのときはすごく嬉しいですね。
― いいですね。
山本:チーム制作のときは「この人たちに迷惑はかけられないな」と思って、周りにも頑張っている人もいるのでちょっと徹夜しました。
― 進級制作発表会ではどんな作品を担当しましたか。
日本電子専門学校 ゲーム企画科の進級制作発表会。 「ワールドワイドに通用する」をテーマに各チームが企画・制作した作品をプレゼン発表した。
山本:『PENDULUM(ペンデュラム)』です。
『PENDULUM(ペンデュラム)』
振り子を揺らして障害物をよけるゲーム。好きな音楽を流しながら遊ぶことができる。
― どういうところを担当しましたか。
山本:動作仕様書やプレゼンの時の補足資料を作ったり、資料づくりの全般を担当しました。
― 資料作りは得意ですか。
山本:……。
― そうでもないのかな。
山本:伝わるように頑張って書こうとはしていますが。
― 難しいですか。
山本:仕様書を渡すと「これじゃちょっと分からない」と言われて書き直して「これでどう?」というのを何回か繰り返しました。
― でも初めて書いたんじゃないんですか。
山本:初めてでした。
― 最終的にはうまくできましたか。
山本:完成出来たのでよかったなと思います。
― うまくいかなかった部分はどんなところでしょうか。
山本:開発班とのすり合わせがちょっと足りなかったかなと思います。
― 反省点を次にどう活かしていきますか。
山本:まずは開発班に仕様書を渡して分かるか聞いて、分かってもらえたらそれを基準に書いて、分からないと言われたらもうちょっと細かく書いたり、その人に合わせた仕様書を作ろうと考えています。
― 実際にチームでの動きはどうでしたか。
山本:プレゼンが得意だったり、絵を描くのが得意だったりそれぞれが得意なことが分かれていたので、その人に得意なことをやらせようという方針でした。チーム的にはうまくいったのかなと思っています。ただその中で得意なことがない人に対して、作業があまり割振れていませんでした。そこをもう少し、例えばチェックはこういう風にとか、動作資料でどうかなというところをちゃんとやっておけばよかったです。
― その指示を出すのは山本くんの役だったんですか。
山本:特に決めておらず、リーダーを作っていませんでした。もうなんか全員が意見をワーワー言ったりするチームだったので、言いたい人が言うという感じにしていました。
― なるほど。まとまり難しそうですね(笑)
山本:先生にはイロモノチームって言われてました。
― そうなんだ、そういうチームだったんだ。
山本:先生からは「めっちゃうまくいくか、めっちゃダメになるかという2択だな」に言われていました。
― でもうまくいったんじゃないのかな。いってないのかな。
山本:チーム運営としては、もうちょっと直したほうがいいところがありますが、企画を考えるにあたって、意見がちゃんとでるので発展させやすかったとは思います。
― 今作っているゲームはありますか。
山本:『ハサミン』というゲームをいま作っています。挟み将棋をモチーフにしたゲームで、挟み将棋に盤面が回転する要素を加えたら面白くならないかなと思って始めたら面白そうだったので、今ちょっと作っているところですね。
― まだ遊べる状態ではないのかな。
山本:アナログだったらすぐにできます。プログラムは難しいですが頑張って取り組んでいます。
― そのゲームの面白ポイントはどんなところですか。
山本:挟み将棋は単純に進めるだけで面白くないなと思っていました。そこに盤面の回転要素が加えてみました。9個のエリアに分けて、それぞれがちょっと回転します。
― 駒の向きは変わらないんですか。
山本:駒の向きは変わらないですね。もう上下左右どちらかに一生動ける感じで、説明が難しいですね。
― アナログでやってみましたか。
山本:やりました。そのときは2人や4人でも楽しかったので、これは作ったら面白いなって思いました。
ジャンルへのこだわりより”面白く”すること
― 将来はどうなりたいですか。
山本:将来は、お金持ちになりたいです。あとは、幸せに死にたいなとざっくりした思いがあります。僕は中退して、親にお金を使わせてしまったので「このお金で旅行に行っておいで」とお金を渡したいなと思います。
― いいですね。ゲームプランナー的にはどういう将来を考えていますか。
山本:ゲームで人生が変わったという人の話を聞いたりすると、面白いゲームを作って、そういう風に言われたいです。自分が面白いって思うゲームは多くの人にウケたいですし、その業務に携われたら楽しいだろうなと思っています。
― 金か地位か名誉かだったらどれが当てはまりますか。
山本:やっぱりお金です。お金があったら誰かが病気になっても助けることができると思うので。
― どんなゲームを作りたいですか。
山本:そもそも自分はあまりゲームのジャンルで好き嫌いがなくて、苦手はありますがやってみたら楽しいことはあるので「このゲームが作りたい」というのはありません。「面白ければなんでもいいんじゃないかな」と思っています。
― そのマインドだと結構難しくないですか。
山本:別に自分が企画したゲームではなくても、他の人が企画したゲームでも意見を出して、少しでも面白い方向に持っていくのでも、それはそれで全然いいかなと思います。
― 自分のという感じではないんですね。
山本:面白いゲームが最終的にできればいいです。
― ゲームプランナーの募集はありませんとなったら、どうしますか。
山本:翌年頑張ります。
― そこはプログラマーとか職種を変えるのではなく。
山本:高校、大学の頃に友達でプログラムがすごくできる人がいて「こういう人がプログラマーになるんだな、ちょっとこれは真似できないかもしれない」と思って、もしやるならサポート職だなと思いました。
― プランナーになっている人の前職はプログラマーの人が多いという話を聞いたらどう思いますか。プログラマーかデザイナーじゃないとなれなかったら。
山本:プログラム必死に勉強をして、会社で使える人材になったらいいかなという風に思っています、多分。
― 自分を構成している要素は何でしょうか。
山本:今まで言われてきたので、優しいところやずっと笑っているところです。
― 笑顔ってことかな。お笑いかと思った。
山本:笑わせるのも結構好きですよ。ボケがたまに空ぶる時もあるんですけど。
― そういうのスベるっていうんだよ。
山本:自分は「楽しくないと楽しいアイデアが出ないんだろうな」と思っているので、意見が滞ってきたらちょっと冗談を言ったり、「〇〇さんどう思う?」とか聞いたり、それを全て「笑い」に込めたという感じです。
― 最後に自己アピールをお願いします。
山本:人当たりが良くて、仕事する上で人間関係もちゃんとできるところや、興味の幅が広いのでいろんな情報を吸収するのは得意です。あとは自分が不得意なところに対しては、ちゃんと努力してやっていけます。大学を中退した経験もあるので「頑張らないと」というモチベーションは他の人よりは高いです。
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