自己給与申告制度とマネージャー制度の撤廃。自律を求められる環境で若手社員が得たものは?木村石鹸×GCストーリー
「自分自身はどのように生きたいのか?」
外部環境において不確実性が高まる中、自分自身の内面の声を聞く重要性が高まっています。個人の主体性が組織だけではなく、社会の視点からも求められているように感じます。
木村石鹸さんもGCストーリーも個人の「自律」を促す制度を導入しました。
若手社員の自律や成長はどのように育まれるのか?
今回はブランド立ち上げ、商品開発を経験した木村石鹸信田玲緒奈さんと新規事業立ち上げに挑戦しているGCストーリー高橋啓花さんの対談をお届けします。
自己申告給与制度にマネージャー制度の撤廃。自律と成長を促すために導入されたそれぞれの仕組み
ー本日はよろしくお願いします!お2人はブランド立ち上げ、新規事業など新しい領域への挑戦をされている共通点があり対談を依頼させてもらいました。
高橋:木村石鹸さんの発信を見ていて、今日を楽しみにしていました。よろしくお願いします!
信田: 高橋さんは私と同じ2018年新卒入社と伺っています。社内に同期がいないのでお話できるのが嬉しいです。よろしくお願いします。
ーGCストーリーでは代表の木村さんに組織に関してお話を伺う機会がありました。自己給与申告制度が印象的でしたが、信田さんの入社時点から導入されていたんですか?
信田:私が入社して2年目の冬から導入されました。
高橋:自分で自分の給料を決めるって、初めて聞いたとき驚きませんでしたか?
信田: ものすごくびっくりしました(笑)。もちろん各部署のマネージャー陣とやり取りをしながら進めましたが、最初は不安もありました。
ー制度の導入で信田さんの中で変化した部分はありますか?
信田:仕事を自分ごと化できるようになりました。それまでは先輩から依頼された仕事を必死に取り組む感じでしたが、この制度は自分で会社に対する貢献内容を決めます。加えて目標も立てることで、自分の仕事が会社に繋がっていく感覚があって積極的になりました。元々会社として「自律」を大事にする文化だったのですが、制度によってさらに促された気がします。
ーGCストーリーの自律を促す仕組みだと、マネージャー制度の撤廃があります。高橋さんの入社時点では既にマネージャーはいなかったんでしょうか?
高橋:私の入社時点でマネージャーはいない状態で、先輩たちは葛藤しながら組織を運営していたタイミングでした。
信田:マネージャーがいないのはすごいですよね!指示をもらったり、相談する人がいないのは不安じゃなかったんですか?
高橋:業務とメンタル面でそれぞれ先輩が1人担当にいてくれたので、相談できる形ではありました。不安がなかったのは、そもそも最初からマネージャーがいなかったからなのかもしれませんね。
ー制度以外の業務面では商品開発や新規事業への挑戦もお2人を成長させたと思いますが、壁はありましたか?
信田:私は商品開発の経験をさせてもらっています。3人で担当しましたが、他のメンバーは1年目、私が入社2年目で全てが壁の状態でした。
教えてくださる先輩はもちろんいますが、どんな問題が起きるかも分からないので本当にトライ&エラーでした。
高橋:特に大変だった部分はありますか?
信田:資材選定が一番大変でした。今回の商品はチューブ型のボディスクラブを考えていて、そもそものボディスクラブを会社で作るのが初めてだったんです。
先輩からすると「新人なのに全部初めてかい!」みたいな(笑)
商品開発は豊富な知識が求められるので、ある程度経験を積まれた方が担当するケースが多い印象です。他の会社さんではできない経験をさせてもらったと思っています。
「自由さと多様さ」「関わりながら助け合う」それぞれの組織特徴
ーお2人から捉えるそれぞれの会社の特徴についても伺ってよろしいでしょうか?
高橋:GCストーリーは「支え合っている地域コミュニティ」がイメージとして浮かびます。それぞれがそれぞれのよさを活かしながら自発的に場を良くしていく感覚があります。 そのためにお互い関わりながら助け合っていく文化は、様々な制度のおかげもあり自然にできている組織だと感じています。
ー木村石鹸さんはどんな会社ですか?
信田:木村石鹸はユニークさと正直さを同時に持ち合わせている人が集まっている会社だと思います。仕事上では個人で仕事を進めることが多いんですけど、最終的なところは一致団結して自然とチームプレイができています。
高橋: 木村石鹸さんにはどんな方がいらっしゃるんですか?
信田:会社で開発の仕事をしながらもうひとつの顔で占いの先生をされている方がいます(笑)他にも多趣味な方で社交ダンスやバイクなど、本業と別の顔を持っている人が本当に多いです。それぞれが個々の人物として活動していることが、他の人が持っていない空気感や魅力につながってるんじゃないかなと思います
ー多様さが組織に存在する文化ができた理由はなんでしょうか?
信田:代表が発信を続けてくれたおかげはあるかもしれないです。組織として代表の先代から自発的に動く文化はあったと聞いています。元々組織として浸透していたかもしれないですが、より文化を言語化したのが今の代表かもしれません。
高橋:自律の話ですと、何か新しく会社に貢献できる仕事を自分が見つけた場合、機会は会社として提供されるのか、自ら手を挙げるのかどちらなんでしょう?
信田:その場のタイミングで社長の許可を得ずに動いている場合もあります(笑)
例えばコロナの影響で新入社員が出勤できない状況になったとき、想定していた研修カリキュラムはオフラインの内容でした。具体的な変更案は決まっていなかったのですが、若手メンバーで進めて代表が後から気づいたみたいな事例もあったりはします。
高橋:自律されて動いていらっしゃるんですね!
信田:GCストーリーさんも内定者やOBへのインタビュー企画はすごく自由で面白いと思いました。
辞めてしまうと会社の人じゃなくなるので、分断をしている印象が今までありました。OBインタビューで「GCストーリーでの経験が次の仕事に活きている」発言を拝見して、入りたくなる人もたくさんいるだろうなあ、と思っていました。
高橋: ありがとうございます。一人ひとりが関わる人の幸せを大切にする考えは組織に存在している気がします。
挑戦と自律が求められる環境で得たものは?
ー挑戦や自律を求められる環境でお二人が得たものは何でしょうか?
信田: 失敗に対してポジティブに捉えられるようになりました。新しいことは正直不安がありますし「失敗したらどうしよう」と気持ちが先に出てきてしまいます。ただ、新しいチャレンジによって、失敗から得られる経験や学びもたくさんありました。苦手意識があったことも意外と得意だったり、好きかもと思えたことは気づきになりました。
高橋:信田さんが苦手だと思ったことってなんですか?
信田:ECサイトの運営です。システム側のことをいじったりするので理系のイメージがありましたが、実際にやってみたら楽しかったんですよね。その楽しさはやってみないと分からなかったことだと思います。トライすることで自分の好きなことや強みを見つけていく経験は発見でした。
高橋:私が挑戦する中で得ているのは、人と協力しながらより良い未来に進んでいくためのスキルです。GCストーリーでは「あなたはどうしたい?」と自分の意志を組織の中で度々問われる機会があります。
自分と向き合い続ける力は日々そういう環境にいるからこそつきます。一人でやるんじゃなくてみんなと一緒にできているのはありがたい環境だと捉えています。
ー自律して働くために必要なものは何でしょうか?
高橋:「自分自身がどんな未来を作りたいのか?」をどれだけ理解していて 、かつ周りと一緒に作ろうと思っているか?が大事になってくると思っています。ただ与えられた仕事をやるわけではなく、自分の気持ちを持って周りとすり合わせつつ物事を進めて行けるかどうかは大事なんじゃないでしょうか。
信田:会社として自己申告型給与制度は一つ自律を促す制度としてすごくありがたかったかと思います。制度の中で自分で貢献内容を決めるプロセスがあったからこそ自律に繋がっていきました。ただ貢献内容を自分自身で選択して決めるのは、制度がなかったとしてでもできると思うんですね。自分で選択したことが会社の貢献に繋がっていくプロセスを経ることで、自律が備わったと感じています。
【対談を終えて】
高橋:信田さんの新しいことに対して果敢に取り組んで楽しまれている姿に刺激を受けました。1,2年目で新規ブランドを立ち上げられたり、お給料を自分で決めたりされている木村石鹸さんの様々な背景を知れる機会となり楽しかったです。本日はありがとうございました!
信田:周りの人を大切にされながら仕事をしている文化を組織からも高橋さんからも感じました。大変な部分もあるかと思いますが、他者と協力しながら仕事を進めている姿勢に感銘を受けました。本日は貴重な機会を頂き、ありがとうございました!
【プロフィール】
信田玲緒奈さん
木村石鹸工業株式会社2018年新卒入社。
家庭用品の企画営業と兼務しながら、入社2年目では自社ブランド立ち上げメンバーに。ワークショップのイベント運営や社内環境の整備など幅広く活躍中。
高橋啓花さん
GCストーリー株式会社2018年新卒入社。
デザインチーム配属後に新規事業の立ち上げにアサイン。2020年に宮城県の白石市に移住し(現在一般社団法人宮城インバウンドDMOに出向中)、イベントの企画運営やコワーキングスペース/コミュニティの運営に携わる。