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団地の秘密

昭和の香りが漂う古びた団地。ここには、親しい家族同士が暮らしており、週末にはみんなでバーベキューを楽しむ仲の良いコミュニティだった。しかし、その裏側には、誰にも知られたくない秘密が隠されていた。

主人公の佐藤健(たける)は、妻の美奈子と小さな息子の太一とともに、2階に住んでいる。隣の部屋には、明るくて子供好きな田中夫婦が住んでいた。田中の妻、理恵はおっとりした性格で、彼女自体は健の友人であった。一方、田中家の隣には独身男性の加藤が住んでおり、いつも明るくみんなの人気者だった。

ある夏の午後、健は仕事で残業が続いたため、帰宅が遅くなってしまった。その夜、ふとした偶然から、彼は田中の部屋から漏れ聞こえる声に耳を傾けてしまった。中では、理恵の声と加藤の声が聞こえてきた。何か親しげなやり取りが続き、次第に密接な関係性が伺えた。ふとした時、今まで楽しそうに聞こえていた声が急に止まった。健は気になり更に耳を澄ませた。驚愕の瞬間、漏れ聞こえる舌と舌を絡ませるようないやらしい音と気持ちよさそうな吐息、彼は不倫の事実を理解した。

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