#003:海鼠と漁業権
こんちゃす。G組飼育係です。
今回はタイトルどおり、漁業権についてお話していきたいと思います。
「えー!?お前…漁業権ってお前…。無理しなくていいんだぞ…。俺らも前回悪く言い過ぎた。だからいきなり水産のこととかカッコつけなくていいぞ…。ていうか相変わらず文量多いし。」
心優しい諸姉諸兄の労りに、私も思わず涙…
さあ、皆様との絆が深まったところで早速本題に行きましょう。
しかし読者の危惧どおり、残念ながら私はそこまで水産について語れるような知識や経験がありません。
なのでより詳しく漁業権や水産について知りたいよって方は、ぜひ #わかりや水産 でけんさくけんさぅく~(かつて私がどハマリしたゲームのCM風)。
ここでは少しでも興味を持ってもらえるように、私の過去を交えながら漁業権についてお話していきたいと思います。
それは遡ること十数年…私がまだ小学生だった頃…
当時とても純真で幼気な可愛い子どもだった私は、友達数人と海へ行ったのです。
私は昔から生き物が大好きだったので、すぐに磯遊びをしてカニやヤドカリなどを他の友達に見せていました。
その時、岩陰に見慣れない生き物が。
な、なんだこいつは…太くて長くて少しブヨブヨするけど、かと言って持ってみると硬い…ていうか目や口はどこにあるんだ!
これは…おそらく図鑑で見た事があるナマコってやつだな!
うおー!すげー!
これみんなに見せてあげよう!
きっとみんな喜ぶぞ!
まだ純真だった私「ねえねえ!みてみて!ナマコ捕まえた!」
たまたま近くにいた女子「どれどれ~、えっ…」
まだ純真だった私「すごいでしょ、可愛いよね!」
たまたま近くにいた女子「え…?かわいい…?全然かわいくない!なんかキモいし生き物っぽくないし、下品だよ!」
かろうじて純真だった私「き、キモい…!?」
たまたま近くにいた女子「キモい!そんなの持ってくるなんてG組飼育係くん最低!」
心が荒んだ私(何がキモいだ!お前のほうがよっぽど下品なんだよ!だいたいあんたら女子ってやつは陰湿で卑劣でわがまままですぐに僕のこといじめてくるし…)
とかっこよく言えたら良かったのですが、当時の私は女子に逆らうことのできない弱き存在だったため、心の中で散々悪口をいった後、一人寂しくナマコを虫かごに入れようとしたのでした。
今ならしっかりと言い返してやれるからな、覚悟しておけよ。
しかしそこで私がナマコを虫かごに入れるのを止めたヒトがいました。
別に地元の漁師さんとかではなく、普通に友達の親でしたが。
友達の親「ナマコには漁業権というものがあるから、持って帰ってはいけないんだよ」
当時の私は漁業権がなんだかわかりませんでしたが、いけないと言われたからにはダメなんだろうと諦めて、ナマコを逃してやりましたとさ。
めでたしめでたし(多少の脚色あり)。
「なんだよ!こんなしょうもない昔話しやがって!漁業権最後の一瞬しか出てこないじゃないか!だいたい俺らのトラウマを蘇らせるなよ…グスッ…」
女子の皆さん、男の子は意外と繊細です。
優しくしてあげましょうね。
とまあ、かなり昔話が長くなってしまいましたが、これからやっと漁業権についてお話していきます。
申し訳ないですね、気力保ってくれよ!
漁業権とは簡単に言うと、沿岸域で漁師さんが特定の生き物をとる、特定の漁法を用いることができる権利です。
よくイセエビやアワビを勝手に採取しちゃダメって聞きますよね?
あれは漁業権を持っていないヒトが採集してはダメということなんですよ。
実はこの漁業権にはいくつかの種類があり、先程のナマコやイセエビ、アワビを取ることができる権利は、共同漁業権の第一種共同漁業に当てはまるものなんです。
第一種共同漁業はこのように生き物を対象に効力を発揮し、この権利を持っていないヒトが対象とされる生き物を取ることができないようにしています。
他にも対象とされる生き物には、タコ、ワカメ、ウニなどが含まれています。
簡単に捕まえられてしまう生き物も対象となっている事があるため注意が必要ですね。
ちなみにナマコと言っても色々種類がいまして、基本的に漁獲される種はマナマコ、アカナマコという種類になります。
私は家でナマコを飼っていますが、クロナマコ、リュウキュウフジナマコという別の種ですし、そもそもペットショップ産なのでなんの問題もないですよ。
しかし漁業権の対象種として、『ナマコ』と一括にされていることが多いので、例えマナマコ、アカナマコでなくても捕まえるときは注意しましょう。
漁業権には他にも、定置網をするための権利、養殖をするための権利、特殊な漁法を用いるための権利、池や川で漁業をする権利などがあります。
が、後は他の記事に任せるとしましょう。
しかし、ここまで読んでくださった諸姉諸兄の皆様は思うのです。
「アワビとかイセエビはわかるけどさ、なんでナマコがダメなの?あんなん誰だって食わねえだろ。お前食卓に出てきたことあんのか?」
その気持、とてもわかります。
実際自分はナマコを食べたことはありません。
しかし実はナマコはとんでもない高級食材だったのです!
おそらく一般のヒトがナマコを食べたことない理由は、家庭の食卓に出るような値段の食品ではないからかもしれませんね。
他にも珍味としてナマコの卵巣のコノワタなんてものもありますね。
まあそれでもあまりピンと来ないかと思います。
なぜなら、ナマコは日本に流通するというよりは、中国を相手に輸出されているという面が非常に大きいからです。
今ナマコは中国で大量に消費される食品となっているのです。
おや、なんだか雲行きが怪しくなってきましたね…
ナマコは海底をノソノソと動いているため、比較的簡単にしかも大量に取れてしまうのです。
そしてそれを中国相手に輸出すれば、そりゃ大量のお金を稼げますよね。
「でも漁師でもない一般のヒトがそんな輸出ルートなんて開拓できるの?」
いい目のつけどころです。
つまりナマコを密猟するヒトというのは、多少の組織力があり、多方面に人脈を持ち、そういった違法なことでお金を大量に稼ぐ人たち。
そう、それは
ピーンポーン
おや、誰か来たようなので今回はここまでとさせていただきます。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった諸姉諸兄の皆様、ありがとうございます。
それではまた次回お会いしましょう。
今行きますよ~…
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