桜井玲香、卒業。 この六文字が乃木坂ファン、特に初期からのファンには、無機質な文字とは言いきれぬほどの衝撃を与える。 乃木坂のキャプテン、桜井玲香。 今の乃木坂の空気感は、彼女なしには作られなかった。 彼女が去った乃木坂、それは私たちが知っているグループとは別物になってしまうのではないのかと、寂しさ、悲しさ、変わっていくことへの恐怖。 複雑な感情が押し寄せてくる。 乃木坂46というグループの今後を考えた時に、この六文字が与える影響は悲しみにあふれたものになるだろう。
卒業は失恋に近いのではないかと思った。だとしたら、あんなにそばにいたのにと、あとで絶対苦しむ。失恋に近いのだとしたら、悲しみは途方も無い。 (いつのまにか、ここにいる) 卒業は失恋に近い。 これはファンにとってのアイドルの卒業を表す言葉ではない。 同じグループに所属するアイドルにとっての、仲間の卒業を表す言葉だ。 彼女たちは泣く。 最愛の仲間が卒業する度に。 その中でも、卒業するメンバーとより関係の深かった者は、ファンからみても胸が張り裂けそうなほど、悲痛な表情をする
アイドルって卒業するものなんですか? 乃木坂46二作目のドキュメンタリー映画、『いつの間にか、ここにいる』の作中で、秋元真夏に投げかけられた質問だ。 この質問に、秋元は言葉を詰まらせ、静かに涙を流した。 女性アイドルは、男性アイドルと比べてその寿命が短い。男性アイドルグループが結成と誰一人変わらぬ顔ぶれで10周年を迎える中、女性アイドルグループはメンバーの卒業加入を繰り返し、世代交代を終える。 作中でも、「卒業」の二文字はどの場面にも付いて回った。 女性アイドルが
本を読んでも、普通がわからない。 これは、13歳でグループに加入して以来、7年間“アイドル”を全うし続けている20歳の女の子の言葉だ。 普通の人が学ぶであろうことを学ばずにきたというか。若いうちから乃木坂に入ったっていうのもあるかもしれないけど、どうしていいかわからないなっていう時に、その選択肢の一つが本を読むことだったりする。でも、本を読んでもわからない。 (20th 選抜発表より / 齋藤飛鳥) 普通の少女が当たり前に経験するはずのことを知らない、特異な存在