優しさって何だと思う??
BUMP OF CHICKENの歌で「ひとりごと」って歌がある。そのワンフレーズがループする…。
保育園で働いていた頃、園長が僕のギターで引き語り出来るという得意なところを拾ってくれて、僕が自作した園歌等色んな曲を保育園で扱ってくれた。
僕もそれが嬉しくてとても真剣になって歌を作っていた。(最近はなかなか出来てないな。)毎年新作は2〜3曲のペースで数年作り、保育園を辞めた今でも卒園式ライブは16年連続で歌い続けている。
働いて3年目の頃だったか??先輩にお子さんが産まれた。いつもは気丈で泣かないその人が、お子さんが産まれた時、今までにないほど声をあげて泣いたと話していた。僕は男性だし、子どももいないけどその話を聞いて胸が震えた。そしてその子の目に映る自分の顔が笑っていると話していた。
これは曲にしよう!となり夢中になってギターとペンを取り、その日で書いて仕上げた。その先輩や園長にこの曲を聴いてもらうとかなり喜んでくれた。我ながらステキな曲だった。
これはお披露目しようという事になり、引き語りライブを園でやったのを思い出す。こういう事を思い切ってやってくれるそんな園長だ。保育園終了後、園庭でライトつけて親御さんや先生達の前で披露した。
終わった後、涙して近寄ってくる親御さんがいた。その方にはお2人お子さんがいた。そこでお母さんが話し出す。
「実はお腹の中に赤ちゃんがいるんだけど、正直この子をどうしようか真剣に迷っていました。けど先生の歌を聴いて、この子を産もうと今決心しました。本当にありがとうございました!」
あの頃の僕はその話を目をキョトンとさせて聞いていた。あまりのスケールの大きさと出来事に実際のところ何を言えば良いか分からなかったが、ただただ「良かったです!!ありがとうございました!!ありがとうございました!!」とそのお母さんに言ったのを覚えている。
その子はもう大きくなって中学生になるだろうか?きっとお母さんの中で歌を聞く前から答えは決まっていたはず。そう思う。
思い起こせばたしかにあの時、やさしさの連鎖といのちに僕はふれた。
花から花へ。まるで蝶のように舞っていた。
やさしさって何だと思う??
それが押しつけだとしても、
よく思われたいだけだとしても、
この誰かとの間にあるこの感情だけは失くしたくない。