十分に浸った世界

XRに世界が浸っていくさまを思いつくままに

3~年後

場所:巨大企業の工場・倉庫等

機器名:次世代型安全メガネ

概要:2020年代初頭に使われだした業務用XRが巨大企業の工場・倉庫等で一般化される
手順書やチェックリストのような簡易的な文章表示だったものが、現実状態を高度に判断しはじめる
例えばボタンの状態を見て機械に手を差し込むことが危険かどうかとかを自動でチェックする
危険であれば視覚ジャックを行い作業者を無理やり止める

浸りレベル:視覚を通じて人間の行動への直接的な干渉を行ってくるようになる

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6~年後

場所:オリンピック選手養成所

機器名:オリンピアン養成メガネ

概要:次世代型安全メガネとして業務用として使われていたXR機器の別目的利用が流行り最新スポーツの業界に持ち込まれる
これまでコーチや大きな姿見で行っていたフォームのチェックが自分でできるようになる
特に鏡などに映さなくてもXR越しに完全に自分から見た理想のフォームが簡単にチェックできるようになる
また、XR内の身体表示(ゴーストと呼ばれるようになる)に自分の身体を合わせて動くだけで理想のフォームが簡単に学べるようになる
XRコーチを使えるチームと使えないチームでの差が大きすぎたために使わないという選択肢はなくなる
スポーツの世界に新記録ラッシュが訪れる

浸りレベル:人間、ひいては世界に大きな干渉を行ってくるようになる

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9~年後

場所:有名私立高校/大学スポーツチーム、一部の趣味にお金をかけれるスポーツマン、高級フィットネスクラブ

機器名:大リーガー養成メガネ

概要:オリンピック養成所から発生したXRを使った養成技術が最低限のコモディティ化される
それに伴い高額ながら一般へ市販化される
オリンピックでの効果は折り紙付きだったのでスポーツ成績を学校の広告と捉える私立高校/大学での導入が一気に増える
一部の趣味にお金のかけれるスポーツマンや高級フィットネスクラブへも導入が始まる
ここでも未使用者との差が話題になり、一部スポーツでは使えない者への配慮から学校での使用禁止への話題も出てくる
逆に一部国家では全義務教育就学児に対しての使用を推し進める話も出てくる
スポーツ界において高額だが高効率で高効果な育成方法としての評価が固まる

++++

場所:ゲーム業界

機器名:PlayStation XR/XBOX XR/SWITCH XR

概要:スポーツ用XR機器が市販されるタイミングでその技術を使ったゲーム機が発売される
これはスポーツ用だけではXR機器の量産効果を得られないため需要を起こしに行った側面がある
町中でXR機器を付けたまま行動することが多少世間に受け入れられる
一番流行ったゲームはリアルに町中デートできる次世代型ラブプラス
ポケモンGOライクなゲームが再度大流行する

+++

場所:一般的な工場・倉庫

機器名:安全メガネ

概要:2020年代後半に巨大企業の工場等で使われだしたXR安全メガネが通常の工場等に降りてくる
また安全管理よりも品質向上のためのリアルタイムチェック機能が一部のライン工で使われだす

浸りレベル:XRで世界に大きな干渉をさせれるという概念が一般化

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12~年後

場所:義務教育課程

機器名:大リーガー養成メガネ2

概要:大リーガー養成メガネの大ヒットから諸国での義務教育就学児への一般化
体育の授業の概念が大きく変わる
この世代までとこの世代後で「運動が苦手」という場合に指すレベルが大きく異るようになる
未就学児への利用の議論が巻き起こる
つけっぱなしにした場合のカンニング行為などが問題になりだす

体育以外にもある身体を使った授業への利用が行われるようになる
人類の身体への理解度が大変に高まり身体を使った様々なことが歴史の教科書に載るレベルで大規模能力向上する

++++

場所:ゲーム業界

機器名:PlayStation XR2/XBOX XR2/SWITCH XR2

概要:XR機器の性能が大幅アップ
これまでは投影物が微妙に透けたり明るい場所での利用感が良くなかったものがHWの進化によりかなり現実の質感に近いものを写せるようになる
まだ難点はあるがVR空間へと現実空間の切り替えがリアルタイムに一般使用に耐えるレベルになってくる

++++

場所:誰でも

機器名:メガネ

概要:情報端末のディスプレイの代わりとしてのXR機器が発売される
教育課程ですでに使用しているためにすごい勢いでこれまでの機器と入れ替わる
ハイエンド機種はこれまで薄い現実への上書きだったものがHW進化により視野の完全ハックに成功しだす
リアルタイムリコメンドなどにより人間の知識が増えるとも、逆に考える力が減るとも言い出される
ここら辺から一日中現実にレイヤーを1層足した世界で暮らす人が増える

浸りレベル:XRで世界に大きな干渉をすることが一般化

15~年後

場所:世界

機器名:コンタクトレンズ+世界ハンガー

概要:ついにコンタクトレンズサイズまで技術革新が進む

視覚のハックだけでなく、ハプティクスによる触覚のハックが進む

視覚と触覚のハックにより実際の身体の状態と自分が認識する身体状態を大幅に変更することが可能になった
実際にはそんなにうまく動かしていないのにうまく動かしたつもりになれる

実際に自分で戦う格ゲーが出来る
下手でも最低限出来るスポーツゲームも出来る
eスポーツの概念がまた大きく変わる

一部の人は視覚触覚ハックを利用して時間の進み方を変えることが出来ることに気づき行いだす
体感1時間、実時間10分が可能になる

実体のように見える実際には架空(裸眼では見えない)な物体が町中に溢れ出す
上記は"おばけ"と呼ばれるようになる
人型をしたものは"ゆーれい"

メタバース概念は霧散しもはやすぐに作れるバーチャル会議室程度の認識に

バーチャル化粧・完全アバターは一瞬流行りかけたがすっぴんを見られる危険性は変わらないのでツイッターのアイコン程度の存在になる

完全リコメンドによる現実世界自動化は他人と関わらないと生きていけない人類にはそぐわずメールの自動挿入挨拶文程度になる

人類は仮想空間に引きこもらずに現実へ仮想空間を引きずり出す方向に進む

浸りレベル:世界は十分に浸りました


#XR創作大賞

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