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今日から始める「転職」入門 ~令和の「超売り手市場」とは?~
はじめに
みなさん、転職、していますか?
世間的に色々なイメ―ジのある転職。
海外ではキャリアアップの一環としてよく行われていますが、
日本ではまだまだ終身雇用の名残があるようです。
実際、転職をしたからといって必ず給料が上がるわけでもないし…、
仕事を辞めたら次の仕事が見つからないんじゃないか……。
そういう不安を感じる人も少なくないと思います。
・・・だが、今は違う!
2024年現在は「超売り手市場」。
「売り手市場」「買い手市場」をざっくり説明すると、
「有効求人倍率」(有効求人数を有効求職者数で割って算出する数値)
この倍率が1を上回れば求人数>求職者となり「売り手市場」
この倍率が1を下回ると求職者>求人数となり「買い手市場」
となります。
わかりやすい例えだと、就職氷河期の再来と呼ばれたリーマンショック後の有効求人倍率は脅威の0.42倍、所謂「超買い手市場」ということです。
さて、それでは現在はどうでしょう。参考として2024年10月の有効求人倍率は……なんと1.25倍!リーマンショック時の約三倍という驚きの数値!
参考URL:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年10月分)について」
ちなみにバブル世代と呼ばれている世代はこの有効求人倍率が軒並み高かった時代で、聞くところによると1.4倍程度がザラだったとか。現代でも所謂「コロナ前」と呼ばれる2018年ごろは、最高で有効求人倍率1.61倍を記録するなど、「超スーパー売り手市場」でした。
就活に「一発逆転」は無いが
就職活動、転職活動も含めて結局、「今までの総決算」となります。
学歴、外見の良さ、コミュニケーション能力、資格、職歴、などなど。
一夜漬けではどうにもならず、その人の人となりが大きく成否に影響することとなります。
就職活動が上手く行かなかったのに転職が上手くいくはずが…というのは正しい考え方ですが、そこで先ほどの有効求人倍率に話が戻るのです。
例えば、有効求人倍率0.54倍の2010年に就活した人が、
有効求人倍率1.25倍の2024年でも同じような結果になるでしょうか?
答えは基本的にNOです。
カードゲームに例えるなら、有効求人倍率1を初期手札5枚として、
有効求人倍率0.4倍なら初期手札2枚
有効求人倍率1.6倍なら初期手札8枚
くらいの差があります。
デッキの初動札枚数にもよりますが、明らかに期待値が異なるのではないでしょうか。
まあもちろん、14年経ってるからもうオッサンなんだから今更転職してもうまくいかねえよ!という意見はごもっともなのですが…一旦それは置いとくとして……。
私が言いたいのは、新型コロナの影響が収まった、今こそ就活のチャンスなのでは!?という事です。
はじめよう転職活動
前置きが長くなってしまい、すみません。
私が長々と言いたかったのは、「景気がいい時に転職すべきだよ!今とか!」というのをデータを元に説明したかっただけなのです。
では、さっそく始めていきましょう。
①転職サイトに登録する。
リク○ビ、マイ○ビ、do○aなど色々ありますが、
ぶっちゃけどこでも変わりません。
基本的に転職サイトのお客様は企業なので、転職者なんて提供する雑貨くらいの感覚です。
個人的におすすめなのは転職会議です。(これはPR案件ではありません。)
このサイトから結局は上記の別サイトに飛ばされはしますが、口コミが見られるのは中々参考になりますし、サクラの存在を加味しても実際の意見が多数、書かれているように感じました。
②職務経歴書を作成する。
これについては各自でいい感じに作成してください。
作成の仕方はこのnoteでいちいち書くより「職務経歴書 書き方」でググったほうが100倍は早いです。
自分のやり方をサンプルとしてさらっと書いておくと、
具体的な取引先企業名(なるべく大きいところ)を数社挙げ、
具体的な製品名、ターゲットを記載の上、
就任から現在に至るまでの売り上げ達成率について記載しました。(1年目から転職まで全年度売り上げノルマを達成していたので正直にそのまま書きました)
③会社選びをする。
ここが一番重要です。
私はずっと思っているのですが、
何故、3年とか4年くらいしか通わない高校大学の受験で本気を出して、
10年以上通うかもしれない就職活動でしっかり会社選びをしないんだ、と。
(もちろん大学によって年数はまちまちですがそれは置いておくとして)
この部分だけかなり長くなるので章分けしてあとで詳しく書きます。
④エントリーする。
一度エントリーをすると説明会、書類選考、一次面接とサクサク進みます。
迷ったらとりあえずエントリーくらいの気持ちで良いと思います。
そして都合が合わなければガンガンキャンセルしましょう。
⑤内定が出たら自分の職場に退職届を出す。
退職すると保険証を変換したり、色々な手続きが挟まります。
これもグーグルで調べると良いでしょう。
⑥有休消化する
めっちゃ楽しいです。旅行とか行きましょう。
会社選びのポイント
本ポイントはかなり私の主観を含むものなので、
実際の良い会社とは異なる部分が多いと思います。
■10年後に市場が継続していると予想される
そんなんわかるかよ、という気持ちはわかりますが大事な要素です。
事実、メディア媒体として最強と呼ばれたテレビもここ数年で売り上げを落とし、もはやオワコンと呼ばれるコンテンツとなりつつあります。
しかしながら、実際に重要なのはその企業、その市場が10年残っているかではなく、就職した自分自身のスキルが市場が落ちぶれても使いまわせるかどうかです。
例えば芸能関係で仕事をしていたとして、テレビの仕事はなくなるでしょうが、youtuberとして次の仕事を見つけられるかどうか、そういった部分です。
重要なのは10年後。もちろん、30年、50年と続けられれば良いですが、
10年後よりさらに未来がわからないので、予想するにしても限度があるでしょう。
私の感覚では10年後も市場が安定しているものとしては社会インフラ(電気ガス水道)、医療介護、半導体をチョイスし、その辺りから会社選びを行いました。
逆を言えばこれらの需要が完全になくなった社会は今では想像がつかないものであり、その場合これまでに得たあらゆるスキルは無駄になると考え、その時改めて考えればよいと考えました。
■市場内での一定の地位がある。新規参入が難しい
シェアNo.1!とかです。これは具体的に市場規模が何億程度で、優位性がどの程度で、将来への発展性も加味して考えると良いです。
これについては前職も現職も強く意識しました。自分は営業志望であったので、まず強気で売り込めるトップシェア製品は必須と考えました。
トップシェアの製品内容と、新規参入の難しさ、具体的な海外競合社についても調べました。
日本で仕事をするにあたり圧倒的に警戒すべきは海外企業の参入です。
安い労働力による低単価、人海戦術による大量生産等、現行の企業を容易に破壊しうる要素を多数そろえた海外競合社は多いです。
具体的な志望業界が決まったら、その業界のトップ企業を数社見繕い、「○○ 競合 海外」でググるといいでしょう。
■完全週休二日制、年間休日120日以上
かなり大事です。
割と軽視する人も多い項目ですが、いざ働いてみると休日日数はかなりの魅力です。数値よりも重要なスペックと言えるでしょう。
年間休日は多ければ多いほど良いので、125日でも全く問題ありません。
「週休二日」と「完全週休二日」は全く違いますので、よく確認しましょう。
■会社の近くまたは家と会社の間が賑わっている
実際の勤務地は就職するまで決まらないとは思いますが、就職候補地となる場所についてはおおよそ洗っておきましょう。
いざ就職してから「買い物するとこねぇ~~!」となるのは結構苦痛だったりします。
■平均給与が高い(賞与実績も確認しておく)
これもまあ「当たり前だろ!」と言われそうですが、実際確認していない人もいるかもしれませんので一応。
自分の年齢と同年代の人の給与を確認しておきましょう。
(転職会議でおおよそのレベルが把握できます)
■会社として健全、好調である
これについては様々な指標がありますが、たとえば「自己資本比率が高い」
「利益が前年度より伸びている」「株価が安定している(伸びている)」
などです。社会人なら当然知っているとは思いますが、念のため、利益として見やすい項目はざっくり「営業利益」「経常利益」「純利益」の三つです。
利益の伸びについては過去5か年程度を見て右肩上がりなら基本的に問題ないです。
「営業利益」が伸びている会社は基本的に営業活動が上手く行っている会社、「経常利益」が伸びている会社は財務的にしっかりしている会社、「純利益」が伸びている会社は利益が伸びているうえ、特段大きな損益もない。くらいのイメージで良いです。(細かく言うともっと色々ありますが、割愛します)
自分の場合は売上と利益の伸び率を比較し、売り上げが伸びているのに利益が伸びていない場合は薄利となっており営業活動がうまくいってなさそうだなあみたいな指標にしています(実際はいろんな理由があるので一概には言えませんが…)
加えて人員確保が必要な会社は必ず理由が存在し、
「ブラックすぎて人が辞めるから補充する」なのか、
「業績が好調すぎて人員が足りないから補充する」なのかをしっかり見極めるのがいいでしょう。
■東京にある
身もふたもない話なんですけど、実は東京と他都道府県の平均年収って全然違ってェ…。
実態としては「平均」ですので高収入企業がガツンと上げてるという事も含みます。ただそれはそれとして、やっぱり全体的に年収が良いんですよね…。
おすすめルートとしては東京採用他都道府県配属です。給料が高くて家賃が安くて出向手当がもらえます。
以上が、会社選びのポイントです。
正直当たり前すぎる項目も多いと思いますが、今一度、初心に帰って就職活動をする意味でも記載しておきました。
あとは個人的な感覚ですが、
特にこだわりが無ければ絶対大企業がおすすめです。
大企業に転職というのは賛否両論あると思いますが、仕事より趣味が大切なオタクにこそオススメなんですよね。
基本的に大企業は給与が高く休みを取りやすく、個人の負担が少なく社会の歯車に徹することができる。
あとはシンプルに親や親戚からの心象が良くなります。
例えば「いい歳してカードゲームを…?」みたいな偏見はどこの家庭にもあったりなかったりしますが、大企業に入って高給取りになった上でカードゲームをやっていると、「自由に余暇を楽しめるほど仕事に余裕がある」みたいな評価になります。
私個人の意見としては、人間の評価は肩書ではなく自己実現性。本人がどれだけ自分らしく生きているかが大切だと思いますが、無知な人々はそうではないので肩書で人を判断しがちです。
私は肩書の事を無知人向けステッカーと呼んでいます。
ちなみに大企業と言えば高学歴!というイメージもありますが最近はそんなことも全くないです。昔と違ってふんぞり返っていればいい時代は終わっており、大企業も人手集めに必死です(これはマジです…本当にキツイです…)
実際にやってみた
正直、私の言いたいことは「東京で平均年収の高くて将来性のある安定した大企業へ行け!」で全て終わりですが、せっかくなので実際に私が転職活動をしたスケジュールを記載しておきます。
9月上旬 仕事で嫌な事があったので、キャリアアップも兼ねて転職するか!と思い立つ。
9月~11月 転職先としてよさそうな企業を調べる。
職務経歴書を作成する。
11月上旬 エントリー開始
11月中旬 書類選考通過
11月中旬 一次面接
11月下旬 適性検査
11月下旬 最終面接
12月上旬 内定連絡(第一志望・第二志望)
12月中旬 冬コミ入稿
12月中旬 キャリアカウンセリング
(転職エージェントと面談するやつ)
12月中旬 第二志望に内定辞退、第一志望に内定承諾連絡。
12月下旬 冬コミにサークル参加
1月中旬 退職届提出 有休消化開始
1月中旬 通販分の冬コミ新刊の発送
1月下旬 退職
…という感じでした!
途中すごいノイズが混ざっていますがこれは本当にすみません。
何故か冬コミにサークル初参加しよう!と思った時期が転職と被っちゃって……。
およそエントリーから内定までは1か月程度でしょうか。
中途採用は即戦力が欲しいので、通常の就活に比べてテンポが速いです。
事前にしっかり準備をしていればトントン拍子に進むのが就活なので、
仕事をしながら時間をかけて準備をするのがお勧めですね。
よくある「仕事を辞めてから就活したほうがいい?」は私はNOです。
基本的には仕事をしながら就活したほうが精神が安定します。
お金もあるし。
また、どうせやめる会社なんだから有休使って面接行ったろ!くらいの発想でいいと思います。
上司は勘付くでしょうが、だからと言って止められません。
(逆に気づかれて止めるような会社ならさっさと次決めて辞めちまおう)
あとは自分なりのやり方にはなりますが、転職活動のコツみたいなものを紹介しておきます。志望業界や本人の性質によって役に立つ絶たないがあるので、
転職活動のコツ(小ネタ集)
・面接は自分の言葉で喋るとよい
これもまあ、当たり前だろみたいな話なんですが…、
自分が心がけた事としては、ニュースリリースや新聞記事の切り抜きを準備して、御社のここが素晴らしいと思います!みたいな気持ちをぶつけました。
また自己PRについても変に盛らず、自分のやってきたこと、信じるものを淡々と説明しました。自分は演劇をやっていましたし、そもそも五年間営業をやっていたので人前で喋るのは大得意でしたので、苦に感じる事はなかったです。
・人前で喋るのが苦手な人は事前準備を
例えば「最後に質問はありますか?」で
「御社の強みは競合A社に比べ○○の技術が高いことですが、さらに御社の優位性を高めるための活動は何がありますか?」とか、
「海外拠点には○○や××がありますが、御社に入社したとして、役に立つ言語は英語以外だと何がおすすめでしょうか?」とか、
「新聞(雑誌)で御社社長の○○様のインタビューを拝見いたしました。
素晴らしい業績の背景には様々な試行錯誤があり、流石業界をけん引するリーダー企業様だと感じました。ここまでの地位を獲得するには厳しい時代もあったかと存じますが、業務で特に苦労したのはどのような状況でしたか?」
とか。
「私、御社くんが第一希望なので、ちゃ~~んと調べてきたよ!」アピールをすると良いです。
特に大企業は「今年も沢山人来たけど、どうせ内定辞退するんやろなあ…」
みたいな気持ちになるときがあります。
その時、他の求職者が言わなかった発言をするだけでかなり印象に残れます。
ちなみにA企業の面接を受けた後に競合のB企業に行き、A企業で聞いた事をそのまま使うとかいう細テクもしました。
業界人からしか出てこないような発想の発言で、面接官も唸るようなコメントができたりします。
(実際、前職の競合も受けましたが、メチャクチャ評価が高く即来てほしいと言われました。今回はお断りしましたが…。)
・自己PRは俺SUGEE自慢をえらいおじさんが無料で聞いてくれる場所
よく自己分析で否定的になったり、就活でネガティブになる事がありますが、そんな必要は全くありません。
面接とは「俺はこれくらいすごくて採用するだけですごい利益を生むが、もしかして採用しない奴がいるのか…?」くらいのスタンスでいいです。
落ちたらその企業の見る目が無かっただけです。ハイ次!
今は「超売り手市場」なので会社なんていくらでもあります。
お前なんていなくても代わりはいくらでもいるんだよはもう終わった。
今は「御社なんて行かなくてもいくらでも他社があるんだよ!」です。
このメンタルを持つと、就活が楽に進みます。
・面接会場の近くの美味い飯屋を調べておく
せっかく面接に行くんだしご当地グルメは食べておくべき。
家からそんな遠くない場所でも意外と二度と行かないので、事前に調べて美味いもん食べましょう。
なお自分は転職後5kg太ってました。
面接はついでくらいのメンタルでいくのがよい。
おわりに
いかがでしたでしょうか。転職入門記事。
実際の所情報がほぼないと言われてしまったらそれはそうなのですが、
自分自身、企業情報くらいしか情報収集はしておらず、就活対策本なども買わずにその場のノリで戦っているのでその通りではあります。
本記事で大事なのは有効求人倍率の事くらいですので、とにかく売り手市場の時に転職しておくのがおすすめですね。
さて、本記事は自分が12月に転職と冬コミ参加を行った事から、
アドベントカレンダーの記事として投稿しています。
流石に無理があるか?と思いつつ、皆さんあまり季節感が無いようなので大丈夫そうでした。
松本碧がみんなの書き物を読みたい Rev.3 Advent Calendar 2024
年末年始はちょうど時間ができるので、その時間に転職先候補をリストアップするのもいいかもしれませんね。
皆さんも転職して悠々自適なオタクライフを過ごしてください!
それではまたいつか。ゲゼノでした。