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【バーティカルSaaSスタートアップ調査】 2021年6月第1週に調達している世界の注目事例5選!vol.02

皆さん、お疲れ様です!
Gazelle Capital アソシエイトの山木です。
先週はCoral Capitlさんが発表した「スタートアップのための新型コロナワクチン合同職域接種」の開始が大きな話題を呼びましたね!
弊社Gazelle Capitalとしても、この素晴らしい取り組みに参加させて頂いております。
さて、話は大きく変わりますが今週も海外で資金調達をしたバーティカルSaaSスタートアップをご紹介し、ニュース形式で発信していきます!
こちらもフォローして貰えると、嬉しいです!

①ECの配送プラットフォーム「Shippo

設立:2013
拠点:米国
調達日:2021/06/02
調達額:$50M
ラウンド:不明
今回の投資家: (リード)Bessemer Venture Partners

【事業内容】
Amazon などの3rd partyプラットフォームを使用せずにEC事業者の販売拡張を可能するため、EC事業者の商品配送業務を最適化するSaaSを提供しています。
具体的な機能は、パッケージのラベルを素早く、シームレスに作成することができたり、配送の追跡や顧客への通知、物流業社を割引料金で使用可能になっており、国際配送の通関手続きといったサポートも可能で、幅広い配送オプションをユーザに提供する自動化システムです。
複数のAPIを連携することによってEC事業者・ECプラットフォーム・物流業者を接続する注文管理プラットフォームともなっています。
また、今回の調達で2014年の設立から累計の調達額は$154.3 Mで、評価額は $1 Bとなりました。これを踏まえて「Shippo」は晴れてユニコーンに仲間入りです!

記事リンク:https://finance.yahoo.com/news/shipping-startup-shippo-valued-1-111500784.html

②創薬の開発を効率化させるSaaS「Molecule.one

設立:2016
拠点:ポーランド
調達日:2021/06/02
調達額:$4.6 M
ラウンド: シード
今回の投資家:(リード)Atmos Ventures
       (その他)AME Cloud VenturesCherubic Ventures
            Firlej KastoryInventures
            Luminous VenturesSunfish Partners、        
                                              Sebastian Guth(Bayerの役員)

【事業内容】
理論上では、考えられている医薬品分子があるのにこれを現実化することが難しく、時間が大変かかるという課題が製薬業界には存在しているようです。
そこを、何百万もの特許や化学プロセスを蓄積した機械学習システムをベースにし、新しい化合物をどのように作るのかを自動化して、提案するSaaSを「Molecule.on」は提供しています。
医学博士を取得している共同創業者2人によって立ち上げられたこのスタートアップは、現在1時間あたり数千の分子の計画合成をサポートできるまでになっていますが、実際の顧客の成功例を極秘事項であるという理由から、実例は紹介することはできないようです。
国内であれば、AI分析と、ロボットによる実験の自動化を行う慶應大学発スタートアップ「MOLCURE」が類似企業に挙げられるのではないでしょうか。

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/06/01/molecule-one-grows-its-drug-synthesis-ai-platform-with-a-4-6m-seed-round/

③FineTechとコミュニティバンクを繋げるSaaS「Synctera

設立:2020
拠点:米国
調達日:2021/06/02
調達額:$33 M
ラウンド: シリーズA
今回の投資家:(リード)Fin VC
       (その他)MastercardGaingels
            Lightspeed Venture Partners
            Diagram VenturesSciFi Ventures
            Scribble Ventures
                          Omri Dahan (Marqeta のCRO)、Nuno Sebastiao                                                (Feedzai の会長兼 CEO)、Tim Sheehan                (Greenlight の共同創設者兼 CEO)
                                               など20人以上のエンジェル投資家

【事業内容】
Uber Moneyの元責任者である、Peter Hazlehurst が2020年に創業した「Synctera」は前回のシードラウンドでの調達からわずか半年も経たずに調達し、これで累計調達額は$45.4 Mとなっています。
コミュニティバンク(日本で言う地方銀行)がAPI経由でFintech企業との連携するケースは近年増えていますが、関係が複雑すぎたり、管理に時間がかかったりするなどの理由で連携に対して慎重になっているという現状があるようです。
そこで「Synctera」は、コミュニティバンクのニーズに合わせて、Fintech企業をスムーズに技術レベルまでの提携ができるように結びつけ、バックエンドのプラットフォームを管理しながら、書類処理などのプロセスを効率化させています。
上述のように、世界中でクレジットカードの決済システムを提供している「Mastercard」や、エンジェル投資家では金融カードの発行企業向けに、オープンAPIを提供する「Marqeta 」のCRO、子供向けのデビットカードとモバイルアプリを提供する「Greenlight 」のCEO などFin Tech系企業の役員クラスを巻き込んだ調達となっており、非常に今後が楽しみですね!

記事リンク:https://www.finsmes.com/2021/06/synctera-raises-33m-in-series-a-funding.html

④VR/AR療法×SaaSの遠隔医療サービス「XRHealth

設立:2016
拠点:米国
調達日:2021/06/05
調達額:$9 M
ラウンド: 不明
今回の投資家:(リード)Discount Tech

【事業内容】
国内で、VR×SaaSの領域で事業を展開しているスタートアップでいうとVRコンテンツを制作できるSaaSを提供する「スペースリー」があります。
この「XRHealth」は医療用バーチャルリアリティ(VR)を使って、FDA(日本でいう厚生労働省のような政府機関)に登録されたVRアプリケーションと高度なデータ分析を組み合わせ、理学療法やパーキンソン病の症状など、さまざまな症状の緩和を求める患者にパーソナライズした治療が可能です。
セラピストをマッチング⇨VRヘッドセットが家に届く⇨セラピストとの個人的な1対1のビデオセッション⇨治療をカスタマイズして開始という流れで治療は進められ、リアルタイム データをセラピストと患者に提供し、経過を経時的に表示したり、患者のトレーニング プランの作成・調整が可能になっています。
治療の様子もYoutubeに乗っているのですが、ゲーム感覚で自宅にいながら、とても楽しく治療できるので続けやすいコンテンツではないかと思います!

記事リンク:https://finance.yahoo.com/news/xrhealth-secures-9m-venture-funding-110000208.html

⑤農業・食品製造業向け人材管理SaaS「Ganaz

設立:2017
拠点:米国
調達日:2021/06/04
調達額:$7M
ラウンド:シリーズ A
今回の投資家: (リード)Trilogy Equity Partners       
        (その他)Bessemer Venture Partners
                                               Founders' Co-op、 Taylor Ventures、                                                                              AgFunderTechstarsTechstars

【事業内容】
従業員のコミュニケーションを測る管理ツールはSlackなどがありますが、アメリカの農業や食品製造業者などのデスクレスワーカーには、うまく機能しないケースが多いようです。
そこで、「Ganaz」は農業・食品製造向け人材管理SaaSを提供しています。
従業員には、オンボーディングや基本的なトレーニングを、アプリ搭載したタブレットを使用して、リテラシーが高くない人でも、簡単に使用できるように設定されており、専用のデビットカードで支払いを受け取ることができます。
一方で雇用側は、従業員の電話番号などを設定するとWebサービスや自身の携帯を通じて一斉にメッセージや給料の支払いなどを、効率的に行うことができます。
現在、75社の雇用側が登録し175,000人の労働者がこのサービスを利用しているようです。また、ARRとユーザー数は前年比で約3倍に増加するなど順調な伸びを見せています。
国内でも、3月に11億の調達を完了した「カミナシ」などデスクレスワーカー向けのSaaSは注目ですね!

記事リンク:https://techcrunch.com/2021/06/03/ganaz-raises-7m-a-round-to-rethink-how-agriculture-workers-get-hired-and-paid

以上、2021年6月第1週に調達している世界の注目事例5選でした!
Gazelle Capitalは、日本を築いてきた国内産業をインターネットの力で変革していくスタートアップを支援するシードVCです。
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