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学生起業、数々のピポット…自他の幸福を追求してきた私が今目指す未来/ #Gazelle起業理由ブログ

Gazelle Capitalは、日本を築いてきた国内産業にインターネットの力で変革・変化を起こし、新しい時代の中で産業を彼らと共に形を変えて紡いでいくためのベンチャーキャピタルです。
創業初期の起業家へ伴走型のサポートを行いながら、レガシー産業の課題解決を目指しています。
本ブログでは、弊社が投資している企業の代表者に、起業に至ったきっかけや、今後目指していきたい世界について語ってもらうインタビューを、連載形式でお伝えしていきます。
これをきっかけにレガシー産業の改革に興味を持つ方が一人でも増えたらと考えています。
今回は先日約1.5億円の資金調達を実現したRecustomer­株式会社・代表取締役の柴田さんにお話いただきました。

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こんにちは。Recustomerの柴田(@shibata_anvie)と申します。
Recustomerは「顧客への愛をビジネスの成長に繋げる」をミッションに掲げ、小売事業者が既存顧客との関係維持(カスタマーリテンション)と再購入(リマーケティング)を実現するためのプラットフォームを提供しています。具体的には、返品や交換・注文キャンセルなどにかかる事業者のコストを最小化し、その対象となった顧客に対しクーポン等による再購入を促進することで、顧客により良い購入後体験をしていただくと同時に事業の成長をサポートすることを目指しています。

こうしたインタビューの機会をいただくのは初めてで少し照れくさいのですが、私がRecustomerを設立することになったきっかけや、今後目指している世界についてお話できればと思います。

昔から人を巻き込んで価値観を共有するコミュニティを作っていくことが好きだった

私は北海道の札幌で生まれ、年の離れた兄と姉に可愛がられ末っ子らしくのびのびと育ちました。
特に7つ上の兄からは多くの刺激を受けました。小学生時代には感度の高い兄の趣味からトレンドを学び、同世代の友人に共有することが何よりの楽しみでした。
同世代よりも群を抜いていたい、大人びていると思われたい、といったませた気持ちもありましたが、何よりそうした自分が「良い」と思うことを周囲に伝えることで、共感する友人の流行感度が上がっていくことにも喜びを感じていたように思います。

中でも、兄の影響で聴き始めたHIPHOPは、その後の自分の人生観に大きな影響を与えました。携帯電話の着うたに50centの”in da club”を設定するような小生意気な小学生時代を過ごし、高校生時代になるとブレイクダンスを始め、その世界にどっぷり浸るように。
HIPHOPは、音楽そのものももちろん素晴らしいですが、カルチャーが人を呼ぶその求心力こそが魅力です。仲間をリスペクトし大切にする考え方など、私の価値観はHIPHOPの影響を大いに受けていると思います。

高校2年の時には、高校生限定のイベントを主催するサークルを創設します。大規模なイベントをオーガナイズし自らもDJとしてイベント出演などを積極的に行うようになりました。


自身の立ち上げたサークルでの出会いが起業家人生の第一歩に


自身が立ち上げたサークルでの出会いが、私の人生にとって大きな巡り合わせを生み出すことになるのです。

Recustomer取締役COOの辻野はこのサークルの共同創設メンバーでした。初代代表を私が務め、代替わりのタイミングで辻野に代表を引き継ぎ、そこからは私はファウンダーとして関わりながらもメンターのような立ち位置になっていったのですが、0から1を生み出すところは私が、その後のグロースフェーズを担うのは辻野が、という関係は、当初から変わっていないかもしれません。

また、私が起業を志すきっかけをくれたのもサークルで出会ったメンターのおかげでした。メンターの中にはITベンチャーの経営者もおり、そうした方々から”Faceboookがどのようなエコシステムの中から生まれてきたのか?”などスタートアップについて教えていただく機会がよくありました。そうしてアレコレ学ぶうちに、自然にその世界に惹かれている自分がいたんです。
アンダーグラウンドからメジャーに突き抜けていくHIPHOPの文化と、スタートアップに通じるものを感じ、いつしか起業を通じて課題を解決したり関わる人を幸せにしていくことを夢見るようになりました。「ちゃんとビジネスをやりたいならちゃんとした大学にいけ!」という大人たちの言葉に感化され、真剣に大学受験に取り組み、早稲田大学商学部に入学しました。
周囲の意見をフラットに取り入れるところと、一度目標を決めたら粘り強くやりぬくところは自分の長所だと自負しています。

とはいえ、大学入学はあくまでも起業のための「手段」。私は入学した瞬間から起業しビジネスの種を模索していました。早稲田大学では起業家養成講座というピッチコンテストがあり、私が参加した際には辻野にビジネスモデルの壁打ちをし、結果として優秀賞を受賞しました。この時「将来、起業する際には辻野を誘おう」と決めていました。
その後、将来の起業に向けて、エンジニアリングの力を蓄えようと思い、フリーランスエンジニアとして開発の受託事業を始めます。幸い知人のツテで絶えず案件をいただくことができ、学生にしてはそこそこ稼げるようになっていきました。
昼はコードを書き、夜は趣味のDJと、やりたいことを好きなだけできる生活に満足していました。

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決して順風満帆とは言えなかった起業してからの道のり

そんなモラトリアム生活も1年ほど経つと徐々に物足りなくなり、「このままで良いのか」と自問自答を繰り返すようになります。

エンジニアとしてのキャリアを選択するのであれば、受託案件を通じてスキルアップを図る道も大いにあったと思います。しかし、私はビジネスの手段としてエンジニアリングを学んだにすぎず、それを極めるキャリアを思い描いていたわけではありませんでした。本来目指すべきことから目を逸らし、易きに流れる自分に不甲斐なさを感じるようになってきました。
誰に背中を押されたわけではないのですが、そんな自分と決別することを決め、事業運営に必要な「ライスワーク(受託事業)」とは別に、自身の本来目指していた世界を実現するような「ライフワーク(課題解決事業)」の種を再び探ることを決めました。
また、個人で1年以上事業をやってみて、1人でできることの限界感じていたこともあり、個の総和では成し得ないことをチームで成し遂げたいと、心の底から感じていました。チームとして事業を起こすことを決意し、サークル時代からの旧友である辻野に声をかけたのです。

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基本的に根っからのポジティブで「自分はいつか何かで成功できるはず」という自信があるタイプですし、あまり公の場では弱音を吐かないので、周囲にはうまくいっているように見えていたかもしれません。が、全くそんなことはありません。
最初に立ち上げた建設業向け安全書類管理SaaSは、祖父が電気工事会社を運営していたことから非効率な書類管理作業を効率化できないかと立ち上げましたが、市場がニッチすぎて思ったように伸びず、即撤退。
その後、Indeedでの採用に特化したATS(採用管理SaaS)にも目をつけましたが、新型コロナウイルスの影響でそれまで活況だった採用市場が逆転してしまい、業務が全面ストップ。
Shopify制作・運用などの受託事業を継続していたため資金が底を尽きることはなかったものの、なかなか蒔いた種が芽吹かず、頭を抱える日も少なくありませんでした。
そんな折に相談に乗ってもらっていたのがGazelle Capitalの石橋さんだったんです。


Gazelle Capital石橋さんとの出会い

石橋さんとの出会いは2019年、Branding Engineerの高原さんに誘っていただいた会でした。

二次会で石橋さんと密なお話しをさせていただいたことがきっかけで仲良くなったのですが、なんと出会った翌月には投資いただくことに!会社の細かな情報を確認するわけではない”ノールック投資”の恩恵を受けることになりました。
後にRecustomerへ投資いただいた理由を伺ったことがあるのですが、私たちが常に打席に立とうとし続けていること、キャッシュを生み出す基盤があることなどから意思決定いただいたとのことです。

石橋さんはいつも相談に乗ってくださり、私の意見を尊重しつつも意思決定の質を引き上げてくれる兄貴分のような存在です。
今回のEC向けSaaSへのピポットも、「キャッシュもあるのだから、”ライフワーク”をピポットするなら、風が吹く場所で思い切りチャレンジしよう」と背中を押していただけたことがきっかけでした。
もともとECの領域で何かやりたいと模索している中で、目をつけたのが「返品市場」
日本はEC化率が低くまだ8%程度ですが、アメリカではすでに20%とその市場が伸びてきています。その中で日本の返品率は1-2%程度ですが、アメリカでは大体20%。そのアメリカも2014年までは今の日本と同等程度だったことから推察すると、今後日本においてパラダイムシフトが起きる可能性があるのではと考えました。
D2Cの分野からみてもアメリカの市場から5年ほどラグがあります。そのタイムラインを想定するとこの「返品市場」は非常にポテンシャルのあるマーケットになると感じています。

このチャレンジは石橋さんにさりげなく”誘導“していただいた感覚があるのですが、そうした事業相談だけでなく、人脈面でも大いにサポートいただいています。
起業家だけでなくGazelle CapitalのLPにも繋いでいただき、「みんなで投資先探しに行こう」という意気込みを強く感じます。

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シード期のスタートアップの代表は孤独なシーンも多いはずですが、心強い仲間がいる気分で精神面でも支えていただいていると感じています。

ビジネスの経済合理性と、人々の幸せが一致している世界を実現させたい

本来ビジネスとは人々の生活を向上させ、幸せを創るためにあるべきです。しかし現状ではビジネスが成長することに重きが置かれ、そこから生まれる「負」を別の誰かが背負わざるを得ない状況になっていることがしばしばあると思います。

返品がまさにその典型例です。 不良品はどうしても一定の確率で発生しますし、お客様の注文間違いも、ネットショッピングにはつきものでしょう。しかし、現在の日本のECでは返品を受け付けていなかったり、返品にいくつもの条件が求められたりするケースが散見されます。この事実は顧客の立場で考えるとたまったものではないですが、ビジネスの構造上仕方のないことなのです。返品作業には多くのプロセスや調整が必要なため、事業者が返品を受け入れることで、顧客に見えている以上のコストを負わざるを得なくなるためです。

今後の日本でもより一層EC化率は高まっていくと考えています。その未来を見据え、顧客には優良な購入後体験を、事業者には返品等のコスト最小化と顧客のリテンションによる事業成長をサポートするようなサービスを提供したいという思いから、Recustomerは生まれました。

まだまだ立ち上がったばかりのサービスではありますが、日本ではまだ目立った競合がいない領域ということも相まって、直近ではアクセラレータープログラム「G-STARTUP」の3RD BATCH DEMO DAY(成果発表会)にて、ベストグロース賞を受賞するなど、評価いただける機会も増えてきました。

また、私たちは2021年9月に、Coral Capital、ALL STAR SAAS FUND、Gazelle Capital、GSTARTUPを引受先として、約1.5億円の資金調達を実施しました。

▼調達発表のプレスリリースです。本ラウンドに参画した投資家の皆様からありがたいコメントをいただいているのでぜひ見てみてください。


▼この調達を機に、メディアさんにもご取材いただきました!

調達した資金により、プロダクト開発や組織強化を行っていくとともに、更なるサービス価値の向上を目指していきます。
まさにRecustomerというチームの第二章の”幕開け”に、創業した私自身もワクワクしています。

★最後にRecustomerからのお知らせ

現在Recustomerでは、CTO・エンジニア・デザイナー・プロダクトマネージャーなどプロダクトチームを積極的に募集しています。
目指している組織体制や選考プロセスなどについて詳細に記載しているのでぜひこちらをご確認ください。

オープンでフラットないいチームを作りたいという欲が昔から強い私にとって、これから事業磨きと共に組織づくりにも取り組めることが非常に楽しみです。
私が仕事において大事にしている価値観の一つに「Life Is Work」というものがあります。これは自分個人の目標、家族の目標、会社の目標が完全に1つに一致しているという理想的な状態を指していますが、私だけでなく入社してくれるメンバーにもぜひ同じ状態を目指して欲しいという思いがあります。
少しでも興味をお持ちいただけた方、共感いただいた方、まずはカジュアルにお話ししましょう。
ご応募をお待ちしています。

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Gazelle Capitalはレガシー産業に革命を起こす起業家を応援しています

Gazelle Capitalでは、日本のレガシー業界を変革するスタートアップへの投資に力を注いでいます。
農業・林業・漁業の一次産業から、建設業、製造業、不動産や保険、金融、小売、医療・ヘルスケアといった領域も含め、IT化により大きな革命を起こそうとしている創業前後の起業家をメインに、あらゆる成長支援を行っていきたいと考えています。

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