【バーティカルSaaSスタートアップ調査】 2021年11月第3,4週に調達している世界の注目事例5選!vol.22
こんにちは😆
Gazelle Capital アソシエイトの近藤です!
12月も半ばとなり、2021年もあと残り少しです。
私にとって東京で迎える初めての冬...この時期色々な場所で見られるイルミネーションに魅了されております🎄✨
今回は11月後半に資金調達を行った海外のバーティカルSaaSスタートアップの中から、5社ピックアップいたしました。
面白い企業がたくさんあるのでぜひ最後まで見てください!
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①顧客からの支払い遅延を解消 「Practice Ignition」
https://www.practiceignition.com/
設立🏢:2013
拠点🏠:オーストラリア
調達日🕑:2021/11/17
調達額💰:$50M
ラウンド🚉:シリーズC
今回の投資家👤
(リード)JMI Equity、CIBC、Tiger Global Management
(その他)Craig Winkler、Equity Venture Partners、Black Sheep Capital、Right Click Capital、Craig Winkler、Adrian Di Marco
【事業内容】
会計士であったGuy Pearsonは従来のマニュアルプロセスや顧客からの支払い遅延に不満していました。その課題解決のためにプロダクトデザイナーのDane ThomasとPractice Ignition社を設立しました。
「Practice Ignition」は、その他GustoやXero、QuickBooks、Zapierなどの主要なビジネスアプリケーションを介し、見込み顧客や成約した顧客との連絡後5分以内にパンフレット、支払いフローと情報、署名欄なども含めた提案シートを共有することができます。
また契約後このSaaS上で支払いの請求や請求書照合、ダッシュボードを使っての売掛金予測などを可能にします。
実はこのプロダクトは当初、主に会計士や経理担当者のためのツールででした。現に今も同社の顧客の大部分を彼らが占めています。しかしマーケティングやコンサルティングなど、他のプロフェッショナルサービスの分野にも同様のワークフローが数多く存在しており、Practice Ignition社は今後それらに価値を提供できると考えているといいます。
Practice Ignition社は、創業以来驚異的な成長を遂げ、2021年には同社のプラットフォームを使用したほぼすべての顧客の収益が倍増しました。2022年には6つの市場で100万人以上の顧客を持ち、20億ドル以上の顧客収益を管理しており、さらに大幅な成長を遂げようとしています!
②訪問サービスの作業管理ツール 「Workiz」
設立🏢:2015
拠点🏠:アメリカ
調達日🕑:2021/11/17
調達額💰:$40M
ラウンド🚉:シリーズC
今回の投資家👤
(リード)Lead Edge Capital
(その他)Maor Investments、La Maison Partners、Magenta Venture Partners、New Era Capital Partners、G Squared、Aleph、TMT Investments
【事業内容】
Workiz社は、オフライン色が強い訪問サービス型の事業においてデジタルトランスフォーメーションを行っています。主に彼らにアポイントメントのスケジューリング、コストの見積もり、仕事の請求書作成などを支援するツールを提供しています。今回4,000万ドルの資金を調達しました。
ここで顧客となる訪問サービス業界の専門家というのは、カーペットクリーナー、電気工事士、水道工事士、鍵屋などを指します。「Workiz」を利用することで、物理的な接触を最小限に抑えることができるのです。そのためコロナ禍において、Workiz社は新規ビジネスの獲得という点はもちろん、すでにプラットフォームを利用しているユーザーとのエンゲージメントの拡大という点でも成長しているといいます。また訪問サービス業界の大きな問題の1つである、人手不足や人的資源の問題を解消することもできるそうです。
テルアビブで設立され、サンディエゴを拠点とするWorkiz社は、現在、主に北米市場に注力しており、10万人のユーザーを抱え、そのユーザーの顧客基盤はなんと1,700万人にも及びます。それぞれの訪問サービス事業だと市場が狭いですが、その共有した課題を見つけバーティカルに展開されているのですね!
③納税義務を自動化する「Fonoa」
設立🏢:2019
拠点🏠:アイルランド
調達日🕑:2021/11/22
調達額💰:$20.5M
ラウンド🚉:シリーズA
今回の投資家👤
(リード)OMERS Ventures、Index Ventures
(その他)Prabir Adarkar、Allison Barr Allen、Kevin Hartz、Moving Capital、Gautam Gupta、FJ Labs、Carlos Gonzalez- Cadenas、
【事業内容】
商品、コンテンツ、サービスをグローバルに展開し販売すると、税務上の問題が無数に発生します。 世界的にクロスボーダー取引が急増している中、デジタルファースト企業は国際的に成長・拡大していく中でグローバルな税務・コンプライアンスを理解し、管理するという課題に直面しています。
アイルランドを拠点とするFonoa社は、デジタル企業がインターネット販売で徴収すべき税金を決定し、計算するためのAPIを開発しました。現在Lime、Uber、Teachable、Zoomなどの企業が税務コンプライアンスを維持するための支援を行っています。国際市場でオンラインで販売される商品やサービスの増加に伴い、成長を加速させ今回の資金調達に至りました。Fonoa社の顧客は、ライドハイリング、モビリティ、フードデリバリー、SaaS、Eコマースなどの業界が中心で、サブスクリプションビジネスも含まれています。
「Fonoa」のAPIが顧客の既存のデータと簡単に統合できるため、何時間もかけて手作業で税金に関する問題に取り組む必要がないといいます。同社は、自動化されたサービスへの需要が高まり、年間3億件の税務取引を突破しました!Tremac社によると、2020年12月以降、7倍の収益成長を実現しているそうです。
④『体験』のためのShopify 「Peek」
設立🏢:2012
拠点🏠:アメリカ
調達日🕑:2021/11/23
調達額💰:$80M
ラウンド🚉:シリーズC
今回の投資家👤
(リード)WestCap
(その他)Eric Schmidt、I2BF Global Ventures、Cathay Innovation、Jack Dorsey、3L Capital、Goldman Sachs Asset Management、Paul English、Manta Ray Ventures、Apeiron Investment Group
【事業内容】
コロナが世界中に蔓延し一旦制限された旅行や観光業界は、また再びゆっくりと動き始めています。今日、美術館見学やスカイダイビング、地元の料理教室など、体験に焦点を当てた企業が自社のビジネスの回復を見て資金調達などのニュースを発表しています。
「Peek」は、消費者が 『体験』を見つけ予約するためのマーケットプレイスです。また企業がチームビルディングなどの社内イベントを予約するためや、観光会社が自社の体験ビジネスをオンラインでデジタル化して管理・運営するためにも使用されています。まさに「 『体験』のためのShopify」と言われています。
Peek社はコロナが発生したことにより打撃を受けた観光業界の企業の一つでした。実際この不振を乗り切るためにスタッフの30%を解雇したといいます。そんな中ビジネスの両サイドにいるお客様とどのように協力したらよいかを考え、このビジネスに挑みました。
エンドユーザーに対してはバーチャルな体験(例えば、オンラインでの料理教室など)の提供を増やしたり、企業や社内のイベントを予約する体験を構築したりすることで、「お客様」のあり方を再考しました。
今回Peek社が再度脚光を浴びた鍵となったのは、観光業界の体験をユーザーに提供する企業や団体との協力関係をどのように見直したかということでした。彼らが独自の緊急融資を受けられるように支援し、観光客ではなく地元の人々のためのアクティビティに焦点を当てるようにしたり、それらのビジネスを運営するためのソフトウェアや機能を提供したりしたのです!
これが功を奏し、徐々にビジネスが活発になるにつれ、Peekもパンデミックの中で利益を上げられるようになったのです。現在、Peek社のビジネスの「大半」はソフトウェアが占めていますが、来年は消費者の旅行が回復しPeek社の市場にも活気が出てくるとさらに期待されています!
⑤財務計画と分析を支援 「Abacum」
設立🏢:2020
拠点🏠:アメリカ
調達日🕑:2021/11/30
調達額💰:$25M
ラウンド🚉:シリーズA
今回の投資家👤
(リード)Atomico
(その他)Carmine Visconti、FJ Labs、s16vc、Juan Urdiales、Ingo Uytdehaage、Felipe Navio、Creandum、Thomas Lehrman
【事業内容】
中堅企業の財務計画・分析ツールのアップグレードを目的としたSaaSを提供するAbacum社は、4月に調達した700万ドルのシード資金に続き、2500万ドルのシリーズAラウンドを実施しました。
「Abacum」は、財務計画と分析にコラボレーションレイヤーを導入することに重点を置いています。これにより、煩雑で反復的な手作業(スプレッドシート間のデータコピーや、ヒューマンエラーを起こしやすい手作業によるデータ変換など)を自動化し、財務チームが社内でデータを共有しやすくしています。
去年のARRは15倍だったそうですが、Abacumのプラットフォームに価値を見出していただいたお客様の1人当たりのARRはさらに拡大を続けているといいます。今後Abacumのプラットフォームの機能性を高めて、お客様にさらなる価値を提供し続けるそうです。また米国と中南米のオフィスを拡大し、これらの市場でお客様により良いサービスを提供していくとも述べています。
記事リンク:https://techcrunch.com/2021/11/30/abacum-series-a/
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今週も最後までご覧くださりありがとうございます🙇♂️
以上が2021年11月第3,4週に調達している世界の注目事例5選でした!
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