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”令和だよ、日本改造法案大綱、行ってみよう!”〔4ー2〕現代語訳篇😅

”令和だよ、日本改造法案大綱、行ってみよう!”|何祐子|note

 前回〔巻四 大資本の国家統一:私人生産業の限度、私人生産業の限度を超過する者〕からの続き、≪国家の生産的組織≫からです!⇩

≪国家の生産的組織≫

(その1) 銀行省
・『資本』の定義 : 個人生産業限度の超過額を各種大銀行を通じて徴集したもの。或いは、私有財産限度の超過者から徴集した財産。
・銀行省の役割:海外投資には豊富な資本が不可欠であり、これを取り纏め統一的な活動を行う。生産性を有する各省(以下、生産的各省)への貸付。民間銀行への貸付。通貨と物価との合理的調整。国民預金等への絶対的安全保証。

注1)現代の殆どの日本人は、『銀行』と『銀行省』が分立している現状に危機感を持っていない。だが、もし今のままの状態で海外で欧米各国と競争などすれば、『支那私兵(=日本)と日本軍の統一軍隊(=他国)』位の歴然とした差がある現実を多くの国民が知るべきだ。烏を集め、いくら奮戦した所で元々勝ち目は無いと同じで、今の状態で海外で各国と対外利権を争っても、資本に乏しい日本に勝算など無い。

注2)貿易の好調により外国から貨幣が流入・横溢し、それが物価高騰の原因になっている。これを非常事態と捉え、この場合の危機に備える為に銀行省が金塊を貯蔵して、合理的に物価調整を行う。貿易が好調になれば経済界が潤い、この経済界の好調が、引いては国民生活の憂患になるというこの逆転現象 ― 現代経済のこんな大矛盾は、なぜ発生するのか?それは、何を置いても国家が『金権』、所謂『通貨発行権』を持たないため。

注3)銀行が破産すれば、国民の汗と涙の結晶である『貯金』と、事業運命を決める『預金』が雲散霧消する。これは国民生活にとって大惨事なのだ。なのに、岩下清周(いわした きよちか)に罪を被せて背任罪で起訴し、幾万もの『北浜銀行』破綻の被害者へは救済をしない、こんなことは言語道断の珍現象だ。常識的に考えて、日本国家が全国民と一緒に滅亡でもしない限り、銀行省に預金不安など起こり得ない。


(その二)航海省

・私人生産業限度を超過する航海業者から徴集した船舶資本。これを活用して、主に遠洋航路を拡大する。造船造艦業経営、その他。

注1)『海上の鉄道』の国有化によって、外国同業者との競争に対抗する。これは、『トラスト』『カルテル』を例に効果の推定が可能であり、以下各省も同様とする。


(その三)鉱業省

・私人生産業限度以上の資本、又は限度以上の鉱山価格を持つ各種大鉱山を徴集し、経営に当る。銀行省の投資した海外鉱業の経営。新領土取得の場合、私人経営の鉱業と併行し、国有鉱山開発に積極的に取り組む。

注1)資本以外に、鉱山価格も明確化する。『鉱山=資本』がうっかり忘却され、機械・その他設備だけが資本だと誤解されることを防ぐ。

注2) そもそも、鉱山獲得には国民の血税が使用されている。撫順炭鉱などは、血税以外の犠牲を払い漸く取得できたもの。それなのに、ホンの僅かな少数者らの専横を野放しにしている現在の日本政治の実態は、はっきり言って最低最悪、こんなことをしているから社会風紀が乱れ、愛国心欠如の国民が爆増し、ついにアナーキスト(無政府主義者)が出現したって当然だろう。今の国家頽廃の風潮は、日本国家・政府の自業自得だ。


(その四)農業省

・国有地の経営。台湾製糖業と森林の経営。台湾、北海道、樺太、朝鮮の開墾事業。南北満州、将来の新領土の開墾。大農法に適する耕地を継承した時は、その経営に当る。

注)目下台湾では、一部の日本人富裕層らが製糖業、森林開発等で違法行為を繰り返している。それによって日本が被る汚名被害の深刻度は、既に国家・国民が看過できるレベルにはない。今の段階でこれを根絶しておかないと、今後もし台湾より幾十倍も広い大領土を南北満州・極東シベリアに得ても同じことが発生する。彼等の害悪行為が同じ様に国家・国民へ責任転嫁され、日本は国際社会の中で国家の品格を下げ、信用を失う。特に、日本が保持する海外領土での生活権利を脅かされるだろう。その時は、いくら『大東亜共栄圏』などと云う強固な経済共栄圏を創り上げた所で、そんなもの百年も経たずに崩壊の運命を辿る。


(その五)工業省

・徴集した各種大工業の調整、統一、拡張を行い、本当の意味での『大工業組織』を創り上げ、国内の各種・全工業部門を外国と肩を並べるレベルに引き上げる。国家の致命傷になり得る重要工業部門-海軍製鉄所や陸軍兵器廠は私人経営では補い切れないから、これらを移管して経営に当る。

注)工業界に於ける『トラスト』・『カルテル』的組織は常に資本に乏しいが、加えて欧米各国に比べて日本は後発の立場だから、この工業省設置が目下最大の急務だ。そして、日本は自営自給の不可能な工業が多い弱点があるので、もし現在の様に私利私欲が主目的の『資本主義・資本制度』を続け、今後もこれに安閑としていれば、遠くない未来に確実に控えている『国際的金融危機』を迎えた時、日本はこれを凌げるか? 答えは否。到底無理だ。


(其の6)商業省

・国家生産・私人生産から生じる全ての農業的・工業的貨物を取り扱う。それによって国内物価を調節し、海外の貿易も積極的に活動を行う。
・その目的で、全関税はこの省が計算した数字を内閣へ提出する。

注1) 今まで大資本を悪用して来た私人らに私有財産限度・私有地限度・個人生産業限度が適用されれば、可能性として、国家の物価調節に反抗する為に彼等が買占めや売惜みに走るかも知れない。それを未然に防ぐ為にも、国家の物価調節は一糸乱れず整然として行われるべきだ。大地主や投機商人は、手元の大資本を使って米穀買占め&売惜みの好き放題をやり、それが米価高騰を招いている。この現状を見れば、あらゆる物価問題は全部ここから出ているのだと判明する。この彼等の手元の大資本を放任し続ける日本政府の口から“物価の調節”が飛び出れば、それは抱腹絶倒の空想政治、それ以外の何物でもない。

注2)先の世界大戦が起こった際、同時に世界的物価高騰が起こった。あの様に、国内物価が世界的原因で高騰した場合などは、国家が一般国民の購買能力と世界市価との差額を『輸出税』として課税し、この時公・私生産品も当然一律に課税されるべきである。それによって国内物価の暴騰を防ぎ、同時に貿易上の利益収入が国庫に入って来ることになるが、これは経済が非常事態の時の緊急措置であって、そのまま輸出税課税の原則には移行しない。基本的に、非常事態に遭った時に国民へ不安騒乱を招く様な国家組織・政府内閣を持っている国家が、世界の中でどうして≪大日本帝国の使命≫を全うできるだろうか? 日本が将来一大大戦を覚悟する立場なら、特に非常時下でも安泰な国家運営が出来る様な≪改善-カイゼン≫を予め施して置くことが肝要だ。


(その7)鉄道省

・現在の鉄道院を引き継ぐ形で、朝鮮鉄道と南満州鉄道等を統一する。将来は新領土での鉄道運営も継承し、布設経営等も積極的活動等を行う。
・私人事業限度以下の支線鉄道は、私人経営に開放する。

注1)国民の血税と犠牲で獲得した南満州鉄道会社が、現在は一部の富裕層らに占有されている。誠に不道徳且つ危機的状況は、≪鉱業省≫の注で述べた通り。もし将来の大領土でも、またしても今の様な南満州鉄道会社が鉄道経営にしゃしゃり出て来るのを見た国民は、完全にやる気が失せてしまうだろう。

注2)鉄道が国有である故に、現在民間の鉄道布設事業に停滞が生じている。それは正しく、国民の経済的自由を蹂躙し、国有鉄道自体の利益も減らしているという現状を生む。“陸上の鉄道ならば、どんな山間部の僻地の村に届く支線も国有化せよ!だが、もし海上の鉄道ならば、全世界へ通じる全幹線も民有化せよ!” ― これは、甚く道理を無視した暴論だ。鉄道の国有化・民有化も、≪私人事業限度の原則≫と≪大資本の国家統一原則≫で正当に扱われるべきで、この様な国家の大本となる事業は、唯一無二の原則下に置かれるべき。


≪莫大な国庫収入≫

・生産性を有する各省(以下、生産的各省)が生む莫大な収入は、その大部分を消費性を有する各省(以下、消費的各省)と下掲の様な国民の生活保障へ当てる。その為に、基本的租税以外の各種の悪税を全て廃止する。
・生産的各省も私人事業者と同一と見做し、当然一律に課税される。
・塩、タバコなどの専売制廃止。≪国家生産と私人生産の併立原則≫の下、私人生産業限度以下の事業を私人へ開放し、公・私事業へ一律に課税する。
・遺産相続税とは親子の権利を犯す悪税だ。遺産相続時に徴収するのは、単に手数料のみでよい。

注1) 資本等の徴収見込は概算で予測可能だが、確実に概算と実態が掛け離れるだろうから、この調査と徴集作業には在郷自衛官団体の働きが必須である。

注2) 国家の生産的收入が増大すれば、『悪税』だけでなく『租税』の多くも廃止可能の時期が来る。

注3) 遺産相続を国家収入のチャンスと見做す現在の社会政策者達が持つ人権思想の不道徳さ、恐るべし。

  このシリーズの読者の皆様も・・・、段々とお気付きかと思いますが、『日本改造法案大綱』は、今読んでも全然古くない、、というより、今読んで初めてよく意味が解る、そんな気がしませんか。

 大川周明先生は、ご著書『安楽の門の中で、北一輝氏に『魔王』と仇名を付けたと書いて有りました。ワタシは、最近この深い意味を何となく自分なりに理解しています。

 北一輝氏は、100年早かったんだと思います。

 しかし、”だから駄目だった”、”だから失敗した”、の過去の話などではなく、『日本改造法案大綱』が時空を越えて、令和の今も、十分鮮やかに生き生きと蘇れる普遍的な魅力を放っている事実。。。
 流石、これが『魔王』の遺言か。😅😅😅

 次回は、〔巻五 労働者の権利〕からです!😀😀


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