Green Book 再び
アカデミー作品賞受賞。1960年代のアメリカ南部へ演奏ツアーに向かう黒人ピアニストと彼に雇われた白人運転手の旅をユーモアたっぷりに描く感動のヒューマンドラマ。
BSNHKプレミアムカフェ6/2(金)8:15pm~の『Green Book』 録画するのは2回目。
どの国にも歴史があり文化があり、時代と共に変化する、時には逆行して。
白人ではあるが、その時代のアメリカにおけるイタリア人トニーへの侮蔑の言葉、目線。
同じ黒人でも、白人の運転手付きで高級車に乗るドクター・シャーリー。それを見る農作業の黒人たち。
ニューヨーク ブロンクスでしたたかに生きてきたトニーだが、生活のため仕方なくカーネギー・ホールの上に住む大金持ちのシャーリーの8週間だけの運転手に。仕事は欲しいが臆することなく、無理なことは無理と言う。
車の中、会話のユーモアとタイミング。フライドチキンは自然に返すが(車から投げて!)、アルミ缶は
バックして拾わせる。そしてトニーの妻への手紙はシャーリーの添削のお陰で、すてきなラブレターに。
トニーとシャーリーの心が近づいていくかのようで、駄目なことは駄目と言う、ちょっとした表情の変化や目線、手の動き。
内心、差別心満載なのに不本意ながら黒人の運転手になり、何かと反発していたトニーだが、ドクター・シャーリーのピアノ演奏を聴き、尊敬していく様。とにかく一つ一つの会話と表情が飽きさせない。
演奏旅行中、互いの理解が進んだがために、逆に距離が広がることも。
それでもいつの間にかシャーリーのピアノ演奏に魅せられ、トニーはシャーリーを大切に思う。シャーリーはトニーの言葉遣いに駄目出しをする。でもケンタッキーフライドチキンは食べた。そして気に入った!
シャーリーのピアノには手が止まる。楽しい。心が解放される。音楽は気持ちを軽くする。
日本語訳はとても的確で作品を楽しめたけれど、この英語を聞き取れたらもっと・・・。
1回目も録画を何回か見たけれど、2回目は感想が増えた。シャーリーの「男でも女でも、黒人でもない。俺はいったい何者なんだ」と。トニーも自分は黒人以下だと心の奥底に隠していた本心をさらけ出す。
ジェンダー・アイデンティティと表記することが決まったLGBT法案。歴史的に多くの人が悩み苦しんできていたこの問題。わたしも理解と気持ちが進む。黒人、白人、アジア系、男、女、LGBTの区別でなく、人として。
『才能だけでは十分じゃないんだ。勇気が人の心を変える。』
同意する勇気、同意しない勇気、断る勇気、我慢する勇気・・・
最後にみんなで Merry Christmas❕