知者不言。言者不知。
人生、下り坂にさしかかってからというものの、何かを述べたい、箴言を伝えたいなどという気持ちがしぼんできた。
「色即是空 空即是色」であるからして、私というフィルターを通して、他者へコミットするようなことは、何一つない。そのような気持ちに達した。
その人には、その人なりのフィルターでもものごとをとらえている。そして、価値観なり、誇りなりを持っている。その人がこころの奥底から幸せかどうかは別にして。
きっと同じものを見ても、その人のフィルターと私のフィルターは違うのだから、とらえかたは異なるし、感じることは同じではない。
フィルターを外して、ただそのものだけを見るとき、つまり、色即是空 空即是色の心境で無分別の見方をするとき、とらえかたや価値観の相違など問題ではなくなる。
そう。度一切苦厄なのである。
この境地に達すると、文頭にある通りに、何を伝えようという気持ちが消失する。
知る者は言わず。言う者は知らず。
この言葉が身に染みる昨今であります。
でも、生きることの苦しみを味わっていて、助けを求める人がいるのならば、その人にとっての救いになる言葉をさりげなく届けたいと思っています。
さんざん生きる苦しみを味わってきたから、その苦しみを自分のことのように理解できるし、苦しみから解放された経験から、苦しみを減らせると思っています。
とっつきにくいわたしだと思いますが、何か気になる悩みごとがあったら、気軽にコメントくださいね。
だいじょうぶ。
涼しい秋の風が流れ込む小豆島より。