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第三のがん(大腸がん)④

【31歳(2007年)冬頃】

血管事情

私は、とても針が刺さりにくい血管の持ち主だ。血管自体が細い上に、針を刺すと血管が「逃げる」らしい。
前回入院時も、一回で針が入ることはほぼ無く、血液検査や点滴で針を刺された回数は失敗含め100回近くにのぼってたと思う。

今回の入院も例に漏れずだ。何回も違う看護師に変わっては失敗し、どうしても刺せない時は医師がやってきて何とか刺してくれる。その繰り返し。
手術してからの肺炎で食事はあまり摂れていなかったので、腕からはずっと点滴でブドウ糖を流し込む日々。

でも、すこーしずつ、食べられる量も増えてきて。

あ、だいぶ通常運転に戻ってきたかな。
そう思えてきた頃。


兆し

ご飯は確か、お粥を卒業して普通の白米になってたと思う。その日は家族がお見舞いに来てくれて、病室で楽しくおしゃべりしていた。
ふと、お腹の痛みを少し感じた。
ま、腹痛なんて良くある事だし、その内治るやろ。
そう思って痛みが治まるのを待つ。
でも、痛い。なんかずっと痛い。
冷や汗が出る程の痛みではなかったけど、便を出したいのに出ない時みたいな痛みが続いて。
2時間くらいは経ってたかな?耐えかねてナースコールを押した。
レントゲンが撮られ、腸閉塞になっている事が明らかに。

おおぅ。


腸閉塞

とにかく腸の動きが止まってるもんだから、胃液が腸へ流れていかない。それを解消する為に、鼻から胃液を吸い出す為のチューブが入れられる事になった。
これがかなりの拷問で。
意識がある中でその施術が行われたので、嗚咽と吐き気、痛みで医師達が鬼に思える程だった。
はよ終わってくれー!ひたすら耐える、耐える。
そしてチューブは無事入ったが、鼻に異物が詰まってる感じは不快でしかない。
この頃は起き上がって何かをする気力も体力も無かったので、ひたすらチューブから深緑色の液体(多分胃液とかの色?)が流れていくのを見ていた。

こんなものが身体の中を流れているのか。生物って不思議。

チューブさんさようなら

チューブが入ってたのは、どれくらいの期間だったのだろう。正確には覚えていないけど、とても長く感じられた。多分1週間くらい?
レントゲンで腸の詰まり具合を何回も確認し、腸閉塞が解消されたタイミングでやっと抜けたんだったと思う。
それと同時期に、また重湯から食事が再開された。

ふぅ、やっと1つ管から解放された。あとは食べて回復するだけ!
ん?食べ、食べる…?








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