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第三のがん(大腸がん)⑦

担当は嫌だ

前述したが、私の血管は針が刺しにくい。その事実は看護婦間でも浸透していき、明らかに誰もが私に針を刺す事を嫌がる様になっていた。
たけど私はずっと食事が摂れず点滴を刺し続けていた。
そしてこの点滴の針、ずっと同じ場所に付けっぱなし、という訳にはいかない。衛生上の観点から、定期的に針の位置を変えなければならないのだ。
この交換時期に私の担当になった看護師の反応たるや。ご想像にお任せします。
とにかく私の腕は、いたるところ青アザだらけだった。

そしてトイレの話でも書いたが、この病院の衛生管理は疑問符が多かった。ここ、ポイント。

さらに私は鎖骨に栄養点滴の針も刺していた。この針は刺し変える行為は必要無かったが、常に清潔を保たなければならない。なので看護師が毎日消毒しにやってきていた。
素人目にもそんなんでええん?ってくらい適当な感じで。
まぁでも一応プロの人がやってる事やし、まぁ大丈夫なんだろう。

何でも疑心暗鬼になるのは、良くないよね。(自分に言い聞かせ)


念願の外出許可

腸閉塞から日にちも経ち、食べる事への恐怖も薄れていった。徐々に私は、ご飯を食べられる様になっていた。
ある程度食べられる様になると、食べることへの自信もついてきた。
私の身体は、少しずつ回復へと向かっていった。
私は病院の外へ早く出たかったけど、栄養面の問題、あと白血球がまだ回復していない等の理由から、なかなか外出許可はおりなかった。
悶々と日々を過ごす。食べられるものは食べて、漫画を読んだりゲームをしたり。そんな感じで時間をやり過ごした。そしてついに、念願の外出許可!!

嬉しい、嬉しいっ!


外出は楽しい!

まだ外をうろうろ出来るほど回復はしていなかったので、私の実家で1日過ごすという条件で外出許可を貰った。
久しぶりの実家。兄弟や彼氏さんも来てくれ、非常に楽しい時間を過ごした。そしてそういう時間はあっという間に過ぎるものだ。
私は家族と一緒に母親が作ってくれたおでんを食べ、病院へと戻ってきた。

楽しかったな。早く退院したいなぁ。


暗転

病院に戻り、寂しさを抱えつつベッドに横になる。
その時、異変が起こった。
急にムカムカして、私は吐いてしまった。直ぐにナースコールを押し、看護師がやってきた。その後も数回吐いた気がするが、あまり覚えていない。私は意識を失った。

次に目が覚めたのは、明らかに普段の病室ではない場所。照明がやけに眩しかった。
家族の覗き込む顔が見えたので、どういう状況なのか聞こうと思った。
あれ?声が出ない。話したいのに、声帯が動かない。どうなってるの?後で聞いた話だと、この時人工呼吸器を付けられていて、声が出なくなっていたらしい。
よくよく自分の状況を確認すると、どうも手足は拘束されてる?
何これ、何これ?


そして、暗転。

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