製造部門の改善に有効なIE技法とは
日本の製造業のお家芸とも言える『改善 KAIZEN』
工場内の3ム(ムダ・ムリ・ムラ)を科学的な技法で分析して取り除くことが一世紀前にアメリカでも生まれています。
それが IE インダストリアル・エンジニアリング です。
IEは、価値とムダを顕在化させ、資源を最小化することでその価値を最大限に引き出そうとする見方・考え方であり、それを実現する技術です。
日本にも取りいられてきた歴史ある改善の基本的な技法を学んで活かせるようになるといいですね。
具体的な手法にはどんなものがあるかまとめてみました。
1. 作業分析
作業分析は、仕事の流れや手順を詳しく調べ、無駄な動きや時間の浪費を発見して改善する技法です。
たとえば、工場でネジを締める作業があるとします。
この作業を観察すると、作業員が工具を取りに行くために余計な歩数を踏んでいることがわかるかもしれません。
このような無駄をなくすために、作業台の近くに工具を配置することで、作業の時間が短縮され、効率が上がります。
2. レイアウトの最適化
工場内の機械や設備、作業ステーションの配置を最適化することも重要なIE技法です。
これにより、作業員が無駄に移動する時間を削減し、生産性を向上させます。
たとえば、ある工場で、原材料が届く場所と製品を梱包する場所が遠くに配置されていれば、作業員は頻繁に原材料を取りに移動しなければならず、その時間が無駄になります。
原材料置き場を製造ラインの近くに移動させることで、作業員の移動時間を大幅に減らし、生産速度が上げることが出来ます。
3. 作業標準化
作業標準化とは、最も効率的で効果的な作業方法を決め、それを全ての作業員が一貫して行うようにすることです。
標準化されることで、作業のばらつきをなくし、安定した品質を保つことができます。
たとえば、工場で同じ製品を作っていても、作業員によって出来上がるスピードや品質に違いがあることがあります。
これを解決するために、ベストな作業方法を分析し、それを全員に共有することで、作業効率と製品の品質を統一します。
作業標準があることで、もし新人や普段作業していない人が作業をすることになっても、作業標準を教育・説明にも活用できます。
4. 自動化と機械の導入
製造工程の中で、手作業に頼りすぎている部分を自動化することも改善に役立ちます。
例えば、人手で部品を運ぶ作業をロボットやコンベアを使って自動化することで、作業スピードが速くなり、労働力を他の重要な部分に割り当てることができます。
また、自動化することで人為的なミスが減り、安定した品質を確保することもできます。
5. 5S活動
5Sとは、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の頭文字を取ったもので、職場環境を整え、生産性を向上させるための活動です。
工場や作業現場で物が散乱していると、必要なものを探す時間がかかり、効率が低下します。
5S活動を実施することで、職場が常に整然とし、作業がスムーズに進みます。
5Sは全てのベースとなるものです。
生産性向上はもちろん、安全な職場環境や品質向上にもつながる根源とも言える活動です。
まとめ
IE技法は、製造業において無駄を省き、生産性を向上させるために非常に有効です。
作業分析やレイアウトの最適化、作業標準化、自動化、5S活動などの具体的な技法を用いることで、時間やコストの無駄を減らし、より効率的な生産体制を作り上げることができます。
これらの技法は単なる技術だけでなく、現場の全員が一丸となって取り組むことで、より大きな効果を生み出します。
日本の製造業をより強く、盛り上げていきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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