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江東区 辰巳湯

私はここのサウナ室が好きだ。
サウナタオルを腰に巻き、サウナキーでカコっとドアを開ける。コンパクトで薄暗く、力強いサウナストーブが迎えてくれる。耳に入るは落ち着いたNHKと、ロッカーキーやストーブのパチパチ音。過不足無く自分と向き合える場所である。

私はここの導線が好きだ。
サウナ室横のシャワーを浴びたら浴室を通過しドアを開ける。半露天に出ると空気が変わり、そこには水風呂が待ち構える。その間たったの十数秒だが、急激な温度変化を緩和してくれる。

私はここの水風呂が好きだ。
ついに深くなったが、足を伸ばせる橋の下は健在。暑い時期なら自分で氷をガラガラと投入すればいい。塩素の香りも清潔で安心な銭湯の証、ノスタルジックな気持ちを誘ってくれる。


パンデミック中に進化を遂げたこの銭湯はどれだけの努力をされたのだろう。(お絵描きされた)背中でサウナの指南をしてくれた私の導師達はお元気なのであろうか。あの辛い時期にもここのサウナに通っていれば私は自分に負ける事はなかったのではないか。
外気を浴びてととのいながら、そんな事を考える帰路であった。

ありがとう、辰巳湯。

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