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物流DX展

毎回感じること

国際物流展やこれらの物流展示会に足を運ぶために感じること。

どんなに大層な仕掛けを作っても結局人間の手や目や意志が大事。結局は人です。

例えばだけどこんなオペレーションがあったとします。
①荷主からの入荷情報が前日にシステム上にUpされる
②倉庫は入荷情報を取り込み、倉庫のシステムにUp
③商品が入荷し、トラックの荷台が解放され、自動フォークリフトがパレットを下ろし、コンベアに載せる。
④入荷ゲートを通過し、パレットに積載された個々のカートンに貼付されたバーコードを読み取り。そのデータがシステムに反映され、入荷検品が完了。
⑤ゲートを通過したパレットは高さや重量などを検知され、適正なロケーションに自動的に棚入れされる。
⑥棚入れ完了後に倉庫システム上の実績更新がなされ、荷主のシステムと連携。倉庫システム、荷主のシステムに在庫として反映。
⑦荷主が出荷情報をシステム上にUp
⑧倉庫システム上に引き当てがかかり、出荷ゲートを通過し、バーコードを自動で読み取り、出荷データが倉庫システムに反映され、出荷検品が完了。
当該のパレットがロケーションから排出され、バースに接岸されたトラックに自動フォークリフトで積み込み。
⑨満載になったトラックは出発。倉庫システム上から在庫は落とされ、荷主のシステムとも連携。両者のシステムから在庫が消える。
⑩出荷実績として両者のシステムに反映。荷主のシステム上では納品先への請求書が作成され、倉庫のシステムからは荷主に対して物流費用の請求が成されて完了。

これが現在考えられる。最も現実的な省人化オペレーションです。

しかしながら出荷の形態が、インナー(バラ)で出荷されることを荷主が求めてきた場合、カートンを開けるいわゆる「バラシ」の作業が発生。
仮に自動開梱機が存在し、①開梱→②ロボットアームで商品を吸着→③吸着した商品をロケーションに保管。こんなオペレーションが存在した場合
さらには、開けたカートンを一つにまとめる作業や、それをまた回収する作業。そこからロボットアームからこぼれた商品を戻す作業は人間の手が必要。

では、出荷元が段ボールではなく、専用のBOXなどに梱包し、出荷すれば段ボールを開梱する作業がなくなるのではないか?それが折りコンで上記の運用を行う場合、①はいらなくなるし、カートンを一つにまとめたり回収したりする手間はなくなるよね。そういうのも全自動化すればいいんじゃないか?

完全全自動の倉庫作るなら多少人間の手が入る倉庫の方がコスト的には安いでしょう。

様々な機械やシステムが物流DX展では並んでいましたが
最終的には人間の手が何らかの形で必要で、それをどう生かすかについても考えるのはやっぱり人間だったりします。運用としてどこで機械を生かすのか?導入することでランニングコストは人件費は採用はなど生かすことについてのメリット。部分最適ではなく、全体最適になるような運用を考えるのも人間です。
生かすためにどうするか?の視点。自分の倉庫に導入した場合どんな効果(シナジー)があるのか?企業の物流担当者には検討することが必要です。

一方でもう一つ考えたことがあります。
果たして荷主がこれらのことに対してどれだけ関心を寄せ、参加したのか?
参加して何を感じたのか?

自社でECを行っている企業についてはある程度の関心を持って参加した企業は少なくないと信じたい。成長し出荷する件数が増え、倉庫が人の確保に苦しんでいる中で、近隣倉庫が人員確保のために時給を増やし、それだけではなくエネルギー費の高騰も叫ばれるため、物流費の高騰に頭を抱えている荷主も多いことでしょう。
しかしながら、倉庫の人員確保やエネルギー費用の高騰は所詮「倉庫の仕事」だと割り切っている荷主も多いことは確か。恐らくそんな企業は物流展など興味ない会社がほとんどではないでしょうか。

こういう人たちが危機感を持ってないとまだまだ物流は変わらないし
こういうイベントの開催意義などないに等しいように思えます。

結局荷主をどう動かすのか?
その答えが見つかってない以上
まだまだ課題は多いのが現状かもしれないです。


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