Z世代が選んだのは⏹️⏹️市📊人口移動報告で見る10-24歳全国区市町村転入者数ランキング📊速報
2022年1月28日、総務省より2021年(令和3年)の住民基本台帳人口移動報告が公開されました。これは人口増減のうち1年間の出生・死亡という自然人口増減を除いて、いわゆる引っ越し(転入・転出)という社会増減を集計したもので、高齢化社会にあって出生数より死亡数が多くなってしまうのは地域を問わず仕方ありませんが、社会増減は地方自治体の政策の良し悪しや発信力にも関わる部分であり、関連する公務員における仕事の成果のひとつとして検証する必要があるように思います。
みなさん、こんにちは。「公務員のためのSNS・動画・HP新しい広報の教科書」著者で元四條畷市役所マーケティング監の西垣内渉です。今回は今回公表された各種データをどう生かせば来年度以降の政策やシティプロモーションの方針づくりに有効となるかを事例に基づき提案いたします。今回はマーケティングで注目されている「Z世代」にフォーカスします。Z世代とは、1997年〜2012年生まれ(前後)とされており、デジタルネイティブであると同時に義務教育時にSDGsや環境保護等も教育プログラムに取り入れられていることが特徴です。
Z世代全国区市町村転入者数ランキング上位50(2021年、カッコ内は2020年比)
大阪市 49912 ( 131 )
横浜市 46008 ( -357 )
名古屋市 34361 ( -669 )
福岡市 32216 ( 51 )
札幌市 29537 ( 67 )
川崎市 26405 ( 93 )
京都市 21005 ( 506 )
仙台市 18119 ( 296 )
神戸市 17498 ( 407 )
さいたま市 17212 ( -298 )
世田谷区 15433 ( -496 )
広島市 14302 ( -28 )
大田区 12569 ( -1236 )
千葉市 12230 ( -383 )
杉並区 11874 ( -277 )
板橋区 11665 ( -188 )
練馬区 11663 ( -916 )
北九州市 10921 ( -104 )
新宿区 10663 ( 222 )
足立区 10151 ( -123 )
熊本市 9811 ( 48 )
江戸川区 9531 ( -529 )
中野区 9029 ( -414 )
船橋市 8569 ( -36 )
豊島区 8565 ( -196 )
岡山市 8511 ( -185 )
八王子市 8508 ( 459 )
相模原市 8068 ( 170 )
江東区 7725 ( -9 )
浜松市 7668 ( -85 )
市川市 7537 ( -595 )
北区 7373 ( -97 )
川口市 7300 ( -549 )
堺市 7274 ( 138 )
新潟市 7111 ( 65 )
葛飾区 6909 ( -176 )
品川区 6754 ( -321 )
静岡市 6288 ( -32 )
鹿児島市 6017 ( 175 )
松戸市 5745 ( -202 )
横須賀市 4812 ( -187 )
目黒区 4804 ( -292 )
吹田市 4763 ( 380 )
宇都宮市 4709 ( -36 )
文京区 4694 ( 150 )
柏市 4650 ( -195 )
渋谷区 4577 ( -54 )
金沢市 4505 ( 146 )
町田市 4447 ( 286 )
東大阪市 4439 ( 112 )
全年齢で転入者数トップだった横浜市はZ世代で2位となり、全年齢で2位だった大阪市が全国1位となりました。ベスト10を俯瞰すると、Z世代も全年齢も顔ぶれは同じだったということで、大同小異の結果と言えるかもしれません。
前年比で見ると、大阪市、福岡市、札幌市、川崎市、京都市、仙台市、神戸市と川崎以外の諸都市で増加、関東圏の都市では減少、と傾向が二分していました。コロナ禍もあり、首都圏への一極集中が緩和され、地方大都市への分散・平準化という流れが今後生まれていく分岐点にあるかもしれない変化と言えます。
続いて、転入者数から転出者数を引いた転入超過数のランキングです。
Z世代全国区市町村転入超過数ランキング上位50(2021年、カッコ内は2020年比)
大阪市 14031 ( -707 )
川崎市 9074 ( -378 )
横浜市 7927 ( -566 )
福岡市 6754 ( -378 )
名古屋市 5594 ( 32 )
世田谷区 5105 ( -181 )
大田区 4763 ( -1116 )
札幌市 4312 ( 129 )
杉並区 4258 ( -37 )
板橋区 3741 ( 92 )
京都市 3128 ( 325 )
仙台市 3123 ( 194 )
足立区 3069 ( 78 )
江東区 2828 ( 192 )
中野区 2823 ( -65 )
さいたま市 2821 ( -437 )
品川区 2781 ( -598 )
練馬区 2685 ( -597 )
新宿区 2551 ( 1089 )
墨田区 2268 ( 498 )
市川市 2244 ( -491 )
豊島区 2242 ( 592 )
北区 2182 ( 116 )
船橋市 2042 ( 23 )
葛飾区 1956 ( -103 )
渋谷区 1799 ( 128 )
八王子市 1638 ( 1278 )
目黒区 1632 ( -282 )
川口市 1509 ( -621 )
港区 1457 ( 218 )
相模原市 1384 ( 543 )
文京区 1371 ( 432 )
江戸川区 1344 ( -288 )
千葉市 1343 ( -498 )
台東区 1267 ( 257 )
つくば市 1087 ( 162 )
調布市 1020 ( -240 )
松戸市 993 ( -110 )
神戸市 958 ( 500 )
中央区 925 ( -21 )
三鷹市 850 ( -35 )
立川市 835 ( 149 )
武蔵野市 758 ( 41 )
国分寺市 720 ( 12 )
大和市 706 ( -30 )
吹田市 703 ( 240 )
川越市 694 ( 60 )
浦安市 673 ( -305 )
町田市 662 ( 289 )
戸田市 658 ( 64 )
全年齢ではさいたま市、横浜市、札幌市がベスト3だった2021年の転入超過数ランキングでしたが、Z世代に限っては大阪市が唯一の1万人超で全国1位、2位には川崎市が入りました。大阪市の全年齢の転入超過数は7893人だったことからも、Z世代への訴求力の強さがうかがえます。前年より100人以上超過数が改善したのは札幌市、京都市、仙台市、江東区、新宿区、墨田区、豊島区などでした。このあたりの都市は次世代に選ばれやすい場所として、政策や立地、インフラの状況などを参考にすべきかもしれません。
このように、前年比の変化という切り口ではどれだけ政策や発信力が高まったかを一律に見ることができるため、これから総合戦略や人口ビジョンを立案する担当の方や、各地の行政をさらに向上させたい地方議員さんにとってはこのランキングに挙がっている区市町村のまずはWebサイトやSNSをフォローしてみるのはいかがでしょうか。
今回はZ世代に限った転入数・転入超過に焦点を合わせましたが、全年齢の都道府県別のランキングや、転入数から転出数を引いたいわゆる社会増・転入超過数のランキングもご用意していますので、そちらもぜひご覧ください。
ちなみに「公務員のための新しい広報の教科書」「中小企業・個人事業主のための新しい広報の教科書」もぜひご参考になれば幸いです。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。