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四條畷市長選挙は誰が勝ってどう変わる?2024年12月22日の変【選挙前考察】
大阪府四條畷市(しじょうなわて)では2024年12月22日に四條畷市長選挙・四條畷市議会議員補欠選挙の投開票が行われます。市長選挙にはぜにや翔さん、渡辺ゆたかさんが立候補し、3回連続の一騎打ちとなりました。
今回の選挙の特徴
国内で8年ぶり!電子投票
今回の選挙では全国でも8年ぶりとなる「電子投票」が行われます。16日から期日前投票が始まっており、有権者は投票所で専用のタブレット端末で1票を投じているとのことです。
「電子投票」は、地方自治体が条例で定めれば地方選挙に導入でき、総務省によればこれまでに全国10の自治体で実施されましたが、機器の不具合などのトラブルが相次いだことなどから、2016年を最後に行われていません。
四條畷市は、職員の負担軽減につながることなどから、ことし8月に条例を制定し、15日に告示された市長選挙では、全国でも8年ぶりとなる「電子投票」が行われることになりました。京セラの電子投開票システム「デジ選」というシステムだということです。これが大きなトラブルもなく行われメリットが共有されれば他市町村でも見習われる令和の前例になるかもしれません。
現職市長が後継者を公募
今回の市長選挙をめぐり、現職の東修平市長が民間の求人サイトを通じて自身の後継者を公募したことが話題になりました。
人材サービス会社「エン・ジャパン」の求人サイトを通じて公募で選んだ元国連職員の男性を最初の後継候補者として発表しましたが、男性が体調不良で立候補を取りやめたことから、再度、応募者の中から選考を実施、それがぜにやさんです。
28歳で市長になった人物が36歳で職を辞し後継を求めることには衝撃が走りましたが、政治にチャレンジする若者を増やしたいという本人の思いを体現する形となりました。
選挙の勝敗ライン
投票のできる人の人数
四條畷市によれば、今回投票できる人の資格として、
1.四條畷市に住む日本国民で、住民基本台帳に記録されていること
2.平成18年12月23日までに生まれた人
3.令和6年9月14日以前から住んでいる人、または、その日までに転入の届出をした人
と明記されています。四條畷市ホームページから11月末の人口統計をダウンロードして18歳以上を数えたところ、46019人となっています。これが上記投票有資格者の概算値となります。
過去の投票率は
過去4回の四條畷市長選挙の投票率を見てみると、
2020年:44.45%
2017年:42.18%
2013年:43.39%
2010年:47.67%
でした。ここから推計すると、実際の投票者数は19400〜22000人ほどと予想されます。そのうち市長に選ばれる人は過半数を取れば良いわけですから、9700〜11000票が最低限獲得すべき票数となります。
過去の結果からの推測
過去4回の四條畷市長選挙での当選者の獲得票数を見てみると、
2020年:12970票
2017年:10659票
2013年:11131票(3人立候補)
2010年:6358票(4人立候補)
でした。今回も過半数を苛烈に目指す小差の戦いになることが予想されます。
2人の候補者の共通点と違い
共通点
今回立候補したぜにやさんと渡辺さんは2人とも四條畷市で生まれ育ち、高校までは住んでいたものと推測されます。そのため地縁や地元感覚というところでは差異を見出しにくいと言えます。
また、2人とも公務員を経験していたという点も共通します。ぜにやさんは市役所職員として、渡辺さんは市議会議員として四條畷市を支えてきた実績があります。
最後に政治スタンスですが、ぜにやさんは現職市長の後継候補ですから、これまでのやり方を踏襲することが容易に想像できます。渡辺さんはどうかと言えば、これまで市が上程してきた議案の多くに賛成の立場であり、こちらも大きな変化はないものと思われます。ただし、公共施設の再編については市の考えと違った視点での質問実績があり、一部の政策で進め方に変化が生じる可能性を残しています。
違い
ひとつは年齢的な違いが挙げられます。ぜにやさんは現職市長と同じ年齢の36歳、渡辺さんは50歳です。10数年において社会人歴の長短があるという点が異なります。
また、同じ公務員といっても片や市役所職員として実務を行っていた人、その実務に対して質問・提言等を行う役割の市議会議員は役割が異なります。渡辺さんが市長になれば初めて市職員の統率者としてマネジメントに臨むことになります。
もうひとつ、2人には特筆すべきスペシャリティが全く異なります。ぜにやさんはバドミントンで日本代表になるなど、スポーツで第一線の活躍を見せてきました。一方で渡辺さんは税理士事務所を経営し税・お金に関してはプロフェッショナルであると言えます。
誰が市長になるのか、そして何が変わるのか
今回の選挙では候補者2人とも異なった強みをそれぞれに持っており、どちらが市長に当選しても四條畷市をよりよくしようという流れは止まらないでしょう。
また、選挙では市政を方向づけるリーダーが決まるわけですが、実務を行うのは300人以上の職員であり、そのことは選挙前後で変わりません。職員の皆さんのモチベーションをどのように焚き付けてパフォーマンスを向上させるか、これが市政の前進には不可欠だと考えます。どちらも市長になるのは初めてですから、将来の可能性・伸びしろにおいてより信じられる・夢をみられる人が多く票を得ることになるでしょう。それを今どちらか断ずる材料は誰も持ち合わせていないのではないでしょうか。
2024年12月22日、誰が四條畷市長になるのか、そしてその先を注目しましょう。
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