1位は東京、2位は?2021年都道府県別転出者数ランキング📣総務省人口移動報告より📣順位上げてしまった県は課題認識を
2022年1月28日、総務省より人口移動報告(速報)が公開されました。これは1年間の出生・死亡という自然人口増減を除いて、いわゆる引っ越し(転入・転出)という社会増減を集計したもので、高齢化社会にあって出生数より死亡数が多くなってしまうのは地域を問わず仕方ありませんが、社会増減は地方自治体の政策の良し悪しや発信力にも関わる部分であり、関連する公務員における仕事の成果のひとつとして検証する必要があるように思います。
みなさん、こんにちは。元四條畷市役所マーケティング監の西垣内渉です。今回は、都道府県別にどれだけ他県へ転出・流出してしまったかにフォーカスし、ランキング化してみました。
2021年都道府県別転出者数ランキング(🔺前年比順位アップ、🔽ダウン)
※このランキングでは順位を下げたほうが良い結果となります
東京都 414734
神奈川県 204313
大阪府🔺 162387
埼玉県🔽 161876
千葉県 143513
愛知県 123170
兵庫県 96933
福岡県 96477
京都府🔺 60884
静岡県🔽 60507
茨城県 54551
北海道 54493
広島県 52551
宮城県 46780
栃木県 36847
岐阜県 35023
群馬県🔺 34140
三重県🔽 33457
岡山県 32419
長野県🔺 31331
福島県🔽 30769
熊本県 29854
滋賀県🔺 28439
新潟県🔺 28143
鹿児島県🔽 28000
長崎県🔽 27489
沖縄県 27051
奈良県 25887
山口県 25254
愛媛県🔺 21412
青森県🔽 21141
大分県 20731
石川県🔺 20226
岩手県🔽 19983
宮崎県 19620
香川県 18592
佐賀県 17292
山形県 15765
山梨県 15281
富山県 14842
秋田県🔺 13812
和歌山県🔽 13796
福井県 12884
島根県 11908
徳島県 11322
高知県 10830
鳥取県 9931
昨年に続き東京都が40万人以上の転出でトップ(ワースト1)、2位の神奈川県までは順位が変わらずでした。昨年より順位を上げてしまったのは大阪府、京都府、群馬県、長野県、滋賀県、新潟県、愛媛県、石川県、秋田県の2府7県でした。順位を下げることができたのは埼玉県、静岡県、三重県、福島県、鹿児島県、長崎県、青森県、岩手県、和歌山県の9県でした。残り29都道府県は順位を変えなかったということで、それほど大きく上下の変動が生まれないのがこのランキングとすると、順位を下げた県は政策等が評価されてしかるべきで、上げてしまったところはまだ向上できるポイントがあるのかもしれません。
本当に問題あるのは「転出者が増えること」
私は2017年〜2020年まで四條畷市役所でマーケティングを担当し、市への転入者と転出者に手続き時にアンケートをとらせていただいていました。ご協力いただいた皆さまには感謝申し上げます。その時に転入・転出それぞれの理由を選択式で聞いていたのですが、転出の理由においては「市が嫌になったから出ていく」というものはほとんどなく、就学・就職・転職・結婚などのライフステージの変化でその市から通えず仕方なく出ていくということがほとんどだったのです。ということは、出ていくことを防ぐアプローチはほとんど無駄であり、どうやって転入を増やすかを考えたほうが有益だということです。その点で、あまり転出数を気にする必要はありませんが、経年変化で著しくその数が増えたり、相対比較で順位が変わるというのは課題が顕在化したともとらえられます。
そこで、今回は転出者数が前年と比べてどんな変化があったかのランキングも公表したいと思います。上位に挙がったところは転出者数を抑えられたところ、下位になったところは転出傾向が強くなったしまったということが言えます。
2021年都道府県別転出者数増減ランキング
千葉県 -1846
愛知県 -1508
茨城県 -1272
兵庫県 -1104
熊本県 -1092
鹿児島県 -884
福島県 -681
山口県 -680
長崎県 -583
和歌山県 -544
栃木県 -527
青森県 -432
奈良県 -420
宮崎県 -409
三重県 -317
岩手県 -281
山梨県 -277
徳島県 -254
静岡県 -201
埼玉県 -142
島根県 -116
大分県 -35
石川県 -6
秋田県 32
佐賀県 62
岐阜県 72
高知県 76
山形県 131
新潟県 186
沖縄県 214
富山県 261
京都府 284
長野県 286
岡山県 293
滋賀県 340
鳥取県 349
群馬県 448
愛媛県 460
香川県 499
宮城県 509
福井県 828
福岡県 839
神奈川県 1115
北海道 1332
広島県 1534
大阪府 3180
東京都 12929
こちらによれば、1位千葉県から23位石川県までは前年よりも転出者数を減らすことができたと言えます。一方で、47都道府県で唯一の1万人超の転出者数増を記録してしまった東京都から24位秋田県までは転入者を増やしました。
個人的には前述のとおりあまり転出数に左右されるべきではないと考えますが、転出者の言い分が政策の改善への参考になる可能性はあることから、これらのランキングでどこがどんな傾向を示しているか、知っておくこともおすすめしておきます。
今回は転出数に焦点を合わせましたが、転入者数のランキングはもちろん、転入数から転出数を引いたいわゆる社会増・転入超過数のランキングもご用意していますので、そちらもぜひご覧ください。さらには政令指定都市の転入者数ランキング、転入超過数ランキングもあります。
ちなみに「公務員のための新しい広報の教科書」「中小企業・個人事業主のための新しい広報の教科書」もぜひご参考になれば幸いです。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。