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木曜深夜の古墳トーク【書き起こし①】

マニアな会話を盗み聴きするというスタイルの新しいラジオ番組「マニアな世界 カベミミ」で古墳マニアな話をしてきました。

古墳は電波に乗って♪♪

6月の毎週木曜深夜、電波やラジコに乗ってしまった古墳トーク。徒然なるままに書き起こししていきたいと思います。何故なら録音する術が無いから!(←)

登場人物については、詳しすぎるこちらを参照くださいませ♡

初回放送 6/3(木)深夜24:30~25:00

話し手3名(がちゃん、タニグチダイスケ氏、ひたすら古墳を愛でる会社さん)と番組キャラの耳子さんがマニア話を繰り広げる様子を管理人が聞いて突っ込みを入れるという構成となっています。


管理人 「古墳がテーマとか、不安しかないです。無いと思うけれどお勧めの古墳とか、古墳の思い出とかあればあればで、メールお待ちしています!」
メールの宛先は→ kabe@kbc.co.jp

がちゃん「この三人でしゃべったこと無いもんね。それぞれでは存分に古墳の話をしゃべっているけれど」

タニグチダイスケ氏(以降 タニグチ)「確かに」
ひたすら古墳を愛でる会社 宮野さん(以降 ひたこふ)「そうですよねー」

■古墳好きになったきっかけ/がちゃん

がちゃん「私にきっかけを与えたのはタニグチダイスケさんです。出逢った時に見せてもらった写真が、古墳の石室の中だったんですよ。古墳の中の写真を撮れるってことは、行けるってことだと思って、すぐに行きたいと興味が出たのだけれど、ネットなどで調べても行き方が良くわからない。」

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ちょっとメモ:Googlemapで古墳を検索すると「営業時間24時間」と出てきますが、そんなにウエルカムではないです。夜アブナイ。
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がちゃん「そこで、古墳に興味ありそうな友人を誘って、心強い案内役としてタニグチダイスケさんに付き添ってもらったうきは市の装飾古墳が最初の古墳です。

日岡(ひのおか)古墳に行った時に、1500年、1600年前に書いた絵をこの目で見られることに感動しました。しかも、見る方法が独特なんです。

古墳の中にある部屋、石室の天井石が落ち込んでいる状態だから、古墳の真上から覗きこむ形になっているわけですよ。古墳作った人は思いもよらないところから見られていますよね。
この古墳、上から石室内を覗き込むことは出来るけれど石室の中に降りて見る事は出来ない。近いけれど遠い。アイドルみたいな存在。」

管理人「アイドルって!!」

■古墳好きになったきっかけ/タニグチダイスケ

タニグチ「ざっくりいうと。エジプトからです。天神のデパートで黄金のマスクが展示される時に魅かれたのが2歳半。」

耳子「2歳半!」
タニグチ「それから、古代の本を親に買ってもらうようになって、日本にそういうものはないのか、と問うたら『古墳があるよ』と。連れて行ってもらったのが岩戸山古墳でした。まぁ、初めての古墳では無かったんですけれど。」

管理人「はじめてちゃうんかい!」

タニグチ「気づかずに、既に行っていた古墳が寺塚穴観音古墳だったんですよ。お宮参りとして行っていた寺塚穴観音が、古墳そのものだったんですね。岩戸山古墳に行ってから、改めて生活の一部にあったということに気づきました。」

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ちょっとメモ:日常の中に古墳があった!と気づき始めたら、
古墳沼への入口が開きます。
福岡だけでも約1万1千基見つかっていますからね…
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♪古墳へGO レキシ
古墳に行く前の高揚感が詰まった名曲です。誰かを誘って古墳へGO

 耳子「写真は、いつから撮りはじめたんですか?」


タニグチ「小学生になってから父親に買ってもらったカメラで写真を撮り始めました。写真家榊晃弘さんの写真集を見て、この人の画角を真似しようとおもって…


がちゃん「小学生で、写真の画角を真似する!!!」


タニグチ「途中写真をさぼった時期もあるけれど、ここ10年ぐらい改めて頑張ろうと。今では、古墳の本の写真を担当させてもらったりしています」


がちゃん「タニグチさんみたいに、古墳の写真を撮り続けている人ってあまりいないよね?」

タニグチ「写真だけという人は少ないかもしれませんね。映像、ドローン、3Dを併せてしている方はいらっしゃいます。私は、とにかく二次元にこだわりたいんですよね」

がちゃん「タニグチさんの古墳写真は、実際の石室を越えるんですよ。石室の感動を思い出させる…って、国造さんも言っていました!」

タニグチ「いやいやいや、そんな!あ、国造さんには仰っていただきますね…」

がちゃん「古墳写真家1本で食べていってほしい!記録写真とは違う石室の空気、雰囲気を二次元の世界に表現するタイプの写真家さんだと思うんですよ。市町村から挙って『撮ってください』って言われるようになってほしい」

タニグチ「最近、そういうこと(市町村からの依頼)も増えてきましたね」

ひたこふ「全国、いろいろな石室を取っていらっしゃいますよね。」

タニグチ「全国をバイクで周っているので、北海道式古墳から沖縄独特のお墓も見て回りました。」

耳子「全国をバイクで!」


がちゃん「全国を周っているタニグチさんだからこそ、いろいろな知識を教えてくれるんですよ。たとえば、九州の古墳だけを見て回っているつもりでも、だんだんと全国の古墳と繋がりが見えてくる。大阪の古墳と九州の古墳の被葬者が戦った仲だとか、石室の形に地域の繋がりが見えてくるとか。タニグチさんに聴いたらだいたい分かるし、聞いたことの何倍以上の情報が帰ってくるんです。」

管理人「タニグチさん、すげー!!」


耳子「どれくらいの枚数、古墳写真を撮っているんですか?」

タニグチ「ああ、よく聞かれるんですよね。年で言うと1万枚の写真は撮っていると思います。同じ古墳も何回も撮っていますが、フィルムからデジタルに移行してからは、通算10万枚は越えているはずです。いくら撮っても足りなくて、非常に悔しい思いをします。バカなのかもしれない。」

管理人「いい意味でバカなんだろうねぇ」

がちゃん「タニグチさんの写真を見て、行ってみたいと思って入った石室で感じた感想は、すごい!の一言だけで、それ以上のポイントを見つけられなかったんだけれど、見るべきポイントを教えてくれたのもタニグチさんなんですよね。」

がちゃん「あと、今既に見る事が出来ない古墳の写真も撮っている強さ!」

タニグチ「熊本地震などで、今も見る事が出来なくなっていく古墳が増えていますよね…」

がちゃん「だからこそ、タニグチさんの古墳写真の積み重ねは本当に貴重ですよね」

♪  エレファントカシマシ 生命賛歌
エレカシ宮本さんが、埼玉県のさきたま古墳群、吉見百穴からインスピレーションを得て作ったという曲。かっこいい。被葬者や古代人の想いがビシビシ伝わってくるような不思議な感情になります。

■古墳好きになったきっかけ/ひたすら古墳を愛でる会社

ひたこふ「私は5年前に写真で見る万葉集で『キトラ古墳』の壁画が出て来て、そこから頭から古墳が離れなくなって、これはどうしよう。福岡で見られる古墳を見に行こうとなって見つけたのが今宿大塚古墳でした。電車で行けそうな場所だったので見に行って、ああ、好きだなぁと、深くハマっていきました」

管理人「はー。大人になって見たら違うのかもね…」

ひたこふ「古墳を好きだという気持ちが抑えられなかったので、ちょうど友人から持ち掛けられたフリーペーパーに古墳の小説を書いたり、もともと革職人なので、古墳グッズを作るなどしている中で、お二人に出逢いましたね。」

耳子「会社は、いつ作られたんですか?」

ひたこふ「ひたすら古墳を愛でる会社は3年前に作りました。主に考古グッズを作ったり、古墳や博物館に行った時のことをSNSで発信しています」

耳子「売れています?古墳グッズ」

ひたすら「今はまだ、これ一本で食べて行けるというほどではないけれど、意外に反応があるんですよね」

タニグチ「古代フェスもそうですし、作品を作るスピード感が凄いですよね」


がちゃん「そう、スピード感が凄い!一緒に古墳を見に行った数週間後くらいに、そこで見た出土物をモチーフを制作していてびっくりすることがたくさんある」

ひたこふ「速さだけが取り柄なんで!」

がちゃん「古墳好きからではなくて、一般的に見てみたら絶対売れないだろうなっていう古墳作品あるよね」

ひたすら「そもそもがあまり売るつもりでやっていなくて、自分が面白い、楽しいをベースにやっているので…」  

管理人「うーん、アーティストだね」

がちゃん「その面白い、楽しいが届く人にはちゃんと届いている。気づく人は気づいている。今年の初めに 出張古代フェスを開催した時の売上と分かりにくさもダントツ。そうそうあのコインケースも!パン状…縄文時代の人が食べていたであろうパンのようなものが出土しているアレ…」

ひたこふ「縄文時代に出土したパン状炭化食品をコインケースにしたんですけど、当時食べたかったであろうパンをキャメルの革で表現して、裏は焦げちゃって炭になってしまったパン状食品。~理想と現実~というサブタイトルをつけたんですよね」

がちゃん「オンライン販売だったし、伝わるかな?これ売れるかな?と思っていたら、売れた」

ひたこふ「絶対売れないだろうと思っていたけれど売れた」

がちゃん「分かりにくさたるや。なんだけれど、面白がってくれる人がちゃんと見つけてくれて買ってくれる。そこに意味があると思うんだよね」

管理人「そこに意味!!?」

がちゃん「短甲のハンコたてもあったね。確か古代フェスの時に作ったんだよね」

ひたこふ「そうですそうです。古代の人の甲冑(かっちゅう)。古代フェスの1日目にアイデアをいただいてその日のうちに作ってイベント2日目に完成させました」

がちゃん「古代フェスに、だんだん学芸員さんや考古学者さんなどの考古プロの方が来場してくださるようになった頃で、作家さんと考古プロが直接やりとりをして、形になるというドラマを見ることが出来て、泣けた…」

管理人「泣くの?!」

ひたこふ「もう、楽しくなってハイになって作っちゃう。いつもそうなんですよね。この短甲のハンコ立ては3回くらい試作を重ねました。パーツをかさねて…」

管理人「古墳だけに深堀り。また来週!」

1基でも多く古墳を巡りたいです。毎年開催している古代フェスで、更におもしろいことを企画する活力になります。