【悪役】帰ってきた素晴らしき悪役列伝 第14回 「ジョーカー(北斗の拳)」
アニメ「北斗の拳」に登場。
関東を支配するKING軍の副官であり右腕。
「ヒヒヒ…」という独自の笑い方をして、トランプを巧みに操る小男で一見狂人のようにみえるが実は冷静であり、KINGの支配者でありその名の通り王であるシンに対する忠誠心もホンモノである。
その役割は諜報・策謀・偵察・・・となんどもありでまさにトランプのジョーカーである。
原作ではシンが行っていたハート様をキレさせる役割も彼が担っており、ジャッカルにデビルリバースの存在を教え策謀を吹き込んだり、と様々な策を練りケンシロウを苦しめていた。
実力は低くはないが、決して真正面でケンシロウとかち合うことは避けて通っていったあたり他のKING軍のメンバーとは比較にならない冷静さ・打算さをもっている。
ケンシロウにことあるごとにかち合うものの、ギリギリのところでいつも逃げ切りKING編のクライマックスに至るまでなんとか生きていた。
恐らくシンの組織であるKINGがここまで巨大な組織になれたのは少なくともアニメ版では彼の能力があったからであろう。
ここまで書くと、頭脳派なだけの悪役にみえるかもしれないが実は実力もたいしたものがある。
使う拳法は素早い動きとともに残像とも分身ともとれる攻撃を繰り出す南斗翔天拳であるが、ケンシロウのような実力者の前でしか使わず、基本的には岩をも切り裂く威力をしたトランプを繰り出してケンシロウ得意の拳法を使わせないようにしていた。
その影響からかアニメのKING編はかなり話が多く、これだけの大組織を束ねるシンのすさまじさをかなり強大に描くことに成功していた。
ひたすら、ユリアに執心するシンに文句をいわず常に寄り添うその姿はどこかつつましさすら感じてしまう。
同じ部下のバルコム将軍はそんなシンにうんざりして謀反を企てるが、彼はそんな様子は一切みられなかった。泣ける男である。
性格は疑り深く、ケンシロウの死の報告をバルコム将軍より受けるが彼は信用せず自ら確かめに現地へと向かってしまう。
しかし、この用心深さこそ彼の命を早めてしまうことになってしまうのだった。
彼の思惑通りケンシロウは生きていた!!
驚きの声をあげ、のけぞるジョーカー。
そんな彼に対して、「どうしたいつものように逃げないのか」と煽るケンシロウ。
だが、彼も覚悟は決めていた。
恐れず騒がず、冷静に戦う意志を伝えるジョーカー。
「俺とお前は戦う宿命だったのだ!時は来たのよ!」
そういうジョーカーの前にケンシロウも戦闘モードに入った。
だが、やはりケンシロウは強かった。
彼の得意のトランプ攻撃は通じず、拳法すら通用せずケンシロウに残悔拳を喰らってしまうのだった・・・・。
だが、どうだろうか彼の強い意志をくみ取ったのか、悪党に慈悲がないケンシロウにしては珍しく、「メッセージを伝えるなら殺しはしないぞ」と慈悲をかけられるジョーカー。
(ケンシロウのことだから、恐らくシンの前についたと同時に爆死するようにしていた可能性も否定できない。)
だが、彼の心はつねにシンとともにあった。
「情けはいらん、殺れ(やれ)…。」
彼は誇りある死を選び、ペットのタカに自身がやられたことを伝えるカードを渡していつものような不敵なほほえみを浮かべてこういった。
「お前とKING様どっちが強いか、楽しみだな・・・・。」
なんと、最後の最後までケンシロウを嘲笑いながら爆死していったのであった。
北斗にありがちな最後は「俺もいいやつだったんだよー」的な泣かせがなくなおかつ悪役として非常に潔い最期を遂げた彼は北斗世界の中でも非常に珍しい存在ではないだろうか。
一番好きな北斗の悪役はジャギであるが、アニメシリーズを含めるなら断然彼が1番好きだ。
ちなみに声優は千葉繁さんであるが、いつものギャグキャラは一切なしシリアスな悪の副官を巧みに演じている。
陰湿性:B(ただ組織のために尽くしていた、とはいえ…心理的に誘導するなど悪辣なところはある)
頭脳:A(冷静沈着であり、様々な策略を練っている。)
強さ:B(KINGの事実上ナンバーツーの一人であるが、ケンシロウには及ばない)
主張:A(自身の主張はなし、KING様にお仕えするただそれだけ)
人望:A(シンからの信頼は絶大であった)
権力:A(KINGのナンバーツーである)