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惚れた男が殺人鬼だった!?「テッド・バンディ」をレビュー
全米で最も有名な連続殺人鬼の一人であるテッド・バンディと長年同棲をしていたフィアンセの愛憎のドラマを描いた映画「テッド・バンディ」を観てまいりました。
結論からいえば、まあ普通だったかな・・・という感想ですね。
普通殺人鬼を描いた映画というのは、殺人シーンのゴア描写が売りになるのですが本作はそういった即物的エンターテイメント要素は一切排除しているのが特徴的でした。
逆にいうと、そこが本作をビミョーな出来にしているゆえんだったりする。
どちらかといえばテッド・バンディの悪行よりも検察・警察のうさん臭さが露骨に強調されておりました。
検事役の俳優はカマキリ男って感じで見た感じ気持ち悪くしてたのがすごいこの映画自身への印象をかなり悪くしていたと思います。
主演を演じたザック・エフロンが30過ぎだけど初々しい見た目をしているのとは好対照にブサメンを連れてきてたんだろうな・・・とおもったら実際にカマキリみたいな見た目した検事さんでした。
ちなみにザック・エフロンはあんまり似てないながらも口と見た目ばかりの若いテッド・バンディをかなり胡散臭く演じている。
史実のテッド・バンディはそんなに男前じゃないっていうのが面白いよね。
市橋容疑者もイケメン犯罪者って有名だったけど、実際ただのロバだったっていうのが記憶に新しいと思います。
彼が弁護士が使えないからクビにして自分自身を弁護するというのが映画本編の見せ場になるんだけど、そもそも裁判長役がジョン・マルコビッチだからザック・エフロン扮するテッド・バンディは迫力負けしてるんだよね。
そりゃそうだ、マルコビッチを食うにはウィレム・デフォーぐらいの怪優じゃないと・・・・。
そういえば、他の観客がほとんど女性ばかりでした、こんな殺人鬼の映画普通にみにくるかね?
上記でもゴア描写・殺人描写はほとんど皆無っていってたけど、今作はあえてそれを避けているんだろうなっていうのがみえみえだった。
それをやるせいでテッド・バンディ自身が実は悲劇のプリンスだったのではという解釈も可能になってしまうのが本作の危険なところだよね。
本当なら終盤にもっと観客がドン引きするぐらい陰惨な殺人描写だったり、トラウマになるぐらい残酷なゴア描写をいれなきゃいけないのにそれを避けてしまっている。
そこが本作の肝だけど、個人的にはこれは危険だし倫理的にNGだよなと思う。
やはり映画の世界だけでも犯罪者は危険なんですよっていうのは周知しないといけないんじゃないですかね。
この映画をみたあと、多分テッド・バンディに同情するっていう人が増えるだけだと思うよ。
実際に映画観終わった後、泣いてた女性多かったもん。
ラストの殺人シーンで現実に戻した気でいるけど、実際に殺すところあっさりしてて印象に残らないと思うよ。
全体的に言えば