【特集】もう一度観たい、やばいB級映画 第6回 「バイオレンスレイク」【ネタバレ】
厳密にいえば本作ははたして、B級映画なのかそうでないのかといえば日本の市場的な扱いでいえば確かに低予算・ややマイナーという意味ではB級映画になるが・・・出ている俳優は意外と豪華だったり意外と知名度があるという意味ではB級とはいえない。
だが、定義的に本作はこの記事ではマイナーな映画配給会社からリリースされた映画ということでB級映画ということで位置づけをさせてもらう。
出演はガイ・リッチー監督の「シャーロック・ホームズ」シリーズでワトソンの奥さんを演じるケリー・ライリーとなんと、あのX-MEN新三部作でマグニートーを演じたミファエル・ファスベンダーだ。
つまり、かなり美男美女が映画のキャストとして出演しているのだ。誰かわからないという人がいるなら本作の画像を挿入して説明させてもらおう。
なんと素晴らしい美男美女カップルだろう・・・、この映画では彼女たちが主人公だが恐ろしくひどい目にあってしまうのだ。
どうですか?ちょっと見たいと思ってしまったでしょう?
人間とはおかしなもので、意外と不細工おっちゃんおばちゃんがひどい目にあうのは耐えられないがこういう美男美女がひどい目にあうのはめちゃくちゃ面白がるのである。
ハリウッドのホラー映画なんてごらんなさい、イケメンや美女がグロテスクな怪物にズタズタにされるのとみて「まってました~~~!」となるでしょう。
むろん中には「まあ!なんてこと!」「ひどい!」という人もいるだろう・・・だが、俺は美男美女がひどい殺され方をするとめちゃくちゃうれしいのだ。
本作もそんな邪悪な欲望をかりたてる、ある意味では恐ろしいリトマス試験紙のような映画である。
そして、巷では後味が悪いなどといわれているが・・・俺は意外と突っ込みどころ満載な映画なので茶化してレビューさせてもらう。
あらすじはこんな感じだ。
ケリー・ライリー扮する美貌の女教師はマイケル・ファスベンダー扮する美青年と恋に落ちていた・・・そして二人は週末に人里離れた山中にある湖でキャンプでもしながらイチャつこうみたいな話になる。
青年のほうは愛する女性にプロポーズする気だそうである。
周囲が羨むような美男美女である彼らは、さっそく週末になってキャンプ場へ向かうことになる。
向かった湖で裸になって泳ぐ彼ら、よくみると湖と呼べるほど大きくなくオマケに大阪の淀川みたいに汚いヘドロまみれの湖である。(なんでこんな場所選んでん)
しかし、ここでプロポーズすると決めてしまった以上離れられないプライドの高い青年だった・・・。
この後起きる惨劇や悲劇についてだが、ようするにこいつがしょーもないプライドに固執してるがゆえに起きるのである。結局世界中の喧嘩はそういうプライドの高いしょうもないアホがおこすのである。
するとそんな彼らの前に突如地元のクソガキどもが現れて絡まれる。
うわぁー・・・こりゃえらいことなりましたよ・・・・。
「お兄ちゃんたち、お熱いねえー!!」などといいながら煽ってくる地元のクソガキ連中、大音量で音楽を聴きながら踊り狂うのであった。
あー迷惑・・・こういう自己顕示欲の強いやつっているよね・・・。
最初はテキトーに「音小さくしてくれません?」といってやんわり諭すが、無視される。そりゃ、そうだろ。
それどころか、しつこく居座るカップルを煽るアホガキ連中。まあそりゃそうだろう。俺も何回かしたことがある。
すると、さっさとこんなところから逃げればいいのにアホ男はいらぬ正義感を働かせてくってかかる。
「さっさと帰れや」
「なんや、やんのかオッサン!」
ちょっとヤバそうな空気が立ち込めるが、「萎えたわ」とかいいながらガキどもは引き下がる。
ガキどもが消えたので、女とイチャイチャし始めるマグニートー。
ところが、次の日・・・なんと車が壊されていたのだ。
怒る青年、怖がる女・・・イヤーな気分である。青年はガキ軍団がやったのではないかと言い張りだす。具体的に描かれないがまぁおそらくそうなんだろう。
マグニートーなんだから磁力でなおせやなんていってはいけない。
そして、よせばいいのに青年は近くの民家にガキが乗ってたマウンテンバイクをみつけてしまう。そして、家の鍵は開いていた。この家の鍵を閉めないという描写は田舎あるあるであったりする。たまにありますよね、
「親に文句いってくる!」といわんばかりに家に不法侵入する青年、アホである。
散らかった家の中を歩きながら潜り込む青年、するとそこへ何かよくわからんが怒りまくったお父さんに遭遇しそうになってビビって逃げるのだった。アホである。
何も成果が得られなかった二人は湖に戻ってまたいちゃつき始める。いや、もう帰れよ・・・。
するといいムードになったので、青年は隠し持っていた指輪を渡してプロポーズしそうになる。ところがどっこい、女のほうは何かに気が付く。
「バッグない!!!」
なんとバッグには車の鍵とケータイがあったのだ、あーあいわんこっちゃない。
森の中で怒りながら、悪ガキを探す青年。すると悪ガキ軍団に遭遇してしまう。
「バッグかえせや!」
「なんやねんコラァ・・・。」
なんとびっくり、ガキはナイフを持ってました。あたりまえでしょ?
ビビる青年。こればっかやこいつは・・・。
もみあいになってうっかり青年は悪ガキ軍団のリーダーが飼ってた犬を殺してしまうのだった。
あーあ・・・これはやったらあかんことやってもうたよ。
そりゃあ飼ってるペットなんて自分の命より大事なもんを殺してしまったら、殺されてもおかしくないんやで?
号泣し激昂する悪ガキリーダー、あーあ・・・そりゃそうだ。もうこの時点で彼らの運命は決まったもんである。
なんとか車の鍵を盗むと、ごめんなさいも言わずに逃げ出すカップル。最悪である。はよ、場所帰ればこんなんならんで済んだのに。
しかし、車はなんとホラー映画のお約束が如くぶつかって大破するのであった。
青年はケガをして動けなくなってしまい、女は助けようとするがマウンテンバイクに乗りながら犬の仇を打とうとする悪ガキ軍団をみて先に逃がす青年。
青年はガキたちに捕まるが、女は何とか生き延びるのであった。しかし、気になった女はよせばいいのに戻ってきた。
するとボコボコにリンチされ、磔になってる青年がいた。
彼女は何とか助けようとケータイに電話するが、途中で悪ガキどもが戻ってきてみつかってしまうのだった。
青年も何とか逃げだし、森の中で再開しようぜみたいな感じになる。
必死になって逃げる女、途中で大けがをしたりしてボロボロになりながら森の中を全力疾走するのだった。
しかし、森の中なのでどこがどうなってるのかわからない女。
すると、悪ガキ軍団の中で浮いていたインド系の子とあってしまう。なんとか懐柔して仲間にしようとする女。いや、早く逃げなさい。
当然、ガキとつながっていたインド系の子は彼女を騙して連れてきてしまう。
気が付いたら彼氏も捕まっていた。
ガソリンをぶっかけられて殺されそうになるカップル、するとインド人の子も「目撃者は消さなあかん」といわんばかりにガソリンをかけて殺してしまう悪ガキのリーダー。
青年はロープで縛られて、キャンプファイアーみたいに焼き殺されてしまう。
しかし、死ぬ間際にロープを引きちぎり、女を助ける青年。
女は助かったので何とか逃げることに成功した、道中でガキに遭遇するが、偶然に何人か殺してしまうのであった。
リーダーの悪ガキは「仲間殺された~!!」みたいな感じで憤る。さっきインド系の奴殺しておいたくせになにをいってるのやら・・・という感じだ。
なんとか女は逃げ出して生き延びる、道中車をパクるがなんとそれもまた故障してしまうのだった。役に立たねーな!そんなんだから女の運転はっていわれるんだよ!!
民家をみつけて、何とか助けを求める彼女。家の中では複数の家族がパーティーをしていた。だが様子がおかしく、明らかにほかの家族たちは家の親父にびびっていたのだった。
中にいたおっさんに「なんかあったん?」みたいな感じで介抱される彼女、ソファーで寝させてもらうことになる。やったー、やったー!!助かったー!!
と、誰かが帰ってくる。
それはあの悪ガキのリーダーだった!!
悪ガキのリーダーは「仲間殺された!」みたいなことを言う。他の親たちは「警察よんだほうがいいよ!」みたいなことをいうが父親はㇺショ上がりであったらしく「警察なんかあてになるかアホ!俺が殺す!」と言い出す。
女は「やばい」と思って逃げようとするが、逃げることはできなかった。
一方部屋に戻った悪ガキはウォークマンで音楽を聴きながら、ケータイの映像を消していく・・・。
何者かの悲鳴があがるが、誰も何も気にしないのであった・・・。
というのがこの「バイオレンスレイク」である。
確かに後味が悪いが、ようするに彼氏がいらんプライドを働かせなければこんなことにはならなかったのにな・・・という内容である。
上映時間は短いが、やけに嫌なシーンが多くみているだけで嫌になってくる映画だったりするのだ。でも、それがいいんじゃないの!
やはりホラー映画は観る人間を嫌な気持ち・嫌な気分にさせてナンボなのだ。
この映画の監督であるジェームズ・ワトキンスは後に「ウーマンインブラック」というこれまた嫌な気分になるイギリス製ホラー映画を作る。こっちのほうは主人公はハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフだ。
美男美女がひどい目に合うのが大好きというサディストにはこの映画はおススメである。だって本当にひどいめにあうから。
そこは置いておいても一流のゴア描写とサスペンスで魅せてくれる中々いいホラー映画である、中古DVDがあれば容赦なく購入するだろう。