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【映画レビュー】サスペンス映画のお手本のような映画「アオラレ」
とうとう映画館が解禁となった大阪、少し有給をもらって休ませてもらってみてしまいました。
以前から何時になったら見れるんだと待ちわびていた本作「アオラレ。」
いやあ、面白かったですね。
もしかしたら本年度ナンバーワンの映画かもしれない。
いやあー怖い怖い。
だってこんな顔してブクブクに太ったラッセル・クロウに追いかけまわされるんですよ。あなた。
こ、こわっ!!!
本作のあらすじはいたってシンプルである、シンプルイズベスト。
ずぼらなシングルマザーの主人公(恐らく10代で息子を産んだっぽい)は息子と弟と弟も恋人の四人で仲良く生きていた。
しかし、本人のずぼらさのせいで仕事はクビになり、息子の学校に遅れてしまい、離婚弁護士(恐らく彼氏・浮気相手)の打ち合わせに遅れてしまい息子から飽きられてしまうのであった。
まるでミサトさんから白兵戦スキルをぬかしたようなダメ人間が本作の主人公であるが、渋滞にはまってさぁ大変。
もう約束に遅れるので焦りまくった主人公は前に止まっていた車に「さっさと行け!」と煽り運転をして追い越してしまうのであった。
ここが運のツキであった。
その相手こそがラッセル・クロウ扮するデブだったのだ。
しかもこいつは元嫁を殺して警察から追われている殺人鬼なのだ。
当初はラッセル・クロウも「ダメだよ、煽り運転なんて正しい運転の仕方勉強しなきゃ」「僕もストレスが溜まってるけど、堪えなきゃダメだよ。」みたいな感じで紳士的に対応していたのであったが、まあイライラしていた主人公は逆に煽りかえしてしまった。
丁度こんな感じである。
「は?しらねーし、おっさん黙れよ。」
「は!?(半ギレ」
このせいで完全にキレたラッセル・クロウは女を付け回すことを決意、こうしてキレたラッセル・クロウは女の関係者全員にねちねちした嫌がらせを送ることを決意したのであった。
かくして喧嘩を売ってしまった主人公は散々追いかけまわされてひどい目にあうのであった。
どうですか、シンプルでしょう?
と、こう書けば主人公が1番のクズなんだけどね。
本作のテーマは「煽り運転」なので、まあこれは仕方ないと言えば仕方ないかもしれない。
というか「グラディエイター」でのアンタはどこへいったんだ、ラッセル。
あの頃の正義感っぷりはもうほとんどない。
気が短く簡単に人を殺すとんでもない薬物中毒者のオッサンである。
まあ、でもこれがハマってるんだな。
マジで怖いもん。
というか数多くの武勇伝があるラッセルは実はこっちが素なんじゃないんだろうか。
しかもこのデブ、ただのデブじゃないかなり頭が賢くすばしっこくネチネチと追い掛け回してくるのだ。
主人公と顧問弁護士の面談を聞いて先回りしてモーニングダイナーに到着するや否や、暴力的な側面は隠し紳士的にふるまい弁護士からの心証すらもゲットするという奇麗な立ち回りも披露する。
弁護士は無惨に惨殺されてしまい、さらに弟の嫁さんまで殺されて弟は拷問を受け重傷を負ってしまう。
そうそう、この映画結構グロいんだよ。
しかも作中とは関係ないことでピタゴラスイッチ式に人が死ぬ、スマホしながら運転してるバカも警察官も「ちょっとかっこいいとこみせちゃうよ」的な勘違い野郎も全員まとめてあの世いきである。
このドライな感じはたまらなく、好きである。
というか、ながらスマホやめようね!
だが、このあっけらかんとしたグロさとサスペンスこそアメリカの王道スリラー映画なのだよ。
デブなので力も強く、並大抵の男でも敵わないほどに狂暴で、おまけに薬物中毒のせいでかなり痛みに鈍感になっているのか銃で撃たれても平気というチート級の生命力までもっている。
果たしてこんな殺人鬼デブにシンママは勝てるのだろうか?
まあ、本作舞台は狭いし登場人物は限られているしおまけに上映時間は短いわで安心して楽しめる娯楽作になっている。
コロナを我慢してでも観に行くべき価値があるかどうかといわれると怪しいが、「明日土曜日じゃん、なんか見ておくか」という時にちょうどいい作品になっていることは間違いないので本作はぜひ劇場で観られた方がよいかと思います。
そんなわけで点数は
85/100点
まあ、この主人公が一番のクズだと思いますよ。えぇ。