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【映画レビュー】UMAじゃなくて、ただのワニでした。「U.M.A レイク・プラシッド」をレビュー
※本レビューはネタバレを含んでおります。※
UMA、未確認生物。
大体この言葉をどこで覚えただろうか。
かくいう自分は本作の予告編をみてその名前を覚えたものである。
金曜ロードショーで唐突にその予告編が描かれていたのを覚えている。
湖のなかに映る巨大なモザイク、そのモザイクに大きなクマが引き寄せられていく…クマでさえ食い殺すこのバケモノは何なのか…。
その圧倒的な暴力に小学生だった自分はかなりトラウマを受けた。
そして、出てくるUMA(未確認生命体)の文字。
キャスティングも豪華である、インデペンデンスデイの大統領ことビル・プルマン…今やどこへ行ったのか誰にもわからないブリジット・フォンダとオリバー・プラット…。
ガメラ3やウルトラマンガイアで怪獣ブームだった90年代のガキたちはこの謎の映画に魅せらていた。
そして、とうとう本作がレンタルビデオで解禁された…。
その正体は恐竜なのか、宇宙怪獣なのか…ワクワクしながらみた自分は大人へ恨みを抱いたのであった。
そう、UMA…その正体は…
ワニだったのである…。
そう、ワニだ。
俺は恐竜じゃないかと思っていたのだが、ワニである。
確かに…ワニならクマを食い殺せるだろう。
だが…ワニである。
非常に残酷な話だが、未確認生命体の正体は恐竜でも怪獣でもなくワニだったのだ。
過大広告もいいところである。
かなり歳がいってるアラフォー・アラフィフの皆さんならご存知だろうが、本作を配給するのはあの…「東宝東和」である。
東宝東和はごくまれに誇大広告で宣伝をすることがあるのだ。
拍子抜けした自分はウンザリさせられた。
またこのワニが暗いところにしかでてこねんだ…。
豪華キャスト・豪華スタッフ、そして恐らく特撮もかなり金がかかっているはず…なのに、なのである暗いところにしかでてこないのだ。
暗い画面の中で豪華キャストがワニとちちくりあう、こんなもんをみて何が楽しいのだろうか。
まあ、本作そんなことで歴史の脇に埋もれ…時々思い出すレベルでしか語られない映画になっているわけだ。
まあ、俳優はかなり豪華なので案の定人間ドラマはかろうじでみられるものになっている。
というか、そっちがウリなのだろう。
トレンディー(死語)でヤッピー(死語)な美男美女が喧嘩しながらすれちがっていくのをみさせられるのだ。
うん、わかるんよ…。
でもね、これは怪獣映画と違う?怪獣映画でみたいのは、怪獣であってトレンディドラマではないのよ。
さらに、おまけにワニくんであるが非常に大人しい。
怪獣のくせにあんまり人を殺さないんだな。
って・・・
いやいや、怪獣映画なんだから人を殺してナンボでしょ!!!
なんと言うか誰も死なない、ノーストレスな怪獣映画です・・・ってそれつまらんがな!!!
そんなこんなで気が付けば映画は終わっていた・・・。
怪獣映画少年であった自分は非常に不満で納得のいかない映画であった。
まあ、そんな本作だが…なぜか受けてTVシリーズ限定だが数作ほど作られているのである。
気が付けば90年代、ハリウッドではジュラシックパークがウケたことで二匹目のどじょうを狙った怪獣映画がハリウッドのメジャースタジオで量産されていた。
「ザ・グリード」「ディープブルー」「アナコンダ」などがそうだ。
本作もそれであるが、他の作品に比べてもまあひどいだろう・・・。