ゴジラの原点となった作品「原子怪獣現わる」をレビュー
さあ、ウクライナ情勢がきな臭くなってまいりました。
本当に核戦争やるんじゃないかなという厭な空気が蔓延してまいりましたねぇ~いやーねー本当。
核戦争なんてフレーズ今じゃもうSFでもみなくなってたのにね。
なんというか洒落にならない世界になってきました。
しかも恐ろしいことにロシアの指導者はボケてしまっている。
そして西側の代表であるバイデンもおそらくボケている。
世界はボケ老人の手にゆだねられてしまったのだ。
さあ、そんな今更核の恐怖に悩まされるただいまの世界であるが1950年代はもっとビビっていた。
なんてたって当時核爆弾で蘇ったり、巨大化した怪獣が暴れる映画が世界中で量産されていたのだ。
日本の「ゴジラ」が今ではその代表格になっているが、実はその「ゴジラ」も実は亜流作でしかなかったわけだ。
それが今回紹介する映画「原子怪獣現る」である。
まあ、あらすじはかいつまんで書くと大体こんな感じだ。
時は1950年代、北極で水爆実験(なんでそこで起こすんじゃ!!)を行っていた米軍の兵士だったが、そこで恐竜が目覚める場面に出くわす。
当初は「幻でもみたんちゃうかー」みたいな対応をされていたが、案の定北米に上陸NYを死と破壊で包むのであった。
そんな恐竜を新兵器で何とか倒した人類であった。
どうですか?初代ゴジラのまんまでしょ?
まあびっくりするぐらい1954年のゴジラは本作をトレースしていたのだ。
流石のトレース具合に本作の特撮を担当していた(というか企画そのものを作ってていた)レイ・ハリーハウゼンは大激怒した。
2005年、ピータージャクソンのキングコングが話題になった時イギリス雑誌のインタビューで「ゴジラは盗作だ」と言い切っていたのだ。
まあ、それもそのはず本作の原作者はあのSF界の巨匠であるレイ・ブラッドベリだったのだ。
ブラッドベリとハリーハウゼンは親友同士で恐竜仲間であった。
そんな二人のレイにとって本作はまさに「子供」といっても過言ではない作品だったのだ。
まあそんなオリジナルの本作であるが、レイ・ハリーハウゼンには申し訳ないがやはり初代ゴジラのが面白いよ‥となってしまうのだ。
初代ゴジラにはあの戦後日本特有のざらついた陰惨な空気だったり主人公とヒロイン、芹沢の三角関係が映画の中で溢れているが、本作にはまあそれがない。
まあつまりアダルトな雰囲気がないのだ。
そりゃあ残念ながら、歴史に残るのは初代ゴジラになっても仕方ない。
とはいえ、本作も中々面白い映画である。
まず今の時代には消えたコマ撮り特撮がヒジョーに味がある。
この生々しい動きは着ぐるみには出せないだろう。
やはりハリーハウゼンもまた円谷と同じく特撮の神なのだ。
本作の怪獣「リドサウルス」だが、後に製作される「恐竜の惑星」でビミョーな客演をしている。
なんと役回りはラスボスだったティラノサウルスの前座だ。
このリドサウルスをハリーハウゼンが作ったといわれているが、まあウソではないかと思っている。
そんなハリーハウゼンだが、「ゴジラ」の世界的ブームをみてウンザリしたのか1957年の「地球へ2千万マイル」以降は巨大怪獣映画を取りやめて、「シンドバット」シリーズに転換することに成功した。
本人は「怪獣を都市で暴れまわせるより神話世界の話を描く方が好きになった」といってるが、俺はやっぱり「ゴジラ」があったんじゃないかと思っている。
ちなみにエメリッヒは本作の大ファンで、あえて1998年版のゴジラは「原子怪獣現る」に寄せやがったのだ、ブー!
まあ、そんなエメリッヒも今ではハリウッドですら冷や飯喰らいになってるのでざまーみろとしかいいようがないですね。