NHKで放送された「 #平成ネット史 」についての違和感
1月2日・3日と放送されたNHKの特番「平成ネット史」が一部の間でかなり話題をあつめた。
平成という時代をインターネットというコンテンツからポップかつライトに批評するというのがおそらくこの番組のコンセプトだろう。
しかしながら・・・・ふとこの番組をみながら「歯がゆい何か」を感じた。
というのもこのテレビ番組、尺の問題もあるからなのか基本的にネットを明るいものとしてとりあげているのだ。
確かに前編でフラッシュ動画について触れたりテキストサイト運営者の現在についての取材を入れていたり、ネット黎明期に活躍したあの人たちの今はどうなっているのか!?といった物についての言及していたことについては少しなつかしさを感じた。
俺の大好きだった「Nightmare City 」が流れたのはちょっと泣きそうになった。
だが、僕はこの番組をみていておもったのは奇妙なまでにポジティブだなぁ・・・ということだった。
番組のノリとしては全体的にいえばリア充的な世界観ageクリエイターage、炎上=リア充への嫉妬・独善的な正義という決めつけで決めてかかっている節が強かった。
ニコニコや2chにしろネットはネガティブな部分のほうが実は記憶に残りやすいものなのだが・・・・全体的に今のネット中心の世代ではお金にならないから老人を巻き込むためにこのような番組を作ったという悪意がみえみえだ。
おそらくインターネットに触れたことがない人のためにネガティブな部分には目を触れないようにしてほしいためにこう言う番組編成にしたんだろうがこれでは正直いくら何でも薄味がすぎるだろう。
と個人的にはおもった。
まず、2ちゃんねる(今は5ちゃんねる)について、触れるさいにネオ麦茶やハセカラ騒動について触れないというのは少し不自然ではないだろうか・・・。
その代わりにふれるのは未だにその真偽があやふやな電車男だったり、当時から臭かったVIPのマトリックスオフ会だったりするのだが・・・・今どきそんなもん誰が覚えているというんだ。
2ちゃんが有名になったのはあのネオ麦茶が原因だし、ハセカラ騒動に至っては逮捕者が多く出てしまい爆破予告事件が相次いでおきた原因の一つにもなった事件だ。
だが、明らかにこの二つはネットの歴史に残るといっても過言ではないほどの炎上となっている。後者に至っては未だにネタにされている。
こういうある種アンダーグラウンドな世界こそ、2chに誰しも入り浸った最大の要因ではないのか・・・と個人的にはおもったりする。
あと・・・さっとニコニコ動画に触れるのもあったが、今更取り上げるのは陰陽師だったりハルヒダンス歌ってみただったりしたのだが・・・・明らかに方向性がずれている。結局ああいった動画は文化として残ってないのが現状だろう。
ニコニコでまず語るなら、数多くのアニメMADや創価学会をネタにしまくった必須アモト酸MAD、ホモ動画をネタにした真夏の夜の淫夢シリーズ、そして忘れてはいけないのはかつてニコニコに多くいた配信者たちの文化だろう。
彼らは現在のYoutuberやツイキャスでの配信者ブームにつながる土壌を多く作った要員になっていたと思う。
ウナちゃんマンや唯我といったような配信者の多くをニコニコは亡きものにしようとしているのだろうか?ニコ生配信で深夜を過ごすのが趣味だった俺としては少し悲しい限りだ・・・・。
市議会議員選挙に立候補し、見事当選を果たした横山緑さんのように間違いなくニコ生で名前を挙げた人もいるので、あながち全部ブラックというわけでもないんだがなぁ・・・。
とここまでかけば「全部アングラ文化でしょ!?」「政治的に正しくないからダメじゃん!」というような人もいるかもしれない・・・・。
それは断じて違う!ネットはおしゃれなものばかりじゃないのだ。
むしろ不謹慎なネタを楽しむ文化のほうがインターネットでは定着しやすいのである。
臭いものにふたをして明るいものをみせたかったのはわかるが、そればかりではないんだよ・・・と声を大にして言いたい。
というのも最近ツイッターにしろなんにしろそうだが、こういったある種悪趣味な文化を全否定する流れが最近多すぎる。
そうでないと、意識高い人がみたがらないのはわかるが・・・・意識高い系やポップ系の人は意外と飽きるのが早いのでお金にならないんだよということを声を大にしていいたいのだ。
Facebookやmixiなんかも最初は陽キャ用SNSだったが、今では中年しか使っていない。若者のほとんどはツイッターかインスタグラムだ。
そしてそういった人たちも意外と早く飽きて捨ててしまう。
答えは一つ、そういった場所で活躍していた人間も年齢を重ねればSNSで自分語りなどしなくなってしまうからだ・・・。
平成ネット史には闇の部分があるし、そっちのほうが強い・・・・毒も栄養も含めて飲み込んではじめてその味がわかるのだ。
ポップな部分ばかりでは砂糖菓子のような味しかわからない、甘さだけでは生きていけないのだ。
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