学習する組織レビュー②〜メンタル・モデル〜
メンタルモデルとは?
5つのディシプリンのうち2つめに扱うのがメンタル・モデルだ。これは「思い込み」とか「考え方の癖」と言い換えられると思う。これがマイナスに働くときもあれば、プラスに働く時もあるという。
メンタルモデルをどう扱う?
マイナスに働くこともプラスに働くこともあると書いたけど実際はマイナスに働くことの方がはるかに多そう。とくに相手への思い込みは強くマイナスに働きそう。普通相手の何かが気になったとしても面と向かっては言えない。事実を言ったら傷つくのでは?と考えてしまい率直に話せない。
こうした思い込みへの対処は徹底的に事実と向き合うことだ。システム思考的に言うなら推論のはしごを降りることだ。これもサッカーに例えると、あいつは決定力が無い、と言われてるFWのシュート成功率を調べてみたら他のFWとそこまで変わらなかったりする。そもそも事実が間違ってるのだ。ただ間違った事実に基づいた思い込みが作られるとそれに現実の行動もしばられて本当に中々点が決められなくなったりする。
相手とともに事実に向き合い探究と主張のバランスをとることが大事となる。これはけっこう具体的なアドバイスがある。本書のp273にあるのだけど少し抜粋する。
○自分の考えを主張する場合
・相手にあなたの考えを精査するよう促す。(たとえば「私の推論に何かおかしいことはありませんか?」)
○相手の考え方を探求する場合
・もしあなたが相手の考えについて何か仮定しているなら、その仮定をはっきり述べ、それが仮定であることを認める。
○袋小路にぶつかったら
・新しい情報が得られそうな実験をいっしょに考える道があるかどうか聞いてみる。
○あなたか相手が自身の考えを表現したり、ほかの考え方を試したりするのをためらうなら
・相手になぜ話せないのかを話すように促す。(オープンなやりとりを難しくしているのはこの状況のどういう点か、自分や相手のどあいうところか?)
などなど。抽象的な内容が多い本書だけどここに関しては比較的とりくみがイメージしやすい。もっともこうしたことを話す機会を設けたり時間をとったりするのが一番難しいところでもあるのだけど…。
事実を超えて
この章の最後にはサラッとけっこう大事なことが書いてあった。これまでは事実を根拠にとくどいほど説かれていたのだけど、最終的には構造やパターンを見出すことが大事だと言っている。おそらく同じことの繰り返しを防いだりもっと根本的な変化をもたらすために事実の先にあるものも見なければいけない。そしてそれがたぶん良いメンタルモデルということなのだろう。