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学び直しから掴むキャリアー学業と仕事の両立の極意ー|障害学生対象オンラインOBOG訪問キャリアセミナー がんちゃん

障害学生ライフキャリア支援プロジェクトGATHERING(ギャザリング)では、3月1日の就活解禁に先駆けて、さまざまな障害当事者の先輩の就活について聞くことができるOB・OG訪問形式のオンラインセミナーを開催しておりました。

今回は2023年3月14日のホワイトデーに開催されたがんちゃん(主に聴覚障害の学生さん向け)OB訪問の様子をレポートしていきます!(少しお時間があいてしまってごめんなさい!)

がんちゃん

1990年生まれ。先天性の難聴で等級3級。職業と学業の2足の草鞋を履く。職業面では、大手企業に10年勤めた後、総合人材会社に転職。リサーチ業務を通して障害者雇用領域に精通。学業面では、同領域の研究のため、働く傍ら中央大学商学部に入学。3年で早期卒業し、大学院(MBA)に進学。日本キャリアデザイン学会所属。現在、3足目の草鞋を模索中。

学生時代の就活はどんな形でスタートされましたか?

障害者雇用をやっている会社も一般の採用をやっている会社も両方視野に入れながら就職活動をしていました。業界としてはインフラ系の企業を多めに就職活動していました。その理由は色々あるんですが、インフラ系だと障害者雇用という枠で入っても、入った後の雇用管理は一般(採用枠)と変わりないとしている会社が多かったことが大きな理由です。

鉄道会社に入社後は、総務部門で社員の福利厚生であったり、給与計算業務、年末調整といった業務をしていました。鉄道会社に入ったからといって、キャリアアップして運転士になるというよりは、バックオフィス系でキャリアを積んでいきたいと思っていました。総務部門というところから入ったのは自分にとって良かったです。

働きながら大学で学ぶ事への挑戦

年数を重ねていくうちに仕事の幅が広がっていったんですけれども、それ以上に縦の幅、つまり役職が上がっていきました。部下が増えていったり、仕事の幅も広がっていったりして、目の前の仕事はもちろん、マニュアルを作るなどグループやチームを超えた仕事も増えていきました。

入社から7年後、総務部門の中でステップアップしていくなかで、会社のお金で大学に留学させてくれる制度があって、それに挑戦しました。働きながら勉強するという、普通の人もあまりしないようなキャリアを進めてきたという感じですね。

大学ではどのようなことを学んでいたのですか?

経営学科で経営学を中心に勉強をしました。日本型の企業であれば、総務部門に限らずいろんな部門を転々として、最終的には会社の中を幅広くみれるような役職に就くキャリアアップの方法があると思うんですが、これまで総務部門の中でしかキャリアを積んでこなかったので、学業として疑似体験してみようということで経営学を学びました。

経営学は会社でいうとマネジメントというところなので、本来仕事を通して学ぶところを会社の外で学べたなと思います。一つ上の視座を得ることができました。私の気持ちが届いたのか、仕事の方でも経営企画という経営学に関わる部署に大学在籍中に異動させてもらえました。

経営企画とは具体的にどのような業務をするのでしょうか?

どの会社でも基本的に単年度の経営計画と、3年から5年単位の中長期経営計画を定めます。特にその中長期決定計画の策定っていうのは、経営企画部門がやることが多いんですね。計画を立てていくための役員会議や経営会議を行う際に、経営企画部門のメンバーはその事務局を担います。たたき台となる資料だったり、リサーチなんかも経営企画のメンバーが行います。さまざまな事業環境とか、競合他社の状況を取りまとめてたたき台にして経営会議で揉んでもらって、最終的には中長期経営計画に落とし込むといったことをしていました。
経営会議の事務局をやっていると自分自身が管理職じゃなくても、参加している管理職の話を聞いて、その考え方とか視座がすごく勉強になりますね。

転職し総合人材会社へ

転職しようと思ったきっかけは何ですか?

障害者雇用の分野に興味があって何かできることないかなって考えた時に、前の鉄道会社だと自分の会社の中の障害のある従業員に対してしかインパクトって与えられないじゃないですか?でも総合人材会社に転職しちゃえば、会社の外に障害者雇用に関するインパクトが与えられるので、それ自体を仕事にした方が面白いんじゃないかなと思ったのがきっかけで転職しました。

現在も働きながら修士課程で学んでいるということですが、学業と仕事の両立はどのように工夫されていますか?

働きながら学ぶってすごくエネルギーがいるんですね。そのエネルギーがどこから来たかという話から入るんですけど、もともと、レベルの高い仕事あるいは視座を高められるような経験をしたい、働いて成長したいっていうモチベーションがあったんです。でも以前いた大手の鉄道会社では、昇進はしても総務部門を超えた異動がなくて、成長機会が限られると思っていました。今は部門を越えた仕事ができるので、それがエネルギーになっています。
大学院は転職してから入りましたが、転職後の会社の働き方っていうのがマッチしていたというところもポイントだと思います。リモートワークができるようになって、時間の自由、働く場所の自由が今の会社ではあるので、そういった柔軟さが働きながら学べる環境の土台にはなっているかなと思います。

最後に学生へのアドバイスをお願いします。

私はインフラ業界を中心に就活をしたという話をしたと思うんですが、いろんな業界を受けた方がいいかなって思いますね。新卒となると企業で働いた経験がないので、いろんなところを受けて、比較検討してみてもらえるといいのかなと思います。



障害者雇用領域に詳しいがんちゃんだからこそ聞けるお話も多く、学業と仕事の2足の草鞋を履くがんちゃんから、参加した学生もたくさんエネルギーをもらっていました。今回のセミナーは、仕事と学びの相互作用を起こすキャリアを考えるきっかけになりました!

GATHERINGではこれからも障害や生きづらさをかかえる若者のキャリアや生き方を応援するために様々なことを企画&発信していきます。

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