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Spirit Ditch

ちょっと前に見たYouTubeで面白いのがあったから、それを紹介します。

市川崑監督の映画は「犬神家の一族」しか見たことがない。それも子供のころだったから内容とかほとんど覚えてなく、ただただ怖い映画だったっていう記憶しかない。
たまたま見たこのYouTubeで、この人の表現者としてのおおらかさというか、気取らない物言いに魅力を感じた。

自身の作品における、原作と異なる演出やストーリーの改変についてや、ドキュメンタリー映画での演出についても包み隠さず話している。この2点って昨今、いろいろと問題になっているけど、これがひとつの正解ではないんかな。大変勉強になりました。

それで今、昔の日本映画を無性に観てみたい気分です。

市川崑さんの作品では、「細雪」と「破戒」を
観てみたい。あと成瀬巳喜男監督の「浮雲」(アキ・カウリスマキ監督の「浮き雲」は観たことがある。これも名作)、小津安二郎さんの「秋刀魚の味」も観てみたい。少し話しは逸れますが、最近観た「PERFECT DAYS」や「枯れ葉」では、かなりの小津を感じました。2作品ともに最高でした。それと、吉田喜重監督の「水で書いた物語」も観てみたい。そういえば、ヴィンセント・ギャロが、今のところ最後に撮った映画のタイトル「 Promises Written in Water」はこれからインスパイアされてるんやないかな。この映画も観たことないから、いつか観てみたいな。

僕が音楽を作る上で影響を受けた人って映画監督が多い。もちろん、その作品からインスパイアされることもあるけど、その書物からも多大な影響を受けてきました。

その中のひとつはこれ、

タルコフスキーは芸術形態の中で「詩」を最も重要なものと位置づけていて、しかしその詩的感覚は、言葉の中だけでなく、映画の中にも音楽の中にも絵画の中にも宿るよ、それが大事なんだよってことが書かれていたな。まあ、お父さんが詩人やもんな。

ついでにお父さんの詩集

それとこれは、ブレッソンの。

自分の手段を十全に活用する能力は、手段の数がふえれば増えるほど減じてゆく。

ロベール・ブレッソン「シネマトグラフ覚書」

なるほど。かなり数学的な思想やな。こんなふうに厳しく、為になる言葉が書かれています。今は白黒時代のブレッソンの映像に惹かれるかな。手元のアップとか美しいんよな。

前にnoteに書いた日記の中で新しい音楽を製作中って言ってたんやけど、その曲ができたんで今度はそのミュージックビデオを作ってみようって思って動画撮影とか編集を実践しながら勉強中です。

で、技術的なところで思ったことは、ほんと初歩的なことなんだけど、レコーディングにしろ撮影にしろ、マイクの位置やカメラの位置が大事ってことを身を持って学びました。

あと、根本的なところで、その音がなんかめっちゃぬっるーいビールみたいに聴こえたりだとか、その映像が氷が溶けきったうっすーい焼酎の水割りみたいに思えるのは、たぶんスピリットの問題ではないかと思う。スピリットって言っても2%以下のアルコール飲料ではなく、かと言って精神や魂とかっていうよりも、もっとスピリチュアルな何か。精霊的な何かが宿るかどうか。

そんなスピリットが宿った映画監督、ビクトル・エリセの31年ぶりの長編映画「瞳を閉じて」を今週の土曜日に観に行く。バス、電車を乗り継ぎ遠い映画館まで。ちなみにエリセの代表作(って言っても今作を含んで4作品しか発表されてない)「ミツバチのささやき」は本当に精霊が宿っている映画。

で、この記事Amazonからリンク貼ったりしたんやけど、なんか変やな。このやり方で合ってんのかな?

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