修羅の妄執を解いて
もう9月の半ばだというのにこれは残暑と言っていいのでしょうか?いくらなんでも長くないですか?まるでアンコールの終わらないコンサートみたいです。つまり悪夢です。アンコールをしたのは私たちなのですが、このアーティストはまだまだ演奏を続けるつもりみたいです。そろそろ日付が変わりますよ、この辺で終わりにしませんか?
こんなふうに暑い毎日をおくっていますと、何事も手短に済ませたいものです。食事なんかもパッと作れてサッと食べれる冷たい素麺なんかがいい。バスタイムも湯舟に浸からずシャワーで済ませたい。着替えたり用意したりするのが面倒くさいから外出はなるべくしたくないです。電話はもともと出たくないですし、かけた場合でも3コール鳴らして相手がでなかったらあきらめます。映画も観たいと思いません。鑑賞する集中力が持続しませんから。同じく本も読めません。ただエアコンのきいた涼しい部屋でピノでも食べながらダラダラ過ごしていたい。このようにして現在、僕は人として終わっています。これは全て暑さのせいなのです。涼しくなれば治るはずです。しばらくお待ちください。
そんな暑さの中、多くの人が疑心暗鬼になっているのか、それとも単に暑さにやられてヘンになった人たちが増えたのか分かりませんが最近やたら不審者情報を目にします。
こんなことがありました。
時刻は午前2時を過ぎた頃、ふとゴミの回収日だと気づいて自転車に乗ってゴミを出しに行きました。するとゴミ置き場にしゃがんでなんかしている人がいました。自転車のライトでは何をしているのかよく見えませんでしたが、たぶんゴミ袋を開けて中身を確認しているようでした。今までカラスや野良猫が同じようなことをしているのを見たことはありますが、人間がしているのを初めて見たので少し興奮しました。その人は男で、年齢は40代半ばぐらい、髪は短髪で身長は160センチから170センチくらい。半袖の白のTシャツにグレーの短パン姿でメガネをかけていました。僕の存在に気がつくと慌ててその場を立ち去りました。
怪しい、、、
でも、もしかしたら、何かしらを紛失して自分が出したゴミ袋の中身を確認していただけなのかもしれない。そうだとしたらなんかごめんなさい。
いや、待てよ。自分が出したゴミ袋なら家に持ち帰って、明るいところで確認した方が探しやすいんやん。これは僕の偏見が入ってますが、そもそも40を過ぎたおじさんが短パンで外出してる時点でおかしい。
しかしよくよく考えて、僕はこのことを不審者情報として通報しませんでした。なぜなら通報する資格がないからです。午前2時過ぎているというのに僕の出立ちは、バケットハットを深々とかぶりサングラスをかけ、ゴミ袋片手に自転車でふらふらしている。しかも短パン、、、おじさんと同業者じゃないですか。より僕のほうが不審者として相応しいし、おじさんとしてのキャリアも長い。
人を疑う前には熟考が必要です。偏見なんて必要ないです。それと同等かそれ以上の矢印を自分自身に向けないといけないです。
あのおじさんが慌てて立ち去ったのも「ヤバっ、こんな夜中にヘンてこなやつがゴミ出しに来やがった」って身の危険を感じたのかもしれない。
それがつい2、3日前の出来事。
こんな感じの秋のはじまりですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?僕は昨日良いことがありました。新しい曲ができました。曲の名前は「FAN」っていいます。扇風機です。鼻歌でメロディをボイスレコーダーに録ったのが7月のあたまだったから、およそ2ヶ月かかりました。AIならたった2秒で音楽が作れるらしいです。しかしそれはもったいないです。あーでもないこーでもないってしながら作るのが楽しいのにな。この醍醐味をAIは一生味わうことができないなんて気の毒です。
僕は音楽を作るのに多くの時間がかかります。おそらく満足する曲ができるのは一生かかるんじゃないだろうか。音楽理論も音声詩学も理解してないしAIを活用することもしないでしょう。この日記のタイトル「修羅の妄執を解いて」は新しい曲の一節ですが、何をするのかってことも大事なんだろうけど、何をしないかって(していないか)ってことも大事な気がする。
とゆーわけで、そろそろ朝ご飯でも食べよかな。
あ、虹のいい匂いがする。
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