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私はどんな場を望んでいるのか? ——「丁寧に、とことん悩む夜vol.1」に向けて

どの話の続きなのか

少し前に、こんな記事を書きました。
大雑把に言えば、「対話」という言葉を離れて、「悩む」ことにフォーカスした場づくりをするよ、ということでした。

その第0回を終えて、次なる第1回を迎える前に、改めて、その間に考えたことや第1回のイベントに向けた思いをいくつか書き残しておきたいなと思いました。
そう、前回の記事のタイトルを踏まえるならば、これは二歩目。
ただ、自分にプレッシャーをかけたくないので、三歩目以降があるかは保証しませんし、なのでタイトルにもつけません。
あと、場を「つくる」と言うことの傲慢さをなんとなく感じてしまったので、場を「望む」と言ってみることにしました。何か変わるでしょうか。

「悩む夜」とはなにか

11月末、結局私は、「悩む夜」と名前をつけて営業をしたのでした。
とはいえ、お店に入ってきたお客様に「あなたの悩みを聞かせて!」と不躾に迫るような夜のことではありません。
それは、私と私をバックアップしてくださっているスタッフが、自分自身で抱いている「悩み」を、そっと置いておく夜のことです。

こんな感じに、各席にひとつ「悩み」「問い」の書かれた紙を置いておきました。

でも、そこに書かれている誰かの「悩み」は、それを見た人がもっているもやもやとどこか共鳴する、こともあります。少なくとも私には、第0回の夜にはそういうことが起こっていたようにも見えました。
そして共鳴したもやもやは、ことばとなって他の人へ届き、その他の人のどこかを揺り動かし、また何かことばが生まれて来る。そういうことが繰り返された時間で、これが「悩む夜」なんだなと私は思いました。

「悩む夜」は、「悩みを話す夜」ではない

ただ、もう一つ大事なことにも私は気づきました。
それは、「悩む夜」とは「悩みを話す夜」だけを意味しない、ということです。
たとえば、誰かの話を聞きながら黙って考える時間。
たとえば、紙に何かを書きながら自分について思い出す時間。
そうした時間も、私は「悩む夜」の大事な要素だと思っていて。だから、「話そう!」「話して!」と呼びかけたいわけではないのだと気づきました。話したくなったら話せばよいし、話さずに一人で考えていてもいい。私は隣にいるので、ひたすら悩んでいい。

私にできることは、あくまで、あなたが「悩む」ことができる場所を、4時間、高田馬場で保障すること。たったそれだけのことで、逆にそれだけのことはやりたいと思っています。

次はどんな夜になるのでしょうか

「丁寧に、とことん悩む夜」は、まだ始まったばかりで、これがどういう夜になっていくのか、まだ今の私には全然わかりません。
それに、「丁寧に悩む」「とことん悩む」というのがどういうことなのかも、正直なところ、まだ言葉になりきってはいません。第0回をやってみて、なんとなく、「丁寧さ」ってこういうことかな〜という空気を感じられた程度です。
だからこそ、とりあえずもう少し、「丁寧に、とことん悩む夜」と題して営業をしてみようと思います。それで初めて見えてくるものもあるでしょうから。
告知文に書いている次の文章は、結局のところ、誰よりも自分自身に向けたものかもしれないと思えてきます。

正直、「悩む」のは疲れるし、ずっと同じ場所をぐるぐるするのはしんどい。でも、「悩む」なかで、なんか視界が開けることもある。誰かの傍で、丁寧に悩む時間さえあれば。そういう時間が何かをもたらす、かもしれない。

「丁寧に、とことん悩む夜vol.1」の告知文より

「丁寧に、とことん悩む夜vol.1」では、訪れたお客様に「お通し」として「悩み」=「問い」の書かれた紙を1枚お渡ししてみようと思います。「お通しに悩みが渡されるバー」。そんな場所、なかなかないでしょう?

それから、皆さんが「悩み」を置いていけるポストか何かも、お店に常設したいなと最近は考えています。その日だけ悩んでしまうわけじゃないから、でも悩みをどこかに置いていきたいときだってあるから。HANABIがそういう受け皿に(も)なれるようにしていきたい。

あと、次回は、1人に1枚自由に色々書けるような白紙も用意したいなと思っています。既に書いたように、誰かに話す以外の方法でも、悩むことができるように、です。そんなもの家で1人でやればいいと言われそうですが、意外と家で1人で悩むのはハードルが高いことだってある、と私は思うので、やはり落ち着いて悩める場所がほしいのです。

どんな場であれば、「丁寧に、とことん悩む」ことができるのか、正直今の私にはまだまだ分からず、手さぐりの最中です。でもその方がいいのかもしれないと思います、私も悩んでいないと、悩む夜にならないから。
そして、そういう場だからこそ、あなたに来てほしいなと思っています。次回は、12月20日です。ぜひに。




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