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🤟【Codaあいのうた】
第94回アカデミー賞を受賞した「Codaあいのうた」(CODA)を見て、私が決意したことについて。
2020年のコロナ禍。
多くの施設が休館となり、顧客と従業員が顔を合わせることのなくなった時間が日本中に多くあった。
私の職場も、日本中にあった多くの中のそのひとつで、顧客からの連絡はほぼ全て電話にて行われていた、所謂アナログな会社だ。
期限を超えてしまったキャンセル連絡は全て電話にて行われていて、毎日その電話対応やコロナのせいで発生した多くの業務に追われ、イライラし疲弊していた。
そんなある日、事務所にFAXが届いた。
「◯月◯日(◯曜日)の予約をキャンセルしたいです。耳が聞こえず電話はできないのでFAXをしました。」と。
そこには、差出人の名前とFAX番号が添えられていた。
そのFAXを見て私は依頼の通りキャンセル入力をした。
すると翌日、手話が出来る先輩に言われた。
「昨日のFAX、まだ返事してなかったんですか?」と。
忙しくてカリカリしていた私は、
「昨日は特に立て込んでいたので、今日返事をしようと…。キャンセル料金もかからない内容だったのでそんなに急がなくても良いかなと。」と悪びれる様子もなく言った。
その後こう言われたのだ。
「聾者にとって送ったFAXの返事がないことは、OKがどうかも分からず、かけた電話をそのまま切られたようなものなんですよ。」と言われた。
私は途端に自分が恥ずかしくなった。
私はあのFAX対応を後回しにしたんだと気づいた。
目の前で鳴っている電話を優先して。
その後、勤務地で手話講習会が開かれていることを知った。罪悪感からか、少し学んでみたいと思った。それでも、毎週同じ時間に通うことは当時の自分にとってものすごくハードルが高く、動機も不純だしな…。と見て見ぬふりをした。
そんな考えを抱いたことも忘れ、1年くらいの時間が流れたある日、
新作映画の予告動画をたまたまYouTubeの広告で見た。
それが「Coda あいのうた」だった。
見たいと思った。ただ見たいと。
あの日、忙しいと言い訳をして寄り添えなかった自分が何言ってるんだと思いながらも。
公開日翌日、1月の寒い中、仕事終わりに映画館に駆け込んだ。
2時間弱の物語からでは、ろう者の生活や文化、苦労や喜び、それらをきちんと理解できるわけなかった。
それでも見つけた。
手話を学んでみたいと思う自分を。
その時期、新年度の手話講習会の申し込みが始まっていた。
あれからもうすぐで2年になる。
私が手話講習会に通い始めて2年。
来年度の募集ももうすぐ始まる。
たのしみだ。