合宿にて海外進出を決意!全員で理想の未来を描いてジャンプ〜アンジェラックス 未来合宿〜
こんにちは!合宿人(がっしゅくじん)です。
先日、合宿人の提供する組織・チーム向け合宿、「未来合宿」を株式会社アンジェラックス様に提供をさせていただきました。
Great Place to Work®「働きがいのある会社」のランキング上位の常連でもある同社は、長野県の小さなエステサロンから始まり、現在は都内を中心に11店舗を展開しています。高いチーム力を誇る同社が、全社合宿として「未来合宿」を実施した背景や、感想、感じている変化など、経営者 であり、CHRO(最高人事責任者)でもある大杉一真(おおすぎ かずま)さんに伺いました。
チーム力の高い組織が、全社合宿を実施した理由
ー アンジェラックスさんと言えば、2020年に「働きがいのある会社」Great Place to Work® 女性ランキング⼩規模部⾨(25-99人)の一位を獲得するなど、非常にチーム力の高い会社という印象がありますが、高いチーム力を維持するために注力をされている点などをお話しください。
弊社には現在50名ほどの社員がおり、それぞれが異なる店舗で稼働をしているので、社内のチャットツールから全体の空気感を掴み、人事担当者に寄せられた相談や愚痴、制度に対する改善提案から今の状態が前向きなのか、後ろ向きなのか、全体の傾向とひとりひとりの状態は常に把握をしています。後ろ向きな空気感を感じた時には早めのアクションを起こすようにしています。
ー 今回の合宿を実施するに至った背景についてお話しください。
一体感の薄れを感じたことですね。もともとチーム力がある会社ではありますが、従業員数とブランドが増えてきたこともあり、一番良い時期よりも士気が落ちてきていることを感じていました。このような時は、真面目な話や、左脳ベースのロジカルなワークをしても望ましい変化を得ることが難しいので、メンバー全員で楽しめる共通体験の必要性を感じ、合宿の実施を決めました。
ー 今回の合宿企画で予めいただいたリクエスト、「深い情報共有と飲み会をメインにしたい」というご希望の背景について教えていただけますでしょか。
まず、深い情報共有の背景についてお話しすると、ちょうど一体感の薄れを感じていた中、Great Place to Work®の結果から、「重要な意思決定に参加できているか」という項目の点数が以前よりも低くなっていたことを受け、情報共有が弱まっていることを感じたのです。
以前は全社会議など、メンバーと深い情報共有をする機会がしっかりとありましたが、ブランドと従業員数が増え、近頃はそのような機会が減ってきていました。
僕は、挙がっている不満の中身そのものよりも、不満を言いたくなるメンタリティーになっていることの方を重要視すべきであると考えています。
どのような経営判断や会社制度も、そこに至るまでの葛藤や思考回路をしっかりと説明すれば、「それならこの判断になるよね」と、メンバーの共感や納得を得ることができます。しかしながら、最近は情報共有が弱まっていたことで、会社や経営判断に対する従業員の理解が浅くなったことが、一体感の薄れにつながったのではないかと考えました。
今回の合宿では、情報共有をして、リアルで深いコミュニケーションができていない部分に関する情報発信をする時間を取り、メンバーの視点を同じ方向に揃えるために合宿冒頭のプレゼンテーションの時間をしっかりと確保していただくようにリクエストをしました。
合宿の夜に、感情コミュニケーションを
マネジメント上、メンバーの本音を引き出さないままコミュニケーションを取っても言葉が響かないという問題が発生します。しかしながら、ロジカルなコミュニケーションで本音を引き出すことはとても難しく、感情コミュニケーションが必要になります。
もともと、日本企業は昼間のロジカルなコミュニケーションに対し、夜の飲み会での感情コミュニケーションでバランスを取っていたのではないかと思いますが、 最近は夜の「飲みニュケーション」を否定する風潮なので、ロジカルが強調されすぎてコミュニケーションや共感のバランスが悪いのではないかと感じています。
建前と本音の両方が存在するなか、本音が出せる夜の飲み会のような機会が減り、建前だらけになってしまっているように感じます。
また、経営者も感情面をちゃんとその場に置くことも大切で、感情をしっかりと伝えることで、伝えたい情報の本質を伝えることができます。
感情抜きにロジックだけで解決しようとするとチームビルディングは失敗するんですよね。
そのような理由もあり、今回の合宿では本音に近い素の部分をお互いに共有するコミュニケーションの場として夜の飲み会をメインに設計していただきました。
合宿人に未来合宿を依頼して良かったと感じる点
今回合宿人さんに依頼をして良かったと感じる部分は、実施の背景や現状を共有した上で、合宿を設計し、当日もその場の空気感に合わせたワークやファシリテーションでチューニングをしながらコンテキストを作り、運営をしていただいたことです。
会社のカルチャーやメンバーの傾向に合わせたワークを入れながらファシリテーションをして頂いたことで、コンテキストが作られ、自然とメンバーの視座が高まる流れ、会社としての一体感があらためて醸成されたと実感しています。
弊社では研修会社に集中研修をお願いしたこともありますが、メソッドやプログラムがコンテンツとして独立しているので「なぜその研修をするのか」というコンテキスト部分は研修ではカバーしきれないんですよね。明確なスキルを身につけるという目的であれば、パッケージ化された研修というコンテンツで果たせると思いますが、会社の文化に対する愛情を醸成するにはコンテキストが必要です。
飲み会がメインとは言え、ただの飲み会にしないために、飲み会に至るまでのマインドセットはとても重要です。冒頭の深い情報共有で今の目線を揃え、合宿人さんのファシリテーションとワークで未来を描き、飲み会までのコンテキストとストーリーが作れたので、夜の時間は楽しくありながらも深い時間となりました。
また、施設の予約なども含めた合宿手配で手間のかかる部分を全てお願いできたので、通常の研修では裏方にまわる人事担当者なども含めて全員がプレイヤーとして参加をすることができたのもとてもありがたかったですね。
メンバーの”未来コミット”から、経営者も合宿でゴールを更新。海外進出に向けて
ー未来合宿を経て、感じている変化は?
大きく会社に影響を与えている変化としては、合宿によって経営者である僕自身のゴールが海外進出に向けて更新されたことですね。
今回の合宿の未来を描くワークで海外進出を考えているメンバーが多かったんです。もちろん経営者として世界情勢や円安など、日本の財務状況も踏まえた上ではありますが、皆がそこまで海外への進出を考えているのならばと、僕自身のゴールが更新されました。合宿の後は3年半後の海外進出を踏まえた上での会話も増え、海外進出前の日本の主要都市制覇にも向けてかなり具体的に動いているので、組織力が上がったことを実感しています。
また、合宿で深い情報共有とコミュニケーションを取り、メンバーそれぞれが経営目線で会社を考えることができる機会となったので、12月に控えている制度変更についてもスムーズに行く感触があります。
合宿で経営判断の背景を共有することができたので、メンバーにも重要な意思決定への参加意識を改めて醸成できたのではないかと感じております。
「皆で仲良くなろう」「会社目線で考えようよ」とメンバーに投げかけてもただの押し付けになるので、経営側からそのようなマインドになれるような環境づくりをすることが重要と考えております。今回の全社合宿では、そのような背景の共有や一体感を感じるための環境を改めて強化できたのではないかと感じています。
まとめ:成長過程で現れる壁を突破するための組織づくりと合宿
30人の壁や50人の壁といった言葉もあるように、組織の成長過程には増員や事業の成長など、さまざまな変化が伴います。アンジェラックスのように元々高いチーム力を誇る企業においても、成長に伴って経営者とメンバーとの距離が遠くなり、お互いの想いを共有しあうことが難しくなるタイミングは必ずと言ってよいほど訪れます。
今回の事例からは、成長段階における「ひずみ」のサインを早い段階でキャッチする意識を経営陣が持つこと、そして、合宿という深い相互コミュニケーションの場でこの先に訪れるさまざまな「壁」へ立ち向かう組織力をつくりあげていくことの重要性を学ばせていただきました。
大杉さん、インタビューへのご協力をありがとうございました。
そしてアンジェラックスの皆様、素晴らしい合宿を共創させて頂きましたことに改めて感謝を申し上げます。