見出し画像

合宿を自社のみでやる際のワナとポイント

こんにちは、合宿人(がっしゅくじん)です。
今回は「自社で合宿をやる際のポイントとワナ」というテーマでお話しします。
組織やチームにとって、合宿は、熱量と結束を強め、モメンタム(勢い)をつくる絶好の機会となります。
しかし、自社のみで合宿を企画・実施する際には、いくつかの「ポイント」と「ワナ」が潜んでいます。せっかくみんなの時間を使う、大事な合宿という場を成功に導くために、これらのワナに陥らないようにしっかりと対策を講じることが必要です。
この記事では、合宿の企画時、合宿中、合宿後、そして合宿文化を継続していくことにおいて、よくある落とし穴と、その対策について詳しく解説します。

1. 企画時のワナとポイント

1-1. なぜ今、合宿をするのか?の目的が不明確

ワナ:目的が曖昧なまま日程だけ決めて合宿を企画してしまうと、参加者が何のために集まっているのかが不明瞭になり、合宿の効果が薄れてしまうことがあります。
「とりあえず集まろう」という気持ちで企画を進めることで、何を達成するための合宿なのかがぼやけ、結果的に無駄な時間になってしまうことも多く見かけます。

ポイント:まずは、組織の現状と理想の姿から、合宿の目的や得たい成果を明確にすることから始めましょう。
例えば、

課題:資金調達後、人が増えてカルチャーが希薄化しつつある
→目的:合宿により、次のステージに向けて一体感を創る

課題:チーム・部門間の縦割り化が進み、横断的な連携やコミュニケーションが不足し、事業のスピードを落としている
→目的:チーム・部門間の相互理解を深め、横断的な活動を立ち上げる

といった感じです。


1-2 幹事を1人に押し付ける

ワナ:合宿では施設や交通の手配から部屋割りまでやることは盛りだくさんです。この人ならやってくれるでしょうと、企画や準備を一人の担当者に任せると、その人に負担が集中し疲弊してしまうとともに、他の参加者はどうしても受け身のスタンスで参加することになりがちです。

ポイント:「合宿チーム」を組成し、合宿の企画段階から各自の得意分野を活かしながら、チームで企画し、負担を分散させることが可能です。チームで協力し、意見を出し合いながら進めることで、より多角的な視点から質の高い合宿を企画することができます。
最高の合宿をみんなで作り上げた暁には、「合宿チーム」には強い結束が生まれることでしょう。最強のチームビルディングにもなります。

合宿チームのメンバリングにはいくつかオススメがあるので、挙げておきますね。

  • 組織の望ましいカルチャーを体現している人を中心に(人気者)

  • できれば合宿チームが組織全体の縮図となるような多様性で
    (例:陽キャだけに偏らないように)

  • 一方的に任命するのではなく、本人の主体性を重んじる

  • 企画を進めるメンバーの他、準備や当日手伝ってもらうスタッフも募集する


2. 合宿の最中のワナとポイント

2-1. 声の大きい人がファシリテーターをやると誘導気味になりやすい

ワナ:社長など、組織のリーダーや声の大きい人がファシリテーターを担うと、自分の意見に議論を誘導してしまい、他の参加者が意見を出しにくくなることがあります。これにより、合宿の議論が一方向に偏ってしまい、多様な意見が反映されない可能性があります。

また、組織のリーダーや、声の大きいメンバーがファシリテーターを担うと、自分の意見に誘導したり、周りがそれに反する意見を言いにくくなり出てこなかったりすることもよくあります。

ポイント:ファシリテーターは、なるべく中立の立場を保つことが重要です。議論の進行を支えつつも、決して自分の意見を押し付けず、全員が平等に意見を述べられる環境を整えることが求められます。ファシリテーターは「聞き役」としての姿勢を崩さないことがポイントです。

2-2. ファシリテーターが忖度し過ぎる

ワナ:もう1つ多いのが、人事や経営企画の人が、上から言われたからというやらされ仕事でファシリテーターを務めてしまうと、上に忖度をした進行となり、これまたうまくいきません。

ポイント:ファシリテーターはできるだけ公平であることが重要です。どの意見も等しく重要であることを示し、声の挙げにくい人にも話を振るなど、意見を引き出すことを心がける必要があります。
しかし、全員の意見を聴き過ぎて前に進まなくこともあるので、意見を聴くことと、目的に向けて話を前に進めることのバランスが大事です。
(ここはとても難しいところですが)

2-3. グダグダで終わる

ワナ:合宿は始まると時間との戦いとなります。まず事前に立てた予定通りに進まず、殆どの場合時間が伸びます。ここで進行管理が緩過ぎると、合宿がグダグダになり、大した議論ができず、何も決まらず終わってしまうリスクもあります。

ポイント:タイムスケジュールを細かく設定し、各セッションにおいて明確な目的と時間配分を設けることで、合宿がスムーズに進行するようにします。ただし、各セッションの議論が白熱して時間が延びたり、停滞感が続くことも多々起こるので、残り時間を踏まえてスケジュールをうまく組み換えていくことが大事です。
また、適宜休憩を挟みながらリフレッシュして、集中力が切れないようにするのも大切です。


3. 合宿をやった後のワナとポイント

3-1. 合宿で話したことが放置されてフェードアウトしてしまう

ワナ:合宿という神聖な場で、いくら素晴らしいチャレンジやアイデアが生まれても、日常に戻って目先の業務に忙殺されるとあっという間に忘れ、そのまま放置されてしまうこともよく起こります。そのまま放っておくと、せっかく合宿で上がった熱量も冷め、何も行動に移されないまま終わってしまうリスクがあります。
そんな状態が繰り返されると、「あれだけ話したのに実行できない自分たち」「合宿をやっても仕方ない」という負の学習をしてしまい、そのまま合宿を辞めてしまうことも。。なんてもったいないですね。

ポイント:合宿後に話し合った内容を日常の活動に反映させるためのフォローアップを必ず行うようにします。具体的には、合宿後に進捗確認のミーティングを定期的に設定し、合宿で決めた行動計画の実施状況を確認します。
テーマによっては、リーダーや責任者を明確にし、具体的なタスクとして落とし込むことで、実践につなげやすくなります。

この辺はこちらに詳しく書いてあるのでぜひご覧ください。


4. 合宿文化を継続する際のワナとポイント

4-1. 幹事が属人的で固定化

ワナ:合宿の企画・運営が特定の幹事に依存し、ずっと担い続けてしまうと、その人が退職したり、忙しくなってできなくなってしまうと、合宿が継続できなくなってしまうリスクがあります。
また、最初は楽しくやっていたこともずっと続けるうちにマンネリ化し、やらされ感が高まり疲弊していくこともしばしばあります。

ポイント:合宿チームの組成の所で書いていますが、合宿の企画・運営を特定の個人に依存せず、複数人で行うことが重要です。チームを設け、役割を適宜ローテーションさせることで、負担を分散させるとともに、多様な意見が出やすくなるようにします。また、合宿はただのレクリエーションではなく、組織の成長に向けた重要な取り組みであることを全員で共有し、その価値を理解してもらうことが大切です。


5. 外部に依頼した方がいいケース

5-1. 適切なアジェンダやワークが設計できない場合

ワナ:社内で適切なアジェンダを設計できず、合宿がただのレクリエーションのようになってしまうリスクがあります。具体的な目標に基づいたアジェンダがないと、せっかくの合宿の時間が浪費されてしまいます。

ポイント:アジェンダの設計が難しい場合は、外部のプロフェッショナルに依頼するのも効果的です。プロのファシリテーターやコンサルタントは、組織の課題と目指す状態に合わせた、効果的なセッションや議論の進行をサポートしてくれます。

5-2. 適任なファシリテーターがいない場合

ワナ:前述したように、社内にファシリテーターの適任者がいない場合、合宿の進行がうまくいかず、グダグダや忖度過剰で合宿の目的が果たせないことが想定されます。

ポイント:社内に適任なファシリテーターがいない場合、外部から専門のファシリテーターを招くことで、意見を引き出し、議論を整理し、合宿の目的へ向かうことを推進することができます。


6. 「みんなで最高の合宿を創る」という意識が大切

合宿は、ただのイベントではなく、組織の熱量と結束を高め、ビジョンの実現に向かうための重要な活動です。
そのためには、幹事やファシリテーターだけが頑張るのではなく、参加者全員が「最高の合宿を創る」という意識を持つことが何よりも大切です。
全員が積極的に関わり、自分の意見を述べ、他者の意見を尊重することで、予想をはるかに超えた合宿の価値を得ることができるはずです。

まとめ

自社で合宿を行う際には、企画・運営・合宿後のフォローアップにおいてさまざまなワナが潜んでいます。しかし、それらを事前に理解し、適切に対策を講じることで、合宿は組織の成長にとって非常に大きな意味を持つイベントとなります。重要なのは、全員が合宿に積極的に関わり、「みんなで最高の合宿を創る」という意識を持つことが最も大事なことの1つと考えています。

合宿人のもてけんの「経営合宿 虎の巻」も、経営合宿に限らず、全てのチーム合宿に適用できるので、ご参考いただけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
合宿や組織課題にまつわる相談がありましたら、お気軽に問い合わせください。

#モメンタム
#組織文化
#組織カルチャー
#組織風土
#経営合宿
#全社合宿
#ビジョン
#パーパス
#ミッション
#バリュー
#組織開発
#人事
#スタートアップ

いいなと思ったら応援しよう!