合宿を通して能登を盛り上げる!キーパーソンが一同に集った合宿3.0「のと未来合宿」
こんにちは!合宿人の七香です。
合宿人では昭和の社員旅行的な合宿のイメージを払拭する、チーム・組織の未来を描き、新たなチャレンジを創り出す「合宿2.0」として未来合宿を提供していますが、今回はその一歩先にある「予想外の創発」を生み出す「合宿3.0」の実現第一弾として「のと未来合宿」を石川県能登町で行なってきました。
この記事では、記念すべき合宿3.0の第一弾となる「のと未来合宿」がどのようにして実施されて、現地でどんな体験をして、どのような予想外の展開が起きたのかをご紹介していきます。
予想外の創発とは、合宿で訪れた人と地域・人同士が繋がることで新たな活動が生まれたり、課題解決に向けたアクションつながるなど、今まで合宿人が合宿を体験してきた中で起きてきた「ご縁の奇跡」が合宿の中で起きること。(詳細は以下の記事をご覧ください)
なぜ能登町で合宿3.0をやることになったのか?
今回の「のと未来合宿」は、合同会社CとHの共同創業者・CEO伊藤紗恵さんと、合宿人のもてけんさんの偶発的な出会いが発端で立ち上がった企画です。
伊藤さんは、地域の中長期的な発展のためにさまざまなプロジェクトを展開するWork Design Labのメンバーであり、奥能登で働くの可能性を拡げるをテーマにした24時間コワーキング・ビジネスコミュニティOKNO to Bridge(奥能登ブリッジ)を運営されています。
「来週の土曜日、空いていますか?」という伊藤さんからの声がけでもてけんさんがWork Design Labの能登町のトークイベントに出演することになり、このトークイベントが発端で今回の合宿企画が立ち上がりました。
参加者は起業家、フリーランス、二拠点生活の方など、多彩な顔ぶれ
のと未来合宿には公務員、現地の経営者や活動家、二拠点生活者と、合宿人仲間で能登や地域に関心がある様々なメンバーが集まりました
能登の訪問歴は数え切れないほどあるメンバーから初能登のメンバーまで、15名ほどが参加をしました。
合宿人×能登を盛り上げる人たちで企画
2泊3日の合宿は、私たち合宿人と伊藤さん、合宿の宿泊場所となった、真脇ポーレポーレの橋本勝太さんとで何度も打ち合わせを重ねて企画をしました。伊藤さんから現地の方にもお声がけをいただき、合宿日程の中で現地の方とのつながりを作るための調整を何度も重ねていただきました。
実際に現地で想いを持って活動されている方や、先祖代々受け継がれる稼業を営まれている方、都内から移住をされた方などさまざまな現地の方との接点と対話ができる時間がこの合宿の大きなポイントでした。
現地で私たちがしてきた体験
①「現代集落」での、道を作るワークショップ
突然ですがみなさん、道を作ったことはありますか?
中々ありませんよね(笑)
1日目の到着後、能登半島の先っぽの珠洲市に移動し、ランチを食べてから、「現代集落」の道を作るワークショップへ。
能登合宿のしおりには、現代集落にて道を作るワークショップ。汚れても良い服装をご用意ください。の一文。参加メンバーは、道を作るってどういうことなんだろうね?と口にしながら現地に向かいました。
現代集落は、限界集落を現代集落へ。100年後に残したい自然共生型生活圏をつくる実験として立ち上がったプロジェクトです。自然に還って原始的で不便な暮らしをするのではなく、自然と共生しながらもテクノロジーを駆使し、人の快適性を追求する集落です。
現代集落プロジェクトでは未来の現代集落のゴールの姿が明確に描かれており、そこに向けて株式会社ゲンダイシュウラクの代表、林さんをはじめとする協賛メンバーが日々集落作りに励まれています。
ただ、大自然の中に人が住める場所を開拓していくには限られたメンバーと限られた時間では足りません。そこで、合同会社notonoの島田由香さんらと共に、集落の中の道作りをワークショップ化する企画が立ち上がり、今回の未来合宿の参加メンバーがこの道作りワークショップのトライアル開催に参加をすることになったのです。
さてワークショップ、といってもやることは至ってシンプル。
鎌を使って草木を切り倒し、文字通り道を作る。これだけです。昼食を林さんと共にしながら現代集落の成り立ちとストーリーを伺い、道を作るワークショップの説明を受け、現地に移動したら鎌と軍手を持って道を作りたい未開の場所にある草木をひたすら切り倒しました。
とても面白かったのは、道の予定地に生えている草木を刈り取るだけではなく、この木を切り倒したらすごく良い景色が見えるから切り倒しましょう!と、参加者の中からクリエイティブな発想が湧き出し、実行に移されたことや、2時間半のワークショップを終えたメンバーたちがすっかりチームとなって戻ってきたこと。
ワークショップ前と後ではメンバー同士の距離感が驚くほど縮まっていて、ひと仕事終えた後の炭酸ジュースを皆で飲み干したり、現代集落の目の前の海にTシャツを脱いで飛び込んだり、子どもの頃のような無邪気な一体感をメンバー同士が楽しんでいる様子がとても印象的でした。今後は株式会社ゲンダイシュウラクと合同会社notonoでこのワークショップを企業向けに開催していくそうです。
組織やチームの課題にいきなり言語で向き合うとあれやこれやと思考まみれになりがちですが、道を作るワークショップではとにかく手足を動かして非言語の共通体験をすることで、思考と言葉だけでは得られなかった一体感を手にすることができます。さらに現代集落の未来を作るお手伝いにもなり、一石二鳥の秀逸なワークショップですね。
②現地の人とのご縁を作る、のと未来合宿ナイト
初日の夜は、宿泊先の真脇ポーレポーレの会議室に現地で活動される様々なゲストをお招きし、参加者と地域の方との交流会を行いました。現地で代々家業を営む方や、移住をして店舗を運営されている方など、様々な地域の方が集まってくださりました。
能登の地酒やワインを飲みながらDJの音楽やレーザー照明や映像で空間演出をして堅苦しい名刺交換の場ではなく、それぞれが心をほぐしながら対話を重ねました。
のと未来合宿の1日目の夜の様子は地元新聞の北陸中日新聞、北國新聞にも掲載されました。
③上乗先生の村づくりにかける情熱に触れたケロンの小さな村
2日目に訪れたケロンの小さな村は、教員を定年退職された上乗先生ご夫婦がたった二人で未開の土地を切り開いてできた、まるで童話の世界をそのまま現実に作り出したような、自然あふれる美しく素朴な温かい場所です。
メインの建物からブランコやユニークな遊具、小さな看板ひとつに至るまで全て手作りというから驚きです。
現地についてから米粉ピザ作り体験をする前に、上乗先生にこのケロンの小さな村にかける想いとストーリーをお話いただきました。少年のようにキラキラと瞳を輝かせながら子どもたちに残したい未来のお話や、先生の掲げるケロンの小さな村の未来予想図を語る、ワクワクに溢れた先生のお話と目の前に広がるケロンの小さな村という先生の中にある理想郷が体現された場所とリンクし、内から外へ湧き出るwant toのエネルギーを感じさせていただいた時間でした。
先生のお話の後は、村で採れたお米の粉や野菜を使ったピザ作り体験です。
子どもから大人まで、皆それぞれビザに具材を乗せて、窯で焼けるピザを今か今かと眺めながら待ち望んで出来上がったピザは絶品でした。
食べる時の笑顔も提供されるだけの食事とは違います。同じ窯の飯ならぬ「同じ窯のピザ」という食事を通じた共通体験が提供されるだけの食事とはまた一段階違う笑顔にしてくれました。
食事後は、進行中のケロンの小さな村計画の現場へ。ケロン頂上桜回廊事業はなんと2029年までの間、2期に渡って計画をされています!
この見学途中も予想外の展開が。先生ひとりではどうしても切れない木を、チェーンソーを持参していた参加者のひとりであり、ハンターや木こりとして活動されているYukiさんが鮮やかな手つきで切り倒しました。
この様子を見た上乗先生は大興奮。「もしよかったらこっちの木もお願いできませんか??」と、いつの間にか見学時間はケロンの村の未来を作るワークショップに。1日目の現代集落での道を作るワークショップでの経験とリンクをした面白い予想外の展開となりました。
ケロンの村は好きなことに夢中になる情熱の美しさ、素晴らしさが描く理想郷の姿と先生のお話に触れられるとても貴重な場所です。小さなお子さんから大人に至るまで、能登に訪れた際はぜひこのケロン村の世界と上乗先生のストーリーに触れていただきたいと感じました。
今でも娘ににケロンの村の写真と絵本を交互に見せながら、この絵本の場所に行ってきたんだよ!と話すと嬉しそうに喜びますし、ケロンの村で販売されているケロン村産のお米は3歳の娘がおにぎりを5個食べてしまうほどのおいしさです。
合宿最後の夜は、予想外の創発。
能登の未来にそれぞれがコミットメントを表明
合宿2日目、今回の合宿最後となる夜の時間は、1日目のパーティーとは異なり、皆が今回の合宿で体験したことを元にそれぞれが能登町と自分自身の未来を繋げたコミットメントを発表しました。
能登の資源を活かすアイデアから情報発信や具体的なプロジェクトや再訪の計画まで、多種多様なアイデアとコミットメントが次から次へと発表されていきました。
どれも外から地域の情報を取得しただけでは生まれてこない、今回の合宿での濃い体験をしたからこそ出てきたアイデアばかりでした。
中でも、今回の合宿の現代集落やケロンの 小さな村で大活躍をしたYukiさんはケロンの小さな村の後継者として挙手し、出張森づくり合宿@能登の企画の立ち上げなど、具体的なコミットメントを宣言。Yukiさんの他にも木こりになりたいと言って見習いを始める決意を表明した人も。まさに予想外の創発が起きた瞬間でした。
これらのコミットメントが合宿終了後、早々にアクションが起きています。
まとめ:何をするか?何ができるか?ではなく、まずは繋がり、知ることが始まり
ただ旅で訪れて滞在をしてサービスを受けるだけでは決して知ることのない現地にあるリアルな暮らしや課題。
ニュースや新聞などのメディアで地方創生の課題が取り上げられることもたくさんありますが、あくまでそれは情報を享受しているだけに過ぎません。
目の前にリアルな課題を抱えた人がいて、その話を聞けば自分ならどうするか?自分にできることは何か?を勝手に考えるのが人間というものです。ひとりの人と人のご縁が繋がることがどれほど強力な起点、きっかけになるかということを実感した合宿でした。
地方創生の第一歩はまた会いたい人がその地にいること、その人の想いを一緒に大切にしたいと思うことなのだと。
明確な課題を提示した上で解決するというのはある意味予定調和です。
今回の合宿では、事前に能登町が抱える明確な課題を提示した上で実施をされたのではなく、実際に現地に行くことと、現地の方と接する「機会」が提供されただけで、その先の予想外の展開を生み出したのは人と人のつながりです。
現地に行って、現地で活動されるさまざまな方ひとりひとりの声を聞き、活動の場を体験することで参加者それぞれの内側にある「何か」が突き動かされて予想外のアクションに繋がったり、地域の人同士のご縁、地域の人と参加者のご縁、参加者同士のご縁と、さまざまな形のつながりが創発されました。
合宿終了後2ヶ月ほど経過した今でも、参加者同士の情報交換もさかんに行われています。現地との繋がりができたことはもちろん、一度合宿を共にした参加者同士も合宿終了後の今もお互いの活動を応援し合う仲間となっています。
合宿とは何か?をシンプルに語ることはできません。部活や免許の合宿から全社合宿や経営合宿など組織の未来を創る合宿、さらに地域と繋がり、その土地の未来を共創する合宿に至るまで数えきれないバリエーションの合宿があり、ひとことで語るにはあまりにも深く広く、複雑です。
ただ、今回の合宿を通じて合宿人としてひとつ明確になったことは、合宿人は未来の起点を創る「Oppotunity Maker(きっかけメーカー)」であるということ。
組織やチーム、地域、個人、全ての人が予想外の未来を描く起点となる機会を創る事なのだと実感しました。
今後も合宿人ではこうした新たな合宿のカタチを探求・挑戦する取り組みを行なっていきたいと思います。
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