口に砂

　○○ちゃんは、まだ「ゴッコ遊び」が楽しいお年頃。

「○○ちゃんがお姉ちゃんで、ママは赤ちゃんね」。赤ちゃんと違って、お姉ちゃんの行動は、素早いものです。ママが滑り台の階段を登りながら、足元に目をやったその時です。

　○○ちゃんの泣き声が聞こえました。ママが視線を上げると、1秒ほど前に確認できたエルサの向きが逆さまになっていたのです。考える間もなく、「口に砂ｧ〜」と号泣する○○ちゃんに駆け寄ってみると、鼻からは鼻血、鼻の下には擦り傷がありました。とりあえずは、お茶で「クチュクチュ・ぺ」させて、砂を吐き出させます。

　ティッシュを両鼻に詰めて、道行く人に振り返られながら自転車で自宅へ直行。脱衣所で、エルサのトレーナーを脱がされた○○ちゃん。トレーナーの袖を見て言いました。「どうして、血がついてるの？」。

　○○ちゃんは、袖で鼻血を拭いたことも認識できないほど全身全霊を込めて泣いていたんでしょうね、きっと。午後8時、おふとんに入って、ママにお話を始めて10秒も経ったでしょうか。○○ちゃんは寝息を立てて夢心地。今日も1日、お疲れ様でした（笑）。