JR北海道の名技術第4回 バイオトイレ(ノロッコ号)
JR北海道は、近年JRグループの中でも特に経営難となっており、観光列車縮小や駅の一斉廃止、路線のバス転換の提案なども行われています。
そんな同社はつい最近まで全国屈指の技術を持っていました。このシリーズではそんな消えたJR北海道の素晴らしい技術と今もある素晴らしい技術を解説します。
概要
かつては増毛や知床などJR北海道の様々な観光地を走っていた観光列車「ノロッコ号」。JR北海道の経営悪化に伴う維持費用削減のため大幅に削減されてしまい、現在は富良野と釧路湿原にのみ残っています。
そんなノロッコ号の車両に、かつてとても斬新なトイレがありました。
鉄道車両のトイレの欠点
鉄道車両で長距離を走る列車には、トイレが搭載されていることが多いです。しかし地方の第3セクター等ではトイレがない場合もあります。その理由は、トイレの汚物処理装置ねや設置に費用がかかるからです。
かつては地面への垂れ流しをしていましたが、環境意識の向上などにより現在は専ら車両の下にある汚物タンクに汚物を貯める方式になっています。貯めた汚物は車両基地にある処理装置で処理をしています。
バイオトイレ
そこで、JR北海道はバイオトイレを鉄道車両に搭載すれば車両基地の処理装置を大きく簡略化することができると考えました。バイオトイレは汚物を下水道へ流さず、微生物によって分解させる方式のトイレです。下水道が整備されていない地域や発展途上国で使用実績があります。
2009年から2010年まで流氷ノロッコ号にて試験がされ実用化に向けて検討がされたようですが、その後の様子はインターネット等で調べてもわからず、2024年現在特急型車両や通勤型車両で搭載されている例もありません。そのためおそらく開発を断念したのか何らかの理由でできなくなったのかと思われます。詳しいことをご存知の方はコメントにて教えてください。
【参考】JR北海道公式プレスリリース
「環境にやさしいバイオトイレを営業用車両に搭載!」(平成21年1月14日)
→https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2009/090114-1.pdf