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高校野球のシーズンになると思い出してしまう自分の野球人生

野球少年時代の思い出

 炎天下でもぶっ倒れるまで、グラウンドの土と埃にまみれ、大声を出しながら夢中でボールを追っていた。
夏場は学校のグラウンドまで歩く道のりも暑く、うねりをあげるような暑さが覆うグラウンドの様子を見るたびに、うちに帰りたくなったものだ。

それでも野球部の仲間の顔を見て、笑顔で練習に参加していた。
当時は昭和式で水も飲めないのが当たり前、日陰のないグラウンドでひたすら練習を繰り返す。

途中で体調が悪くなる子も当然いた。
しかしこの辛い練習を乗り越えると、きっと上手くなるんだと
ボールを遠くへ飛ばせるようになる、ボールを捕ることが上手くなる
試合で勝てるようになると、漠然と疑いもなく信じていた。

冬になると、私の住む地元は雪が降るので、校舎の階段や廊下に体育館で筋トレをよくさせられた。

この少年時代の辛い思い出が、大人になり辛い時を耐える忍耐力に大きく影響している気がする

 試合の思いで

私が所属したチームは弱かった。
一生懸命に練習しても試合に負ける方が多かった。

小学生と中学生と続けたが、ずっと弱かった。
でもずっと長く一緒のチームで野球をする仲間が好きだった。

私は試合になるといつも緊張して、全くいつもの練習の成果を出すことが出来ない子供だった。
打席に立っても、ぎこちなくカウントすら分かっていない、サインだけは見逃さないように必死だった
当然フォームもバラバラで打てるはずもない。
守備でも打球が飛んでくるたびに、心臓が破裂しそうだったことを今でも覚えている。

きっと監督やチームの仲間たちも、私には期待など出来るはずのない選手に見えていただろう。
どうして、あんなに緊張して力が出せなかったのか、大人になった私は、子供のころの私にアドバイスしたいと、いつも思い出してしまう。

それでも毎日、辛い練習を休みたいと思う日もありながら続けた。
すると、ある日なぜか絶好調な時期を迎えた。

そう!成果がでた瞬間。
なぜ急に出来るようになったのか、今でも分からない。
練習の成果が実ったのか、単純に緊張から開き直ったのかは謎のままで。

高校への進学

高校の進学を迎えたとき、同じ野球部の仲間と離れ離れになる現実を知る。
幼いころから近所の子供を集めて始めた野球しか頭にない私は初めて、高校進学という人生の選択の第一歩を迎える。

勉強なんて全く皆無な私と違い、皆どこの高校へ行くのか進路をしっかり考えていたのに…
私は何にも考えていなかった…

今思えば、このころから先の人生を考えることが、私には苦手だったのかもしれない。

結局、興味のない高校を受験し、興味のない高校に行くことになる。
そしてその高校の野球部には知っている者はいない。

練習を見学に行った時、その高校の監督を見て、私の野球人生は終わった。
暴力体罰当たり前、罵声の連発で今でいうパワハラ満載な監督だったのだ!
人生初のパワハラに遭遇して、進路が変わった瞬間である。


そして時は流れ…

 私の子供時代の軸には常に野球があった。
今でもプロ野球や高校野球は楽しみにしている。

そして何より、野球で学んだ事は多く、今の私の人生においての基礎となっている。
あの厳しい練習を乗り越えたこと、仲間と団結すること…数え上げればきりがない。

しかし、そんな積み上げたものも一人の存在で壊れてしまうことも含めて。
あの時の監督は、今どうしているのだろう?

私の関わりたくない人、第一号ではあるが、ご多幸をお祈りします。




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